開催内容 2024年7月27日(土)
ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。
暑い日が続きますね。
ナレッジサロンが会場の時は朝からの開始なのですが、会場を着くなり飲んだ冷水が美味しいw
涼しい室内での読書会ですが、窓から見える景色は晴れ晴れで眩しく温度の高いものでした。
今日はお昼にカレーを食べて帰りました。多分の他の参加者の中にも今日はカレーを食べた人がいるはず?
なぜカレーを食べたくなったか?
それは今日のおすすめ本から察してくださいw
WWE 日本公演
アメリカ、いや世界で一番大きいプロレス団体「WWE」
コロナ禍を経て6年ぶりに日本公演がありました。3日間の興行で7/25の大阪大会に言ってきました。
めちゃめちゃ楽しかった!
日本のプロレスは試合を観て楽しむものですが、アメリカンプロレスは観客も一緒に試合を盛り上げます。
観客が声をそろえてかける掛け声や応援歌を歌うんです。
僕もめっちゃ声出して応援しましたw
プロレスは日本ではマイナーなものになりつつありますが、アメリカでは超メジャーエンターテイメントなんです。
スーパースター目白押しでした。チャンピオンのコーディ・ローデスの登場の時は会場が揺れるぐらいの大合唱でした。
もう次回の日本公演が楽しみです。
フロイスの見た戦国日本
ルイス・フロイス。イエズス会士として戦国時代の日本で宣教し、織田信長や豊臣秀吉らと会見したキリスト教の宣教師。
彼が書き残した「日本史」をまとめた本です。
戦国期研究における重要な資料となっていますが、外国人が日本人をどう見えたかが気になって購入。
もともと12冊ほどの本を一冊にまとめたものなので、端的に信長や秀吉ことを始め、たくさんのキリシタン大名についても書かれています。
信長は恐れられているが几帳面で仕事ができそうな描写やバテレン追放を出した秀吉をボロクソに書いていますw
僕がイメージする彼らの人物像とはそれほどかけ離れていない感じだったので、フロイスの資料は現代にも影響を与えてるのだなと感じました。
この本を読んでいたところにネットで「弥助問題」が炎上していたのでそっちの方へと僕は興味は向いていきました。
まずはこちらの11月発売予定の人気ゲームシリーズの「アサシンクリード」の最新作
ゲーム アサシン クリード シャドウズ
アサシンクリードシリーズは人類の歴史上には裏の勢力が争っての結果であるという設定があり、主人公はその組織の暗殺者。
各作品ごとに歴史的背景があり、舞台となる各時代の街並みを忠実に再現しています。
近年ではプトレマイオス朝末期の古代エジプト、ペロポネソス戦争中の古代ギリシア、ヴァイキングの侵攻が活発だった9世紀のイングランドなど、各国の様々な時代を描いた作品が発表されていました。どれも見事な描きっぷり。歴史上の人物もたくさん出てきて、テンションがあがる作品です。
そして、今度の舞台は戦国時代の日本。
ワクワクですよね。ジャパニーズニンジャの活躍にぴったり!
で、映像をみた日本人はみんなびっくり。
弥助が侍?
弥助は信長の時代にイエズス会に日本に連れてこられた黒人奴隷です。
弥助に関する史料はほとんどなく、体格描写のほかは
・宣教師が黒奴の弥助を見世物にしていた
・珍しいもの好きの織田信長が譲り受け、荷物持ちとして配下にした
・本能寺の変の際に捕らえられ、南蛮寺に送られた
程度の記録しか残っていません。
まぁ、ゲームですからファンタジーを楽しむが良いものですが、どうも出てくる映像が・・・雑なトンデモニッポン!
アサシンクリードは膨大な資料に基づく再現性の高い舞台設定がウリのゲームです。
これにたくさんのユーザーの指摘が殺到。
しかし公式では「ちゃんとした資料、日本の専門家が監修制作したと主張。
その資料とは?誰がそんな話をしているの?
そこで日本大学准教授トーマス・ロックリーという方の名前が出てきました。
信長と弥助-本能寺を生き延びた黒人侍
ロックリー氏の著書です。
弥助は伝説の英雄として扱っていたり、「宣教師が用心棒として連れてきた黒人を、日本人が奴隷にした」といった記述がされています。
信長の首を持って逃げたとか、聞いたことのない話ばかり。
読んでひっくり返りましたw
そして、ネットではロックリー氏は自著を「フィクション」と言うことはなく、「弥助の専門家」としての地位を得て、あちこちで自らの創作を吹聴してまわっていることがわかりました。
ロックリー氏の主張を信じてゲーム化までしちゃったわけで、ゲームだったらフィクション、ファンタジー大歓迎ですが、これを事実とされて海外の人達に日本が勘違いされたら大問題ですよ。
歴史改変だけではなく、奴隷問題、人種差別問題、ポリコレ・・・
色んな議論に巻き込まれるーw
この記事を書いた時点ではゲーム会社の方は公式に謝罪。
そして、ロックリー氏は自身のSNSを全消し。本人からのコメントはなしのようです。
一旦炎上すると、誹謗中傷が飛び交い、あちこちに飛び火して元の話はどこいった?みたい感じになっています。
僕はここらへんでこの問題を追いかけるのはやめましたw
アサシンクリード最新作はゲームとして、トンデモニッポンを楽しむものとして期待はしています。
映画 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
1969年の月面着陸にまつわる、ある噂を基にしたラブコメディー!?
アメリカとソ連が技術面で競り合っている時代。是が非でも月面着陸成功で優位に立ちたいアメリカ政府はPRマーケティングのプロ、ケリー(スカーレット・ヨハンソン)を雇います。そしてロケット発射責任者コール(チャニング・テイタム)と対立しながらもアポロ計画は進んでいきます。
月面着陸は実はスタジオで撮ったという都市伝説がありますが、それを逆手にとったストーリーがドタバタな感じで作られています。
月面着陸をテーマにした映画は深刻なトーンで描かれることが多いんですが、これはポップでいままでとは違ったアプローチでアポロ計画を巡る政治や人間関係を描いています。
あんまり上映館多くないんですが、今年のベストに入りそうなくらい良かったです。
東大教授が教える知的に考える練習
父の都合により幼少期にシンガポール、ブラジルなどを渡りながらも独学で勉強し、東京大学教授になるまでの経験をもとに、情報過多な時代において知的に考えるための新しいアプローチを紹介。
頭の中に質の良い情報が集まる「網」を張り、必要な情報を選別し、考えることに能力を使うべきだとも指摘しています。
さらに、思いがけない組み合わせを考えることで、新たな視点やアイデアを生み出すことができると述べています。
適塾 (旧緒方洪庵住宅)
蘭方の医者、学者であって、教育者でもある緒方洪庵の自宅。
大阪市中央区に位置する重要な歴史的建造物。
有料ですが、実際に入れるんですね。
福沢諭吉を始め、多くの著名な学者や医師がここで学びました。
当時、彼らが一緒に過ごしていた部屋もあるそうです。
大阪市内のど真ん中になるんですが、木造の二階建てで、日本の伝統的な町家建築の特徴を持ちながらも、西洋の影響を受けたデザインとても落ち着ける感じの良い建物だそうですよ。
展示物や資料を通じて、当時の教育や生活を知ることができます。
大阪大学大学院医学系研究科広報誌 「DOEFF(ドゥーフ)」
医学に携わる多様な研究者の姿や視点、他にも様々な角度からアプローチされる研究などが載っている大阪大学が発行しているフリーペーパー。
アートな体躯(からだ)という様々な細胞を顕微鏡で覗いた写真記事から始まります。それはほんとアートのようなキレイな画像です。
医学の話はもちろん載っていますが、わかりやすい文章になっているそうdす。インタビュー記事があったりして、お医者さんの日常なども知ることができます。
フリーペーパーにしては良い紙を使っているとのことw
サイト先からPDFとかで内容を見ることができます。
司馬遼太郎記念館
日本の著名な歴史小説作家である司馬遼太郎さんを記念して建てられた施設。
東大阪市にあります。
これまた有名な建築家の安藤忠雄の設計だそうです。
建物の周囲には、美しい日本庭園があり、彼の生涯や作品に関する展示が行われています。彼の執筆に使われた資料や道具、手稿などを見ることができます。
フィクションではありますが、司馬遼太郎さんの作品を通じて、日本の歴史や文化について学んだ方も多いんじゃないでしょうか。
司馬遼太郎記念館に行った際に購入した本も紹介してくださいました。
対訳 21世紀に生きる君たちへ
司馬遼太郎によるエッセイ。
次世代を担う若者たちへのメッセージとして書かれており、日本の歴史や文化、現代社会の課題についての考察が含まれています。
歴史や文化、倫理観の重要性を説きつつ、未来への希望と期待を託した作品になっており、小学校用教科書にも載っているそうです。
対訳ということで英語でも書かれています。
映画 水になった村
紹介者の方が険しい林道などの「酷道」を車で走るのが好きとのことで、岐阜県徳山村があったダムの方へ行ったそうです。
徳山ダム建設のため、村民は1984年に離村しました。
離村する村民の様子を撮ったドキュメンタリー映画です。
映画自体は観れなかったそうなんですが、パンフレットは販売されているそうで現地で買えるそうです。予告編がyoutubeにあったので載せておきます。
美しい村の自然や暮らしの風景、失われる村の記録を残すために通ってくるカメラマンの青年とジジババたちの交流、徳山ダム試験湛水から完成、高齢になっての移転地での暮らしを描かれています。
日本の過疎地帯
現代の日本でも人口減少、人口の集中が問題になっています。
この本は1968年の本なんですが、もうすでに過疎地に語られるとのことで興味深い本となっています。
過疎化を止めるにはいくつもの政策が考えられていたそうで、何もしなければ過疎は進行しますし、予算を割いても過疎のスピードはゆるやかになるだけでむしろ道路など作って都市と繋ぐと便利になる分、さらに都市への移住が加速してしまうそうです。
人口問題は今始まったことではなく、長い期間をかけておこっているんですね。
訂正する力
哲学者であり思想家である東浩紀さんの書籍。
「訂正」という概念を通じて現代社会や個人のあり方について考察しています。
ブレないことが正しい姿勢のように思えますが、状況によって対応する必要もありますし、間違ったからといってすべてリセットできる状況も多くはありません。そして、間違いを訂正するというのは失敗したというレッテルを貼られ非難されることもあります。
単なる誤りの修正としてではなく、社会のシステムや構造が柔軟に対応し続けることで、より健全で持続可能な社会が築かれると書かれています。
昨今の論破ブームに警鐘を鳴らしている部分もあるのかもしれません。
シンクロと自由
介護職の著者が宅老所「よりあい」での多様なエピソードを通じて、介護を「する側」と「される側」の関係性を描いています。
介護をする側とされる側の思いが一致したときの「シンクロ」、埋められない認識のズレが生じた先、「する、される」を越えたところで見つかる「自由」が生まれると介護者と入居者の交流の中で見えてくる「老い」の世界や自由の感覚に焦点を当てています。
お互いの想像力があっての関係性あってのことであり、介護というテーマは重いテーマですが、希望の見えてくる一冊になっています。
めざせ! ムショラン三ツ星 刑務所栄養士、今日も受刑者とクサくないメシ作ります
男子刑務所で刑務所栄養士の方が刑務所での食事事情や受刑者の様子が書かれた本書。
栄養士は受刑者の食事の献立を考えますが、作っているのは受刑者なんだそうです。
選ばれる受刑者も模範囚のみで、料理器具も色々制限があったりします。
「みりん」はアルコールが入っているので、お酒として飲んでしまうから禁止とか、バナナも繊維を使ってタバコを作る人もいたりするそうです。
他にも予算や材料の制約、受刑者の好みや文化的背景など面白い話が満載です。
にしても、あれやこれやと抜け道を見つける受刑者のアイデアには舌を巻きますw
映画 密輸 1970
1970年代の韓国の漁村を舞台の映画です。
化学工場による海洋汚染が広がり、地元の海女チームは失業の危機に。
生活のために海底の密輸品引き揚げの仕事を受けますが、作業中に税関に摘発されてしまいます。出所後に新たなたな密輸の儲け話が持ち上がり・・・
密輸王、チンピラ、税関の職員、海女、そしてサメやタコw。巨額の金塊を巡る、騙し騙されのクライムアクションが描かれています。
私でもスパイスカレー作れました!
スパイスカレーを手軽に自宅で作る方法を初回しているエッセイマンガ。
カレーをスパイスから作るのってハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、じつはスパイスカレーはシンプルなもので材料も多く必要としません。
材料はスーパーで買えるもので、用意するのは3つのスパイスだけ。
「主役(お肉など)」×「ベース」×「3つのスパイス」の組み合わせで作れる種類はほぼ無限にだそう。
紹介者もこれでスパイスカレー作りに凝るようになったそうです。
いやはや、お腹が空いてきましたねw
カキフライが無いなら来なかった
自由律俳句俳人、コラムニストである「せきしろ」さんとお笑い芸人の又吉さんとの五七五の形式ではない、自由律俳句がたくさん掲載されています。
俳句の内容がセンチメンタル過剰で自意識異常w
この本の題名のその一句。
短い文章なのに背景が浮かんでくる作品ばかりだそう。
その背景も人によって変わってくるそうで、紹介者の方は色んな人に句を読んでもらってどんなことを想像したかを聞いてみたりしているということで大好きな一冊とおっしゃってました。
「あるある」のようで、感想は個人差が出てくるっていう色んな人と話のネタなりそうな本にもなっています。
知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法
周りにセンスのいい人やアイデアマンの方っていませんか?
観たり聞いたりした情報を感じ取り、理解する能力、見えないものを観る力を「知覚力」とし、絵画の観察を通じて、知覚力を磨くレーニング方法を紹介しています。
ものを見るもの人によって感想が変わってきます。
たとえば、脳のCTスキャン画像を見たとき、医者は病巣を探そうとしますが、子供がみるとゴリラのイラストと思ったそうです。
観察の習慣化、視点の変化など色んな角度から観察することでいくつもの情報を得て、自身の感情や記憶からその情報を組みて直す。
創造性を引き出すための一冊ですね。
ロボット-RUR
1920年に発表された戯曲であり、ロボットという言葉を初めて紹介した作品。
未来の世界、R.U.R社という会社はロボットを発明し、大量生産を始めます。
ロボットたちは世界中に送られ、さまざまな労働に使われ人は便利な生活をしていますが、ある時からロボットにはも心があるという考えが出てきます。そしてロボットの人権団体ができ、地位向上や権利保護を訴えるといったお話。
未だに?これから?テーマになっていくことが100年も前にこんな設定が考えられているんですね。
以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓
ご参加お待ちしております。
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