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彼女とのお別れ
この話をnoteにするのはどうかとも思うけど、でもしようと思ったからする。
昨晩彼女とお別れをした。出会って3年と少し、付き合って2年と9ヶ月くらいだった。大学2年生から大学に編入した僕にとって、大学生活は彼女との時間そのものといってもいいくらいのものだ。彼女にとってもそうだと思う。
別れた理由は端的に言うと自分が海外に行ってもう戻って来ないだろうから。少なくとも10年は帰らないだろう。
だから彼女のことを嫌いになったとかケンカをしたとか、そういうのは微塵もない。ただ同じ方向を向いて歩くのが難しくなってしまったから。
別れ話をした後、2時間くらいだろうか、一緒に過ごした京都の街を歩いて見てまわった。
彼女は「おばあちゃんになっても一緒にいると思ってた。」と言った。
よく2人で話してたんだ。結婚式は僕の好きな神社で神前式がいいなとか、でもウエディングドレス姿も見たいねとか。子どもには習い事をさせたい彼女と何も指図せず自由にやらしたい僕と論争が起きたり。彼女が、僕の作るパスタは本当に美味しいから将来は一緒にパスタ屋さんをしようって。でも彼女は駄菓子屋さんもしたいから、じゃあパスタ屋さん兼駄菓子屋さんってことにしようって。お店は海沿いにしようねとか。
僕は海外を目指し始めた時からいずれこんな日が来てしまうといつも心の中で感じていつも1人で怖がっていた。だから彼女と将来の話をする度に、彼女が僕との将来を何一つ疑うことなく真っ直ぐに楽しそうに想像してくれることが、辛くて、でも嬉しくて、甘くて、僕もそんな未来が来たらいいなと本当に本当に思ってたんだ。
「でも、もし万が一お別れすることになった時のために、僕と付き合ってから銀魂を観るのを止めてるの。辛い時にたくさん笑わしてくれるから。だから明日からためてた分を観るね。」
本当にお茶目で世界一可愛くて素敵な子だった。そんな子をどうして僕は手放してしまったんだろう。
「私大学に入るまでは割と本当にもういつ死んでもいいやって気持ちで生きてたの。でも〇〇くんと出会ってもっと生きたいって思えるようになったんだよ。だから本当にありがとう。」
生かされていたのは僕の方だったのに。同じ方向を目指している人は周りに1人もいなくて、ずっと孤独で、2年間1人で勉強してきた。友だちと勉強する日も多かったけど、目指してるものも勉強の内容も違うし、心は1人だった。本当に苦しかった。ずっと歯を食いしばりながら勉強してたみたいで、顎の骨がだいぶん削れてしまってると歯医者さんに言われた。
でもそんな人生で一番苦しかった時間を、頑張って生きれたのは彼女のおかげだった。いつも優しく包み込んでくれて、一緒に笑ってくれて、膝枕して頭を優しく撫でてくれた。ハンコ注射の跡がくっきり残った二の腕が可愛かった。
彼女はけっこうすぐ物が欲しくなるタイプで、あれが欲しくなってきた!あ、これも欲しいかも!あ、〇〇くんここ一緒に行ってみたい!みたいな感じで、でもちゃんと慎ましく一旦我慢して本当に欲しいかじっくり考えたりしていて、物欲がほとんどない僕にはそれが本当に可愛らしく見えた。
いつもあまり複雑ではないパズルみたいなスマホゲームをいくつも入れて、それを楽しそうにやってた。小さな幸せをたくさん見つけて、それを大切にできる人だなって思って、そんな彼女が、本当に本当に大好きだった。
生きるのは苦しい。でもこんなに大切な彼女を振り切ってまで行くんだ。覚悟を決めてこれからの人生を全うしないと彼女に申し訳が立たない。
今世中にまた会うかもしれないし、お互い死んだ後かもしれないし、でも絶対にまた会える。だからその日まで彼女に胸を張って話せる冒険譚を自分の足で紡いでいきたい。
そして何よりも、彼女のこれからの人生に幸せが満ちていますように。