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現環境における【メタビート】相性考察(2024.09)


はじめに

【メタビート】とは、文字通り環境を「メタ」っている「ビートダウン」なわけだが、実際に環境での相性はどうなのだろうか?ということで、現環境における【メタビート】の立ち位置についてざっくり考えをまとめてみたい。

参照するのは、自分が8月および9月に戦ったレート戦で、ざっくり550試合分ぐらいのデータである(「そんなにやってるのかよ」と思わず目眩がする)。

【メタビート】と一口に言ってもいくつかバリエーションがあり、自分もレート期間中はいくつかの型を使い分けていたが、今回の相性表はややカグヤ型を意識したものということを付け加えておく。

9/12の新弾でまた環境は少し変わってくると思うので、あくまで参考程度に。

なお、評価についてはこんな感じ。
◎:かなり得意
○:ちょっと得意
―:互角 or わからない
△:ちょっと苦手
▲:かなり苦手

【メタビート】を使う側にせよ使われる側にせよ、今月のDCの参考にでもしていただければ幸いである。ちなみに記載順は自分が当たった数を大まかにもとにしている。

環境デッキとの相性

【炎王スネークアイ】

いつまで環境にいるんだ

先手:◎ 後手:―

ご存知環境最有力デッキだが、【メタビート】視点だとかなりやりやすい相手に入る。環境に【炎王スネークアイ】がどれだけ多いかで、【メタビート】の勝率が決まってくるといってもいいレベル。

特に《マクロコスモス》や《ディメンション・アトラクター》を採用しやすいカグヤ型は安定して戦える。打開力の高いデッキではあるので、少し油断しただけでひっくり返されるこわさはあるものの、上位デッキでこれぐらいまくりやすい相手はおそらくいない。【炎王スネークアイ】が増えてくるレート終盤こそ、【メタビート】は輝くとも言える。

一方で、数は少ないものの、炎王要素を入れていない純【スネークアイ】は比較的苦手。

【粛声】

守備力1800にして

先手:◎ 後手:▲

新たに環境入りしたコントロールデッキ。先手での相性は使っている【メタビート】の型や採用しているカードによって変わってくるが、いずれにせよ対策は必須。当たり前だが《フォッシル・ダイナ パキケファロ》をポン置きすれば勝てる相手ではない。とはいえ、勝率的にはそこそこ勝ち星が見込める。

一方で、後手は相当厳しい。理論的には《豪雨の結界像》or 《王家の眠る谷-ネクロバレー》+《超融合》で盤面を打開できるが、要求値が高く、しかもそれだけでは勝てない(《粛声の祈り手ロー》を突破するルートが限られているため)。

特に、《昇霊術師 ジョウゲン》を出されてしまうと、ほぼ何もできずに負けてしまう。裏切りのハゲを許すな。

【ユベル】

いまだにそれぞれのユベルの違いがわかっていない

先手:◎ 後手:―

SS(特殊召喚)を封じるモンスターを出し、《無限泡影》さえ躱すことができればほぼ勝てるので、先手はかなり有利。逆に言えば、SSが封じられないと《ファントム・オブ・ユベル》が《王家の眠る谷-ネクロバレー》を貫通して場に出てくるので、相手の動きをしっかり理解していないと勝ち星を積み重ねるのは難しい。

後手はこちらの構成次第なのでなんとも言えないところ。先月使ったデッキでは後手8/13とそこそこ勝ち越すことができたが、【ユベル】の最終盤面を崩すにはひと工夫必要になり、簡単にはいかない。むしろ《夢幻崩界イヴリース》を採用した型のほうが、ちゃんと対策さえしていればまくりやすいまである。

【ティアラメンツ】

ネクロバレー貼ったら大人しく降参してほしい

先手:◯ 後手:◯

思ったより全然勝てないしよくボコボコにされているが、勝敗表を読み直してみると意外に勝ってる謎の相手。

墓地を封じればなんとかなりそうな見た目をしているが、実際は全然そんなことはなく、いろいろな手段で突破しようとしてくる。

《豪雨の結界像》が裏目に出る筆頭であり、普段は心強いカードである《超融合》が一転して悪夢のカードに化ける。《ライオウ》やその他の結界像を採用している構成なら、もう少し安定して勝てるかもしれない。

【メタビート】的には、通常召喚できるモンスターの攻撃力が高い点も厄介なデッキで、何かしらで守っておかないと、貧弱なSS封じモンスターが普通に戦闘破壊されてしまう。

後手はパチンコがフル回転すると無理に近いが、相手の展開がそこそこぐらいで止まってくれると、《王家の眠る谷-ネクロバレー》を貼って適当にやっているだけでまくれることもある。

全体的に、「思ったより先手では勝てないが、思ったより後手で勝てる」という印象。どちらかというと、いまも【ティアラメンツ】を握っているような人は構築理解度が高く、そういう部分のほうが厄介かもしれない。

【60GS】

こいつだけまともな画像がない

先手:◎ 後手:▲

デッキの厚みを見ただけですでに負けた気分になる相手だが、こちらのシステムモンスターや置物を破壊するカードへのアクセスが細いため、先手は実のところかなり有利に戦える。

後手は爆発するとまあ無理なので、《ディメンション・アトラクター》が通ることを祈るか、いい感じにまくり札が手札に揃っていることを祈るしかない。【60GS】と当たるたびに舞城王太郎の「愛は祈りだ。僕は祈る」という言葉を思い出す。

【ラビュリンス】

「俺が炎王だったらどうするんだよ!?」とよく思う

先手:△ 後手:△

苦手意識のある相手だが、SS封じと墓地対策が効くので、先手を取れれば(こちらのデッキ構成と引き次第では)有利に戦える。《王家の眠る谷-ネクロバレー》よりも《マクロコスモス》のほうが刺さるので、ドラグマ型よりもカグヤ型のほうが戦いやすい。

ただし相手のまくり札が多く(《無限泡影》、《『魔砲戦機ダルマ・カルマ》、《ドラグマ・パニッシュメント》など)、《神の宣告》を握ってないとどうしようもない場面も結構あり、相当な有利盤面でもひっくり返されるこわさが常に付きまとう。

後攻は相手の手札次第で、ハンデス×2からの《迷宮城の白銀姫》着地まで決められるとまあ無理。というか《迷宮城の白銀姫》がそもそもきつい。

一応《超融合》や《ライフハック》があれば《迷宮城の白銀姫》を出されてもまくることは可能なので、そのへんを引きつつSSや墓地を封鎖できればまあ戦えることは戦える……?ぐらいだろうか。

実際、展開系のデッキではないため、最終盤面が弱いこともそこそこあり、そういうときはSSや墓地を封じるだけで戦えることもある。とはいえ「数が減って本当に良かった」というのが全メタビーターの本音である。

【センチュリオン】

コズミックやめてくり〜〜〜

先手:◎ 後手:▲

先手は有利。単純にSS封じが刺さるだけでなく、盤面を揃える際の隙がかなりあるため、カウンター罠や《大捕り物》もしっかり刺さる。

逆に後手は《超融合》を持っていないかぎり、《赤き竜》から《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》を出される可能性が高く、まあ厳しい。SSを封じようにも、ほぼ確定でサーチされている《騎士魔防陣》が邪魔をしてくる。《禁じられた聖槍》みたいなカードを採用していて引いていればいいが、大体の場合はそんなうまいことにならない。

【メタビート】というデッキは《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》を出されると基本的に勝てないので、着地されたらその瞬間に爆発するのが筋である。

【烙印】

エンドフェイズ長すぎおじさん

先手:○ 後手:△

一昔前は「《王家の眠る谷-ネクロバレー》を貼れればそれで終わり」というデッキだったが、最近ではこちらの墓地対策を突破するカードが潤沢に採用されるようになり、いよいよ手がつけられなくなった。

それでも《王家の眠る谷-ネクロバレー》が刺さることには違いなく、SS封じも有効に働く。素の攻撃力が高い下級モンスターが多く採用されているデッキなので簡単にはいかないが、そのあたりへの回答をちゃんと用意すれば戦える相手ではある。

【ティアラメンツ】と同じく、いまも【烙印】を握っている人はそもそも構築理解度が高い傾向にあるので、デッキよりもプレイヤーそのものが厄介かもしれない。

【斬機】

【@イグニスター】も似たような感じ

先手:◎ 後手:▲

ほぼじゃんけんのような感じになる相手。SS封じも墓地封じもぶっ刺さるため、先手はこちらの引きが偏っていないかぎりは相当有利に戦える。《斬機サーキュラー》以外は攻撃力も低いので、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》が立っているだけで、試合が終わることもしばしば。

後手は《ディメンション・アトラクター》や《増殖するG》で展開を止めるか、《超融合》+SS封じという組み合わせでまくるしかない。【斬機】に後手であたったときは《粛声の祈り手ロー》よりも熱心に祈ることが求められる。

【R-ACE】

得意だと勘違いしていた時期もありました

先手:○ 後手:△
一見すると【炎王スネークアイ】と同じように思えるが、こちらのほうが手札の要求値が高く感じる。

先手はとりあえず有利だが、下級モンスターの攻撃力がそこそこあるので、戦闘破壊されるリスクが【炎王スネークアイ】よりも高い。除外よりも《王家の眠る谷-ネクロバレー》が刺さる相手なので、可能であれば《マクロコスモス》はすぐに貼らず、様子見したいところ。

後手も《王家の眠る谷-ネクロバレー》が有効なので、これが貼れるか貼れないかみたいなところはある。逆に言うと、ネクロバレーがない場合の勝率が低い。モンスターは後ろの罠でどかされてしまうので、SS封じはできない。ゆえに《超融合》や《大捕り物》といったカードで相手のモンスターを消してから展開することが求められる。

【スプライト】

なぜかよく勝てるシリーズ

先手:◎ 後手:○

モンスターのサイズが小さいので、先手で《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を立てるだけでかなり制圧できる(結界像だと少し不安がある)。

テーマ内にいくつかこちらのモンスターを突破する手段は入っているものの、墓地封鎖もちゃんと効くため、なにかしらで相手の展開は阻害できるだろう。

後手も《超融合》を握っていれば全然まくれるうえ、なくても相手の盤面とこちらの手札次第では比較的なんとかなりやすい。そういう意味では結構良心的な相手。

【クシャトリラ】

なぜかよく勝てないシリーズ

先手:― 後手:▲

先手の場合、SSを封じられればなんとでもなる相手だが、墓地メタがあまり刺さらない(《王家の眠る谷-ネクロバレー》は相手の挽回を許さないという意味で刺さる)ので、少しハンドの要求値が高い。

後手は一見するとなんとでもなりそうだが、《超融合》が普通に使うとほぼ刺さらないうえ、最近の【クシャトリラ】使いははちゃんとこちらの《厄災の星ティフォン》を警戒した動きを取ってくるので厳しい。《サンダー・ボルト》のような単純に除去するカードを入れていれば、このあたりの難易度は変わってくるかも。

一応《超融合》から《A★スペキュレーション》を出すことで、《クシャトリラ・アライズハート》を除去しつつ、相手の上級クシャトリラを戦闘破壊する体制はつくれるが、手札消費が激しいので、相手の罠や次の展開を止められるかは運次第。

【ピュアリィ】

多摩センターにいそう

先手:○ 後手:▲
イラストは可愛いが、性能は全然可愛くないモンスターで固められたシリーズ。

先手はSSを封じられれば相当有利(相手には《無限泡影》以外の打開策がない)だが、SSを封じられないと手数でまくられる恐れがある。とはいえ墓地封じも刺さっており、墓地さえ封鎖すれば怖いのは《ピュアリィ》だけになるので、2体潰せばなんとかなる。

後手は《超融合》も基本的に通らないので、相手の展開が弱いことを祈るしかない。一応《ディメンション・アトラクター》は刺さることは刺さるので、【クシャトリラ】あたりよりはマシかもレベル。

でも戦績を見返すと、想像よりは後手でも勝てている。相手にしていると無敵にしか思えないが、【ピュアリィ】側にもなにか悩みがあるのかもしれない。

【閃刀姫】

こいつ頭身おかしくない?

先手:▲ 後手:△

環境が煮詰まってきたときに突然ぶち当たる地雷枠だが、一定数以上いるのが厄介

【メタビート】は先行番長で有名だが、唯一このデッキが相手のときだけは先行の勝率が安定しなくなる。相手の型にもよるが、《マクロコスモス》を貼って守りきれた試合以外は、安定して勝てないのではないか。逆にまだ後手のほうが可能性があるくらいである。

いずれにせよ《マクロコスモス》のような除外カードを採用していないとほぼ勝てないので、このデッキタイプとよく当たるようであれば、ドラグマ型の使用は控えたほうが無難である。

終わりに

こうしてリストを眺めてみると、【メタビート】視点で相性が良いと言えそうなのはこのあたりか。
【炎王スネークアイ】(先手:◎ 後手:―)
【ユベル】(先手:◎ 後手:―)
【ティアラメンツ】(先手:○ 後手:○)
【スプライト】(先手:◎ 後手:○)

逆に、コイントスが上振れなければ、次のデッキには負け越す可能性が高い。
【ラビュリンス】(先手:△ 後手:△)
【クシャトリラ】(先手:― 後手:▲)
【ピュアリィ】(先手:○ 後手:▲)
【閃刀姫】(先手:▲ 後手:△)

総合すると、現環境は【炎王スネークアイ】【ユベル】の数が多いため、【メタビート】の立ち位置はなかなか良さそうということが言える。新弾が追加されたので、DC本番でどういうメタゲームが展開されるかは不明だが、今回もそこそこ戦えるのではないか。

相性評価は100%主観であり、今後も変化していく可能性はあるが(なんならしれっとこの記事の評価自体も書き換える可能性があるが)、ひとつの参考にしていただければと思う。

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