【遊戯王マスターデュエル】マスター1を達成できる程度のメタビート
前置き
2023年6月から「ダイヤ」の上に「マスター」というカテゴリーが生まれ、釈放されるまでさらに時間がかかるようになってしまったマスターデュエル民の皆様、おつかれさまです。
先月のWSC本戦である程度結果が出たからか、今月になってからちょこちょこラダー戦でも見かけるようになったメタビート(WSCで結果を残したデッキまとめ記事はこちら)。事実、ティアラメンツ相手にはかなり有利で、メタゲームが進んだ後半になっても、ティアラメンツにはそこそこ勝ち越すことができていたように思う。
ただ、ビーステッドなどが参入する新環境に入ると、もはやティアラメンツ一強の時代ではなくなり、メタビート側もそのことを意識したデッキ構築が求められるようになった。
実際、自分も環境が変わるまではさくさく勝ち進み、マスター2ぐらいまでは楽に行けたものの、切り替わりのタイミングでちょっと足踏みしてしまったように思う。
上記のリストはいろいろと調整を進め、とりあえずマスター1に行ける程度にはなったが、まだまだ改善点はあるように思う。ひとまず今の環境への感想も踏まえながら、個々のカードの使い心地について振り返っていきたい。
個別カード感想
モンスター(8枚)
《増殖するG》はこれまで、《インスペクト・ボーダー》や《命削りの宝札》との相性を考えて採用することを躊躇していたが、使ってみたら普通に強かった。さすが海外だと禁止になっているだけはある。
先手で通せれば当然強く、《インスペクト・ボーダー》や《マクロコスモス》などで効果が使えない状態になっても、《大捕り物》でかっぱらってきた相手モンスターと一緒にリンク素材にしたり、最悪壁にできたりするので、デッキとしてのシナジーの薄さはあんまり考えなくてもよさそう。相手がターンスキップしてくれたら、先手番長であるメタビートとしてはこれ以上ない結果だし、つっぱられてもリソース不足に悩むメタビートとしてはありがたい。
あまりにもよく使われているため、あらゆる方向から妨害が飛んでくるが、逆に言えば通せるだけでその試合は相当有利に進めることができる。
今回のおしゃれポイント。メタビートにおけるライオウの評価は、自分的はそこまで高くないのだが、他にいいカードが思いつかなかったのでとりあえず入れた。結果、いまの環境に割とぶっ刺さっていることがわかったので、何事も試してみないとわからないものである。
たまに相手がテキストを読んでいないプレーをしてくれるのも地味にアド。
言うまでもなくこのデッキのエース。「こいつを守りきれば勝てる」という試合がとても多い。EXモンスターがいると効果発動を許してしまうが、そこは《無限泡影》や《神の通告》でカバーしたい。
魔法(12枚)
前回の構築よりモンスターが増えたため、若干使いづらくなった。それでもリソース不足に悩みがちなメタビートとしては入れない手はない。通ったときと通らなかったときで勝率がかなり変わる気がする。
毎度おなじみ、デッキに安定感をもたらしてくれるカード。ただ今回は《ライオウ》を採用しているので、状況によってたまに使えない。
引き続き2枚運用。たまに3枚ほしいかもと思うときもあるが、まだ様子見している。このデッキで採用しているドロー3種は、それぞれ制約がかちあわないので使いやすい。
このデッキの真のエース。今回は《アクセスコード・トーカー》の1キルルートを採用していないので、このカード1枚でゲームを終わらせる機会は減った。相手ターンに返すときは、どのカードをEXから出すと最も生存率が高いかを考えながら使う必要がある。
《墓守の司令官》を抜いたので3枚投入。現環境は《マクロコスモス》や《ディメンション・アトラクター》などでそもそも除外したほうが強いのだが、後攻を引いて相手に展開されまくった後だと、こちらのほうがありがたい。そういう理由で《次元の裂け目》よりも優先度は上。モンスター以外も妨害できる。
罠(20枚)
《命削りの宝札》を使う以上、なかなか誘発カードを入れられないメタビートにとっては貴重な手札誘発。《インスペクト・ボーダー》は意外に相手の効果を通してしまうので、そういうときもこいつで蓋ができるという安心感がある。
最強のカウンター罠。後攻で引くとやや弱いが、先行のときにこのカードを握っていないと不安になる。特に今環境はバック除去が増えたので、握っているかどうかは生死に直結する。また、【スプライト】や【ふわんだりぃず】の初動を止めることもできる。
一時期「ちょっと微妙だな……」と思って外していたが、最近のバック除去魔法の増加を受けて再登板させた。《拮抗勝負》だけでなく、《ハーピィの羽根帚》や《ライトニング・ストーム》もちょくちょく見るようになったので、このカードを採用してよかったなと思う。
相手にいくら妨害札を並べられても、起動さえできればスペルスピードの差で上回り盤面をひっくり返すことができる救世主。コストのLP1500は地味に痛いので、《神の宣告》と一緒に使うときはタイミングをよく考えないとならない。
基本的に優秀なカードだが、相手が効果を発動しないと除去もできないため、使いにくい場面もある。
このデッキはモンスターが根本的に足りていないので、罠からモンスターを展開できるのはとても優秀。《神・スライム》になれば、他のモンスターを相手から守ることもできるようになる。
こいつ自身に《神・スライム》のような効果が搭載されてたら本当に神だったが、昔(2002年)のカードにそこまで求めるのはさすがに酷というものだろう。
現環境になって、さらに刺さるようになった除外カード。
これまでは罠であることの遅さや《ティアラメンツ・ルルカロス》の妨害を受けることが気になり、《王家の眠る谷ーネクロバレー》や《次元の裂け目》を優先させていたが、墓地利用する魔法や罠の使用が増えているので、今このカードを採用しない理由はないように思う。
その代わりに、こちらも墓地利用するカードを使いにくくなってしまったので、EXデッキの調整は必須。
《聖なるバリア -ミラーフォース-》と違ってフリーチェーンで発動でき、《強制脱出装置》と違って戦線維持&リンク素材にもできるので採用。このカードがあるので、エクシーズ2や4モンスターの採用も一考の余地がある。
相手モンスターに直接干渉できる手段がこれぐらいしかなかったので、「引けないとまずい」みたいな場面はちょくちょくあった。特に【ふわんだりぃず】が相手で後攻を引いた場合、せっかく《インスペクト・ボーダー》を出せているのに、そのまま相手のモンスターに殴り負ける……みたいなことがままあったので、モンスター除去の枚数はもう少し増やしてもいいのかもしれない。
EX(15枚)
3枚ほしい場面もたまにあるが、EXの枠がカツカツなので2枚。無難に活躍してくれる。
《神・スライム》が2体並ばないと基本的には出せないので出番は控えめ。稀に重役出勤をして活躍してくれる。「実はいらない」説も根深くあるが、スライムが2体並んだときにこいつがいないと悔しいので生き残っている。
《スケープ・ゴート》から気軽に出せるリンクモンスター。今回は《アクセスコード・トーカー》のワンキルルートを採用していないので、1枚でもいいかもしれないと今思った。ただ、《スケープ・ゴート》を複数回発動する可能性を考えると悩ましいところ。
基本的に墓地を封鎖するデッキのため、蘇り効果はほぼ期待できない。攻撃妨害能力は使えるので、そこが《リンク・スパイダー》との差別化になる。もはや本家《クリボー》以上に有名になったカード。
なんだかんだ強いのに、よくEXデッキから抜けがち。久しぶりに使ってみたがやっぱり強かった。こいつを経由する場合、《ヴァレルソード・ドラゴン》にはリンクの関係で繋げられない。
相手ターンのリンク召喚はこのデッキだとほぼしないので、実質的に破壊耐性をつけてリンク3か4に繋げるだけのカード。現代遊戯王における破壊耐性の信頼の置けなさはすごいので、別のリンクモンスターでもいいかもしれないが、ごくたまに役立つこともある。
こいつを経由してアストラム出して無敵だ〜〜となって、普通に対象を取らない除外とかを食らって涙を流すのはもはやテンプレ展開。
新加入選手。《大捕り物》でパクった相手のモンスターを処理する&使い道のなくなった《増殖するG》を活用するため使われる。持っている効果はウイルスカードと特に関係ない。
地味にAKTが高く、昨今当たり前のように存在するDEF2000〜2100のモンスターを打開できるので偉い。
1ドローしてくれるおじさん。たまに相手ターンにも1ドローしてくれる。遊戯王というゲームではドローの意味がものすごく大きいので、それだけでも貢献度は高い。入れ替え効果は使ったことがない。
《インスペクト・ボーダー》もしくは《神・スライム》と一緒に並べることで、このデッキでは数少ないワンキルルートを取ることができる。耐性もクソもないので、そこは罠とかでカバーするしかない。
《スケープ・ゴート》から一気に出すことができるリンク4モンスター。主に《増殖するG》を打たれて、相手にドローさせたくないときに場に出てくる。ほんのり耐性はあるものの、気づいたら普通に除去されている。結界像デッキと違い、マストではないかも。
タイマン性能はほぼ最強だと思っているが、いかんせんあまり活躍しない。対象を取らない除外やら壊獣に踏み潰されるやらで、いつも悲惨な目にあっている。
でも相手にアストラムを出されると相当めんどくさいのも事実だし、1ターンで決めきれずに相手にターンを渡すとき、一番信頼できるのも事実。
リンク4の中では相対的に地味な存在だが、出勤する回数は案外多い。調子に乗って相手フィールドのカードを全部破壊すると《拮抗勝負》でこちらの盤面が壊滅することもあるので、このカードを使う上で大切なのは自重することのように思う。
ほぼお守りだが、このデッキは《ふわんだりぃず×えんぺん》の突破が難しいという致命的な弱点をはらんでいるので、《大捕り物》《無限泡影》あたりを引けてなくてどうしようもなくなったときはこいつで無理やり巻き込むしかない。
採用を見送ったカード
デッキのコンセプトを考えると入れない理由がないのだが、初手で引いていないときに弱く、《増殖するG》と違って自分で捨てることもできず、さらにはアドバンス召喚であるということを考えて不採用にしてしまった(それはそれで使い道はあるが)。
なによりせっかく初手で引いていても、《墓守の指名者》で止められると激萎えするのが精神衛生上良くない。なんでみんなそんなに指名者を初手に抱えているのか。
今季は【スプライト】が増えているのもあり、そこそこ発動の機会はあるものの、通常召喚できなくなるのが痛い。こいつを出したうえでボーダーを出せたら最強だった。
残念ながら3体除去した程度では止まらないケースは結構あり、使い道が絞られているにもかかわらず、決定的な仕事ができるかどうかは盤面次第というところから、採用は見送り。
でもどうしようもないぐらい盤面つくられたときは「ラー球さえあればこんな盤面ひっくり返せるのに……」といつも思っている。
《大捕り物》だと枚数が足りないこともあるので、普通に入れたいが枠がない。入れ替えるなら多分《神の通告》だが、通告でしか防げない事象もけっこうあるので悩ましい。あるいは《ライオウ》か。でもモンスターこれ以上削るとそれはそれで厳しい。うーむ。
どうせ墓地利用できないし……と思って採用しなかったが、単純に5300打点がほしいときも結構あったので、いまは入れたほうがいいと思っている。同じく高火力を出せる《ヴァレルソード・ドラゴン》と違い、《セキュリティ・ドラゴン》→《デコード・トーカー・ヒートソウル》ルートからも出せるのが偉い。
たまに墓地対策が双方全然できていないときがあるので、そういうときは本来のポテンシャルを発揮できる。最強リンクモンスターの称号は伊達ではない。