【改良版】《俱利伽羅天童》入り誘発メタビート【遊戯王マスターデュエル】
はじめに
前回の記事で紹介した構築とほぼ同じだが、細部をいろいろ詰めていった結果、マスター1帯で50戦ほどして勝率7割〜と安定して成績を出せるようになったので、思考をまとめるためにもメモしておく。
この「マスター1帯で勝率7割」というのがどれほどすごいかというと、特にまったくすごくはない。遊戯王マスターデュエルというゲームは、基本的にマスター帯に行くと目標がなくなるので、対戦相手のデッキもプレーも実験的なものが増えてくる。例外はランキング戦で、このときはみんな全力で勝ちに来るものの、たまにしか開催されない。なのでそれなりのガチデッキを持ち込めば、まあまあ勝てるものである。
一方で、メタビートはその名の通り「仮想敵をメタる(=対策する)」受け身思考のデッキなので、マスター1のような多種多様なデッキが跋扈する環境だと、意外と勝率を伸ばしにくいのも事実だ。ばっちり環境にハマったかたちが見つかれば、じつはメタビートが勝ちやすいのはマスター4〜2帯ともいえる(5は魔境化しがちなので除く)。そういう意味で、ことメタビートに関しては、マスター1でそこそこ勝てるというのは結構嬉しいものだったりする。
個別カード感想
モンスター(14枚)
「《エクスピュアリィ・ノアール》を出されたら負け」というストレスをなくすために投入された。普段はほぼニートもしくは《スモール・ワールド》の引換券だが、【ラビュリンス】や【スプライト】など、こいつのおかげで勝てた試合もある。
同じように相手モンスターのリリース効果を持つ壊獣シリーズも試してみたが、「相手モンスターをリリースしたあと、相手ではなくこちらの場にモンスターが残る」という点が案外馬鹿にならず、エンドフェイズに相手モンスター限定で《死者蘇生》できる能力も悪くない。使いやすさという点だと壊獣に分があるものの、このカードを採用する価値は十分あるとやっていて感じた。
あと壊獣と違い、中継カードを入れなくても《スモール・ワールド》でどこからでも引っ張って来れるのも評価できる。
特殊召喚を封じるこのデッキではアンチシナジーのように見えるが、後攻時の【メタビート】は、いかに行動をスキップしてもらうかにすべてがかかっているので余裕で採用できる。邪魔だったら《スモール・ワールド》で変換すれば無駄にもならない。
おそらく遊戯王で一番発動を妨害されるカードだが、仮に通らなかったとしても、《灰流うらら》を相手に使わせるというだけで、かなりの仕事をこなしている。
【メタビート】が嫌いなカードトップ3に入ると思われる(自分調べ)。自分で使ってみてもやはり強かった。特に【ラビュリンス】のような苦手デッキに対して刺さるのがでかい。
何枚入れるか悩ましいカード。デッキコンセプト的には3枚入れても良さそうだが、ダブってもそこまで嬉しくないうえに、《無限泡影》や除去カードで無力化しやすいことを考えると、フル投入しなくてもいいかなと思うようになった。
属性的なところだと、《俱利伽羅天童》や《灰流うらら》への中継になる。これまで《業火の結界像》は他の結界像と比べて、いまいち他のカードとのシナジーが感じられなかったが、《スモール・ワールド》を採用することで、このカードである必然性がやっと出てきた。
【ティアラメンツ】環境ではフル投入が当たり前だったが、さすがにそこまでする必要はなくなった。必要になれば《スモール・ワールド》で持ってくればいいので1枚採用。
言うまでもないエース。ひょっとすると次期改定で禁止入りするのではないかと囁かれており、【メタビート】界隈は肝を冷やしている。
2枚入れるか3枚入れるかで好みが分かれそう。自分は2枚でもいい派だが、3枚あるほうが安定感は出るかもしれない。
《天底の使徒》を打ったり《ドラグマ・パニッシュメント》を持ってきたりするのに必要な他、地味にEXモンスターとの戦闘で破壊されないので、時間稼ぎや相手の除去札浪費に役立つ。
魔法(16枚)
前回からの大きな変更点。このデッキは息切れしがちなので、2ドローできることの価値が思った以上に大きい。EX除外というデメリットに関しては、それぞれのカードを最大限投入することで事故が起きる可能性を抑えている。
2枚以上ドローできるという点で《強欲で貪欲な壺》や《命削りの宝札》も試してみたが、一番安定しているのがこれだった。事実、このカードを入れてから勝率も安定している。少し修正を加えるだけで、勝率が大きく変わってくるのが遊戯王のおもしろいところである。
《クシャトリラ・フェンリル》を採用していない主な理由。なんだかんだあると安定する。
《俱利伽羅天童》(と《教導の聖女エクレシア》)とはアンチシナジーだが、俱利伽羅が必要な場面は限られているので、そこは諦めている。
めちゃくちゃ優秀なドローカード。場面に応じて追加ドローしたり相手のカードを破壊したりできる。こいつを打つために《教導の聖女エクレシア》を入れているといっても過言ではない。
手札にモンスターさえあれば、好きなモンスターに交換してくれる。効果を発動してから捨てるのが地味に強く、《灰流うらら》で妨害されてもディスアドにならない。
もともとは《俱利伽羅天童》をサーチするために入れていたが、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を持ってきて制圧したり、《灰流うらら》や《墓守の司令官》を持ってきて盤面を固めたりと、状況に合わせて柔軟に使える。効果がわかりにくいことだけが弱点。
【ティアラメンツ】環境ほどではないが、依然として墓地を利用するデッキばかりなので、こいつを置くだけで機能停止に追い込めることもザラにある。
1枚しか入れていないので、一度破壊されると苦しくなることも多いが、そのときは他の妨害カードでなんとかしようと割り切っている。というか割り切るしかない。
貧弱なモンスター陣を戦闘から守るだけでなく、キルスピードを(気持ち)早めたり、《センサー万別》とのコンボで盤面を縛ったりできる。
このデッキの欠陥の1つとして、「相手の《迷宮城の白銀姫》がどうしようもない」というのが挙げられるが、このカードを2枚並べることで一応突破できるようになる。
とにかくあらゆる破壊に弱いデッキなので、これがあるとないとでは安心感がまるで違う。特に《ハーピィの羽根帚》や《ライトニング・ストーム》のような負け筋をケアできるのが強い。
戦闘破壊からも守ってくれる&《教導の聖女エクレシア》サーチもできるので3枚入れてもいいぐらいだが、ダブったときに「邪魔だな〜」と感じる場面もあるので2枚。
罠(10枚)
私はこのカードを過小評価する傾向にあり、枠に悩んだときはまっさきに枚数を減らしがちなのだが、回しているうちに「やっぱり3枚あったほうがいいかも」と思いはじめた。後攻時に「\(^o^)/オワタ」となる確率を減らせるカードはやはり貴重である。
地味に1ターンキル系のデッキ相手にも刺さるので、デュエル時のストレス軽減に役立つ。
このデッキは除去をほぼこのカードにまかせているので、こいつの通りが良いか悪いかで話が変わってくる。なので最近はあまり見ないが、《マクロコスモス》や《次元の裂け目》を貼られるとゲーム終了である。
相手に使われても嫌な(というか致命的な)カードであり、《決戦のゴルゴンダ》の採用優先度が上がる要因の1つでもある。
《神の宣告》とは選択。こちらは3000LP消費が固定になった代わりに、相手モンスターの効果に対してもカウンターができるようになった。
モンスターの効果無効は当然強いが、《無限泡影》や《ドラグマ・パニッシュメント》を同時に構えられなくなる(使える順番が固定される)点をどう評価するかは迷いどころ。正直《神の宣告》でもいいかなと思いはじめている。
現環境にめちゃくちゃ刺さっているうえ、《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》と組み合わせることで、相手に一切の展開を許さない。《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《業火の結界像》と違い永続罠であることから、割と場持ちがいいのも信頼できる。
余談だが、《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》とのコンボは《群雄割拠》でも成立する。
EX(15枚)
《ドラグマ・パニッシュメント》といえばまずはこれ。墓地に落とすだけで効果を発動し、効果発動時に除外されることもないので、ネクロバレーとの相性も良い。こいつを普通に召喚しているのをほとんど見たことがない。
《ドラグマ・パニッシュメント》で落とせる新たなカード。先手1ターン目に《天底の使徒》で落とすものといえばこれ。
通常であればATK1500以下のモンスターしか対象に取れないが、後述する《鉄獣式強襲機動兵装改“BucephalusⅡ”》を経由させることで、ATK3500までのモンスターを射程に入れることが可能。
墓地に落とすといいことあるカード第3弾。《ドラグマ・パニッシュメント》からこいつを落とすことで《教導の聖女エクレシア》をサーチ→次の《ドラグマ・パニッシュメント》を構えるというムーブが取れるようになる。
《決戦のゴルゴンダ》の効果発動時にも落とすことができるので、そこから反撃に繋げたい。
《決戦のゴルゴンダ》で落とす用その2。このデッキだと効果は使えないので、純粋にカードを守る回数を増やすために入れている。アルバス関連の融合カードならこの枠は正直なんでもいい。
このカードを経由させることで、《共命の翼ガルーラ》の射程を3500まで伸ばすことができる。このデッキにおいてはそれ以上でも以下でもない。が、このカードがあるからこそガルーラは輝くのだ。
環境デッキとの相性について
ここからは比較的レート戦で当たりやすいデッキとの相性について雑感を述べる。ほぼ「それってあなたの感想ですよね?」レベルの話なので適当に聞き流してほしい。正直、メタビート以外のデッキについてはよくわかっていない。
以下の順番は、この構築を使いはじめてから当たった回数をもとにしている。ここに載っていない環境デッキは、対戦数が少ないので今回は割愛。
VS. 【PUNK(純正、ティアラメンツ含む)】
相性は悪くない。特にティアラメンツ入りは、このデッキのあらゆる妨害が刺さるので、どこでどの妨害を使うのか間違えなければ、かなりの事故を起こしていないかぎり負けない。
逆に純PUNKみたいな構築だと、罠で突破されることもあるので、バック除去を積極的にしかけていかないと普通に負ける。先行を取ったからとはいえ油断できないデッキタイプ。
VS. 【ピュアリィ】
こちらが先行を取ってしまえば、相手は《業火の結界像》すら戦闘破壊できないモンスターばかりなので、めちゃくちゃ有利。たまにいる混ぜものタイプだと戦闘破壊も警戒しなければならないが、純ピュアリィに比べると展開力が低いので、適当に誘発を切っているだけでなんとかなったりする。
後攻の場合、相手の《エクスピュアリィ・ノアール》が5素材以上ついている状態で場に出ていると、《俱利伽羅天童》を持ってこないかぎり負ける。しかも《俱利伽羅天童》で《エクスピュアリィ・ノアール》を処理するだけでは不十分で、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《センサー万別》も持っていないと、次の相手ターンの妨害ができずにこれまた負ける。
VS. 【御巫】
いまの環境上位のデッキでは一番苦手。特に《珠の御巫フゥリ》が最悪で、《無限泡影》からの突破すらできない。効果を発動してくれないので《俱利伽羅天童》も効かない。うまく手札が噛み合えばワンチャンあるかも……ぐらいで、基本は勝てないと思ったほうが精神衛生上良い。
【メタビート】は先行だと圧倒的有利、後攻はそこそこ不利みたいな対面が多いが、【御巫】だけはどちらも厳しい。今後、【御巫】が増えてくるようなら対策札を用意しないと地獄が待っている。
VS. 【ラビュリンス】
ラビュリンスもかなり苦手なほうに入るが、なぜか今のところ勝てている。《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《センサー万別》が普通に刺さるのと、《決戦のゴルゴンダ》でかなり時間稼ぎができるので、その間になんとか粘り勝ちするというケースが多い。
このデッキは《迷宮城の白銀姫》の処理がマジで無理なので、極力場に出させたくない。が、結局なんだかんだ場に出てくるので、《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》2枚重ねからの戦闘破壊か、効果を使わせて《俱利伽羅天童》で飲み込むしかない。書いてるだけでつらくなってきた。
VS. 【斬機(サイバース)】
先行はガン有利。後攻の場合、《斬機超階乗》を打たれるとほぼ負けが決定するので、いかに特殊召喚を封じる《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《業火の結界像》を着地させるかにすべてがかかっている。
また、よしんば特殊召喚を封じることができても、《トランスコード・トーカー》+リンクモンスター(多くの場合は《デコード・トーカー・ヒートソウル》のセットが揃っていると、戦闘破壊も効果破壊もできないので厳しい。いかに誘発を当てて、相手の盤面を形成させないかがポイントになる。
VS. 【スプライト】
【斬機】と似たような感覚だが、モンスターのATKが低いのと、永続魔法・罠の処理が若干苦手なので、どちらかというとまだ後攻時にまくれる可能性がある。
《王家の眠る谷-ネクロバレー》の枚数を絞っている関係上、《スプライト・スマッシャーズ》を通されやすくなっているが、そこは気にしてもしょうがないので諦めている。
VS. 【ドラゴンリンク】
相性はイーブンぐらい?得意でも苦手でもない、でもやっぱりちょっと苦手かも……。
初動となるカードが多い(=誘発を入れるスペースが多い)ので、思わぬところから崩されるケースが目立つ。多分《無限泡影》をもっとうまく使えれば勝率は伸ばせると思うが、遊戯王初心者なのでどこで打てば効果的なのかがよくわかっていない。
VS. その他の苦手なデッキ
《ハーピィの羽根帚》や《拮抗勝負》《ライトニング・ストーム》を採用するような後攻主体のデッキは、《決戦のゴルゴンダ》ないしは《神の忠告》で妨害できないとその場で負けが決定するので、戦績は芳しくない(直近で負けたのも、羽根かライストを打たれた試合が大半)。現環境だとあまり多くないが、【閃刀姫】【サブテラー】【呪眼】はきつい。
あと【ヴァリアンツ】は「移動による破壊」という謎のギミックを使ってくるので「無理!!!!」となる。というか【ヴァリアンツ】に限らず、ペンデュラム主体のデッキは正直何をしているのかいまだによくわかっていないし、いつの間にか負けている。怖い。
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