【シーズン30】ドラグマ墓守メタビート【マスター1到達】
はじめに
「今月はさっさとマスター1に上がって、他のことに時間を使って人生を充実させよう(義務感)」と思っていたので、3日でマスター1まで達成させた。
その結果(というかただの言い訳だが)、とくに後半は集中力が切れてしまい、普通ありえないようなミスもかなりしてしまったものの、総合して勝率60%〜65%程度は出せるデッキにはなったと思う。それ以上の勝率を求めるには、デッキそのものに手をいれる必要がありそう。
デッキの原型は先月使っていたドラグマ型のメタビート。そのままでも割と環境に合ってていい感じだったが、後攻勝率がさすがに低すぎるという問題を抱えていたため、ごまかし要素として《無限泡影》を追加した。その他、諸々と細かい修正を加えている。
このデッキは【メタビート】らしく、有利不利がはっきりしている。Top Tierである【スネークアイ】や【ティアラメンツ】にはかなり有利で、Tier 2あたりのデッキにも(【クシャトリラ】を除けば)五分以上に戦えるが、メタ範囲に入っていないデッキにはなすすべもなく負ける。
とくに相手の【メタビート】には全敗しており、このデッキを使っていると「【メタビート】使いなのに【メタビート】アンチになる」こと間違いなしである。
以下、久しぶりに個別感想。
構築について
モンスター(13枚)
最強の誘発モンスター。最強ゆえにさまざまなところから妨害が飛んでくるが、通れば勝ちが確定するレベルで強いうえ、妨害されても「相手に《灰流うらら》を使わせる」という最低限の仕事をしてくれる。指名者?知らない子ですねえ……。
「SS(特殊召喚)を封じるコンセプトなのに、《増殖するG》を入れるのは気持ち悪い」みたいな意見もあるかもしれないが、SS封じモンスターを引いていないときに活躍するのはもちろん、現環境だとSS封じモンスターの生存自体がまったく期待できないため、もしものときのカバー用にも役立つ。
はじめて使う色の結界像だが、存分しっくり来た。
現環境の【メタビート】における結界像の選択肢は、現実的には地、水、光だけだろう。一番安定しそうなのは地か水に見えるが、地は【ナチュルホルス】のようなデッキに、水は【ティアラメンツ】のようなデッキに隙を見せる。そういうところを考えると、意外と光のほうが仕事をしてくれるかなと思い採用した。
《閃光の結界像》が裏目に出る主な相手は【斬機】と【エクソシスター】、【烙印】で、このあたりが増えてくるようなら色を変えたほうがいい。ただ、《閃光の結界像》は《教導の聖女エクレシア》と地味にシナジーがある。「《閃光の結界像》を先出しして相手の動きを静止しつつ、《教導の聖女エクレシア》を特殊召喚」という動きができるのは地味に便利。
現代遊戯王の高速化に待ったをかける老害。若いものには道を譲らない。
とにかく《王家の眠る谷-ネクロバレー》を引き込みたいというのもあるが、普通に(このデッキのなかでは)攻撃力が高く、《王家の眠る谷-ネクロバレー》下では《灰流うらら》のような壁モンスターも突破できるので3枚採用。ターン1制限がついていないのも偉い。
すっかり【メタビート】の顔役と化した化石。その役割は、高速化の進む現代遊戯王を、古き良き殴り合いの時代へ強制的に引き戻すことである。展開系デッキの天敵ともいえるカードで、先手で強いのはもちろんのこと、後手でも強い。
「早くこいつ禁止にしてくれ」と憤慨するプレイヤーをたびたび生み出しているが、パキケファロ入りのデッキで目立った結果を残したものが(残念ながら)まだあまりないため、もうしばらく生き延びるものだと思われる。攻撃力が1200しかなく耐性もないので、よく死んだり無効にされたり石化させられたりしている。
【メタビート】はテーマデッキとは違い、専用のサーチカードがない。ゆえに「引いたカードでとりあえず頑張る」というアドリブを毎回強いられるわけだが、そんななかで多少形ともデッキの再現性を高め、安定感を出してくれる女神がこいつである。
単体の殴り合いは除外型でよく用いられる《妖精伝姫-カグヤ》に分があり、とくに今の環境だと《S:Pリトルナイト》に殴り勝てないのはかなり痛い。それでも「継続的に《ドラグマ・パニッシュメント》を供給してくれる」という唯一無二の個性を持っているのが偉く、《灰燼竜バスタード》のようなサポートカードがあるのも優秀。
魔法(10枚)
採用している3種の壺のうちの1つ。特殊召喚がそのターン中できなくなる以外のデメリットがなく、クセがなくて扱いやすい。他の壺カードとの併用も問題ない。《灰流うらら》を打たれても、そこまで心が傷つかないのもよい。
採用している3種の壺のうちの1つ。このデッキはサーチカードを複数採用しているため、キーカードを飛ばす可能性のあるこいつを採用するかどうかはかなり悩ましい。実際、このカードを使ったせいで《天底の使徒》や《墓守の司令官》の効果を使えなくなったこともある。
それでも採用しているのは、《超融合》もあいまって手札切れを起こしやすいデッキだからである。【メタビート】には「1枚初動」という贅沢なカードがないため、どうしても手数をかけて相手の封鎖を狙うことになるのだが、必然的に手札切れを起こしやすい。そんなときの2ドローは、砂漠にいるときに飲む水のようなありがたさがある。砂漠行ったことないけども。
準制限に戻った《教導の聖女エクレシア》サーチカード。ついでにEXモンスターを墓地に落とすことで、追加ドローしたりフィールドのカードを破壊したりバウンスしたりできる。
1枚減ったのでいろいろ難しくなると思いきや、もともとターン1制限がついていることもあって、そこまで回していて違和感はなかった。強いて言えば、自ターンに相手フィールドに干渉(破壊、バウンスなど)したいときに、引く確率が下がってしまっているのがつらいところ。
採用している3種の壺のうちの1つ。最大で6枚めくれるうえ、特殊召喚も許可してくれる偉大なカードだが、そのターン中のカード効果によるドローを許さないため、《強欲で貪欲な壺》や《共命の翼ガルーラ》と同時使用できないという問題をかかえている。
このデッキは意外とSS(特殊召喚)する機会があるので、《強欲で謙虚な壺》と違ってSSを許可してくれるのはありがたい。EXデッキから削る候補は、相手のデッキ内容が判明していない場合、大体《旧神ヌトス》《重装機甲 パンツァードラゴン》《アースゴーレム@イグニスター》《捕食植物ドラゴスタペリア》《金雲獣馬龍》《聖魔の乙女アルテミス》《S:Pリトルナイト》の中から選んでいる。
このデッキの柱。このカードを貼れているかどうか、そしてこのカードが相手に刺さるかどうかによって、勝率は大幅に変わる。
SS封じモンスターと比較したとき、生存率という点で圧倒的な違いがあり、なおかつ相手の魔法・罠の墓地利用も封じることができるため、デッキ次第ではこれ1枚で簡単につませることができる。典型例は新弾で追加された【ホルス】系統のデッキで、これがあるだけで基本的にまったく動けなくなる。
初手で確実に引き込むため、本当はもっとサーチカードを追加したいぐらいだが、被りすぎても弱くなるのが悩ましい。とりあえず《墓守の司令官》とこのカードをそれぞれ3枚投入した6枚体制(とその他ドローソース)で回しているが、メタ次第では《メタバース》なり《ネクロバレーの玉座》なりを追加することも考えられる。
盤面を無理やりひっくり返す神カード。【メタビート】の後攻の弱さをカバーするだけでなく、こちらの有利盤面を崩されたあとのリカバリーとしても働いてくれる。とくに対【ラビュリンス】は、「このカードがないと盤面に出ている《迷宮城の白銀姫》を処理できない」という致命的な欠陥を抱えているので、構築上絶対に必要なカード。実際、何度もこのカードでまくることができた。
逆に言うと、《超融合》が刺さらない相手に逆転するのは難しい。【クシャトリラ】はその代表格で、墓地に落とすことすら封じられてしまうので、基本的に降参せざるをえなくなる。対【クシャトリラ】を厚めに見るなら、《サンダー・ボルト》あたりを入れるしかないのかも。
罠(17枚)
めちゃくちゃ久しぶりに使ったカード。どこでどう打っていいのかよくわかっておらず、勘所を抑えるのにいまだに苦労している。
効果は無効にできるものの、相手のモンスターそのものを処理できるわけではないため、そこからリンクに繋げられたり、普通に殴り殺されたりもすることを考えると、【メタビート】での優先順位が下がるのは納得だとあらためて思う。
それでもこのカードを入れたことによる後攻勝率の向上は明らかで、前シーズンは40%もなかった後攻勝率が、このカードを入れた今シーズンは50%弱まで上がった。やはりみんなが使っているカードは強い。
《王家の眠る谷ーネクロバレー》と並び、このデッキの基本の動きをつくってくれる超重要カード。相手のモンスターを破壊しつつ、「追加破壊」「バウンス」「1ドロー」「エクレシア回収」からオプションを選べるのが弱いわけない。
それは相手に使われても同様で、このデッキは《ドラグマ・パニッシュメント》にめちゃくちゃ弱く、採用しているタイプの【ラビュリンス】が相手だとほぼ負ける。また、《次元の裂け目》や《マクロコスモス》、《ディメンション・アトラクター》を使われるだけで機能不全を起こすという弱点もある。
自分が小学生のときから存在していた古のカウンター罠。いまでもまだまだ現役ではあるものの、さすがに後攻で引いたときはそこまで強くない。一時期は制限を受けていたことを考えると感慨深いものがある。遊戯王というゲームはインフレしまくった末になんとかバランスを保っていると痛感させられる。
最近は《ハーピィの羽根帚》や《拮抗勝負》を採用している構築がそこそこ多く、このカードがなければイージーウィンされていた試合も多い(というか《神の宣告》を引いてなかったせいで負けている試合が多い)。そういう意味で、これまで以上に【メタビート】に欠かせないカードといえる。
《神の宣告》と違い、こちらは後攻まくりでも活躍してくれる神カード。地味に《神の宣告》ではカバーできていないところもカバーしてくれるため、盤面を考えたときに優先して手札に引き込むこともある。《無限泡影》と異なり、無効にしたあと破壊してくれるのも偉い。
ターン1制限がついて、フィールド以外の効果に干渉できなくなった代わりにLP消費がなくなった《神の通告》。このデッキだとモンスターの入れ替え効果は使わないが、それでも十分に活躍してくれる。
《神の警告》などのカードでなくこちらを採用しているのは、《神の通告》と同じく、後手まくり性能が高いためである。3枚入れてもいいところだが、枠が厳しいのとターン1制限がついていることから2枚採用とした。
《神の通告》と違って打てる盤面が限られているため、逆に打ちどころをあまり間違えないという隠れたメリット(?)もある。
フリーチェーンで相手モンスターの破壊耐性を無視して処理できるのはやはり強かった。最初はフォース系のカードと入れ替えようと思っていたのだが、バトルフェイズまで待っている間に好き放題されることを考えると、いまもこのカードに頼らざるをえない。
このカードで相手のEXモンスターをかっぱらえば、他のモンスターとあわせて《S:Pリトルナイト》につなげることも可能なので、何を没収するかはちゃんと検討する必要がある。
EXモンスター(15枚)
《ドラグマ・パニッシュメント》や《天底の使徒》で射出される以外の使われ方をしていない悲しき神。遊戯王における「破壊」という言葉は「あまり強くない」という意味でもあるのだが、それでも刺さる相手は多い。
このデッキにおいては、相手のバック(魔法、罠)に触れるというのが特に重要で、これが除外型【メタビート】との大きな違いを生み出していると言っても過言ではない。当然の3枚採用だが、3枚ちゃんと使うことは稀。
《超融合》で出てくる筆頭格。単純に出しやすいのもあるが、対象耐性を付与する効果を持っており、他のモンスターを《反逆の罪宝-スネークアイ》のようなカードから守れるのが地味にでかい。登場できる場面はそこそこあるので、場合によっては2枚採用も視野。
もともとは採用していなかったが、対【スネークアイ】戦でこのカードがなかったせいで負けたことがあったため渋々入れた。
主な役割は《金満で謙虚な壺》のコストになることだが、いつか「《フォーミュラ・シンクロン》を構えた相手を一泡吹かせられるのではないか?」というスケベ心を満たしてくれることを期待している。ステータスは貧弱そのものだが、自爆特攻をすることで相手を一体持っていけるのも悪くない。
《ドラグマ・パニッシュメント》や《天底の使徒》だけでなく、《超融合》にも対応している偉いやつ。②の効果は《金満で謙虚な壺》と同ターンに発動できないのでそこだけ注意が必要。
強いカードだが、《天底の使徒》が準制限になったこともあり、枚数は2枚で十分かなと思う。というか枠がない。
意外と登場する機会が多く、環境におけるサイバース族の強さを物語っている。②の効果は「発動」するものではないため、《フルール・ド・バロネス》のような厄介なカードもそのまま突破可能。
パンプ効果は「EXデッキから特殊召喚されたモンスター」のときだけなので、墓地から復活したEXモンスターには適応されない点に注意(よくやる)。
《超融合》から気軽に繰り出されるドラゴン。こいつがいないと対【ラビュリンス】は話にならないぐらい活躍してくれる。
攻撃力アップ効果も死んだときに相手を道連れにしてくれる効果も強いが、効果がよく知れ渡っているので相手にうまくケアされがち。それでも十分強い。
主に【ティアラメンツ】戦で使う。このカードが場にいるかぎり、毎ターン相手のモンスター効果を無効にできるので、《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》よりも制圧に向いている。
一方で、攻撃力2700は若干心もとなく、相手の盤面が完成している状態で場に出しても、普通に殴り倒されることもしばしば。普段攻撃力1000とか1200で戦っている身からすると贅沢極まりない要望ではあるものの、もう少しだけ攻撃力があればもっと信頼が置けたかもしれない。
《ドラグマ・パニッシュメント》の継続利用を可能にさせるすごいドラゴン。相手ターンに《ドラグマ・パニッシュメント》を使う場合、手札次第ではあるが《共命の翼ガルーラ》よりも優先して使うことが多い。
発動タイミングがエンドフェイズというのも重要で、相手の三戦カードなどを自然とケアできるのもポイント高い。
【ティアラメンツ】のモンスターカードや、《氷剣竜ミラジェイド》を安全に処理できるバウンス効果を内蔵している。このカードの登場により、《天底の使徒》の除去性能が飛躍的に高まったと言っても過言ではない。
一方で、《ドラグマ・パニッシュメント》の弾としてみると、攻撃力2200というのが絶妙に弱く感じる。このカードを使って処理したい相手モンスターは往々にして攻撃力2200を超えるため、思ったよりも使用機会は限られる。そういう事情もあり、割と《金満で謙虚な壺》のコストにされがち。《天底の使徒》の準制限化により、使用頻度は今後さらに低くなるのではないか。
これまで【メタビート】における《聖魔の乙女アルテミス》といえば、《教導の聖女エクレシア》がすべて手札か場にあるせいで《天底の使徒》が使えなくなったとき、無理やりエクレシアを墓地に送るために採用されてきたカードだった。
だが、《S:Pリトルナイト》の登場により活躍の機会は一変。「モンスターの一体をEXモンスターにする必要がある」という関係で、以前よりも重要性は高まった。まあ一番の就職先は相変わらず《金満で謙虚な壺》の弾になることなのだが。
新弾の問題児。①も②も強いことしか書いていないのに、とても気軽に場に出てくる。「環境をインフレさせる」というKONAMIの強い意志を感じる。
①の効果だけでもだいぶ強いが、相手にしたときは②のほうが厄介で、このデッキのように戦闘破壊できるモンスターが限られていると、罠2枚を消費して対処せざるを得ない状況もザラである。
裏返すと相手もこのカードを厄介に感じているはずで、このデッキにおける一番の活躍は、「相手の《クシャトリラ・ユニコーン》の効果を吸ってくれる」というところにあるかもしれない。
《ドラグマ・パニッシュメント》の射程を攻撃力3500まで伸ばしつつ、《共命の翼ガルーラ》を経由することで1ドローまでついてくる。
フィールドモンスターとしての効果はいまのところ発動しているのを見たことがないが、よく見ると割とえぐいことが書いてある。まあでも3500も攻撃力あって攻撃が通るなら、普通に除外効果使わず殴り倒したほうが早そう。
戦績について
マスター5から使いはじめ、マスター1に行くのに大体100試合ぐらいかかった。勝率は6割ほどで、これも毎シーズンあまり変わらず。そういう意味では進歩していないとも言えるし、ポジティブに捉えれば環境の流れについていっているとも言える(?)。
デッキ別に見ると、得意なのは【スネークアイ】と【ティアラメンツ】で、それぞれ75%程度勝てた。これらのデッキタイプは、今シーズン当たったデッキNo.1、2なので、そこに安定して勝てたのはよかった。
一方で、別の仮想敵である【R-ACE】【転生炎獣】相手にはいまいちで、6割を切ってしまった。先手はほぼすべて勝っていたので、後手が【スネークアイ】に比べて厳しいのが最大要因か。これらに一番ぶっささるのは《拮抗勝負》であり、《無限泡影》ではなく《拮抗勝負》を採用していたらどうなったかは興味がある。
その他、使用率上位に入っているデッキ相手には、【クシャトリラ】を除いて互角以上に戦えていたが、問題はメタ外であるTier 3以下のデッキで、とりわけ【メタビート】【ふわんだりぃず】【御巫】には全敗した。構築上、このあたりのデッキは捨てていたとはいえ、そのあたりも一応ケアした構築にできていたらなとは思う。やっぱり《拮抗勝負》か。
おわりに
今月はDCがあるので、今後のデッキ構築はもう少しちゃんと検討したほうがよさそう。現環境におけるドラグマ型の強さと弱さは今回でだいぶわかったので、DCは普通に除外型で戦っている未来が見えるが、さてどうなるか……。
除外型の中だと、神碑要素が一部入っている型がおもしろそうなので使ってみたいところ。
https://note.com/shapeshift/m/m985feacd6420
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