【遊戯王マスターデュエル】WCSで結果を出したメタビートを眺めて、今後使いたいカードを考える
前置き
懲りずに遊戯王の記事である。
自分は「メタビート」と呼ばれるデッキタイプを好んで使っている。老人なので、現代遊戯王の難しそうな概念がてんでわからないからだ。遊戯王といえば、魔法と罠を使って相手のカードを除去し、自分のモンスターで殴る。シンプルにこれである。というか、これ以上難しいことをされると脳みそが停止する。
メタビートというアーキタイプは幸いにも、あまり複雑なことをしない。デュエルを複雑化させるモンスターの特殊召喚やモンスター効果の発動を封じることで、強制的にシンプルなステゴロにもっていく。盤面が形成されればあら不思議、僕らが小学生の頃にやっていたようなシンプルな遊戯王の世界が戻ってくる(自分に圧倒的に有利な状況で、というおまけつきで)。
そんなメタビートだが、ここ最近はあまりにもデッキパワーが足りず、公式大会で目立った成績を残すことはできていなかったように思う。メタビートはシングル戦に強いと言われており、マスターデュエルではシングル戦しかないにもかかわらずだ。
しかしTwitterやらYouTubeやらを漁っていると、このたびのWCS(Yu-Gi-Oh! World Championship 2023)にて、メタビートの使い手が何人も世界ランク上位入選を果たしたようだ。すごい。実際、WCS後のレートマッチでは、これまでどこにいたのかというぐらいメタビートと当たるようになった(当社比)ので、インパクトは結構あったのだと思う。
自分は予選突破はしたものの、肝心のWCSの期間はずっとネット回線の死んでるエリアに滞在していたので、ほぼ対戦できなかった。自分が走れてたらどこまでいけたのかは興味があるものの、上位ランカーのデッキを見ると、自分がこれまで困っていた盤面に対しての回答をしっかり用意されていたので、勉強がてら皆様のデッキを眺めてみようと思う。
公開されている情報なので、ここで取り上げることは問題ないと思っているが、万が一取り上げてほしくないということであれば、お手数ですがご一報ください。
あと便宜上、順位ごとに並べていますが、他意はありません。全員すごい!
WCSで上位入選したメタビートデッキ
最終70位。一時期は金アイコン(10位以内)一歩手前までいったというやばいデッキ。前回も銀アイコンだったそうなので、もはやデッキというよりプレイヤーがやばいという説が濃厚である。
自分がWCS予選で使っていた《インスペクト・ボーダー》+《墓守の司令官》と同じタイプのメタビートだが、誘発として《ディメンション・アトラクター》が入っていたり、後攻の捲くり札として《ラーの翼神竜-球体形》が入っていたりと、よりティアラメンツへの殺意が強化された形になっている。
また、《聖なるバリア -ミラーフォース-》や《強制脱出装置》のようなよく使われる除去手段が抜けており、代わりに《大捕り物》が入っているのも興味深い。《マクロコスモス》を採用していることから、EXは墓地利用を完全に諦め、《大捕り物》でかっぱらったモンスターの再利用先として使いやすそうな《コードブレイカー・ウイルスソードマン》や《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》が入っているという構成だろうか。
最終305位。今回上位入選したメタビートで、観測しているかぎり唯一《インスペクト・ボーダー》軸ではなく、結界像軸で構成されている。さすが結界像の人だ。
御本人も仰っていたが、《干ばつの結界像》はイシズギミックこそ素通ししてしまうものの、その他の展開は大体封じられるので、環境的にもあっていたと思う。当然ながら《スケープ・ゴート》や《Gゴーレム・トリリトン》との噛み合いも良い。
《増殖するG》は除外させるカードや《命削りの宝札》と相性が悪いと思ってこれまで敬遠していたのだが、普通に活躍してるっぽいので認識を改める必要がある。たしかに使わなくなっても、普通に出してリンク素材にするなりすればいいもんな……。
最終390位。剣闘獣神さんの構成を参考にされたとのことだが、罠やEXはもう少しオーソドックス(?)なメタビートになっている。
《王家の眠る谷-ネクロバレー》の枚数が1枚になっている一方で、《次元の裂け目》が投入されており、とにかく【ティアラメンツ】への殺意が抑えきれていないのが良い。個人的にも、墓地対策は除去されたことを考えて、複数種類積むのがよいと考えているので、この構築は理解できる。ネクロバレー、めちゃくちゃ強いんだけど1枚しか出せないフィールド魔法という特性上、これしかないと除去されたときの二の矢がなくなってしまうのが地味にきついと思っているので。
最終644位。2パターン掲載されているが、《デッキロック》が採用されているバージョンが興味深い。【ティアラメンツ】だけでなく、ふたたび流行りはじめた【スプライト】への圧も強くなっており、先行取ったときの安定感がめちゃくちゃ高そうという印象。
最近ではこちらのターンでも、相手がお構いなくデッキからカードを手札に加えたり特殊召喚したりしてくるが、このカードを出せば相手の特殊召喚や手札に加えるタイミングを多少ずらすことができるかもしれない。このへんの使用感は使ってみないとちょっとよくわからないが。
今後使いたいカードを考える
以上、簡単ではあるが、メタビートで上位入選したデッキを見てきた。
自分はもうしばらく《インスペクト・ボーダー》軸のメタビで遊ぼうと思っているので、今回はボーダー軸のデッキにしぼって、自分がこれまで採用してこなかったカードに注目してみる。
ぜひ試してみたいカード
まず《大捕り物》は皆さまの構築を見て、ぜひ採用したいなと思った。《聖なるバリア -ミラーフォース-》や《強制脱出装置》が欲しい場面はあるけど、《大捕り物》の場合は相手の戦力削りとこちらの壁作りの両方ができて、破壊耐性のあるモンスターにも通るのがよい。自分のターンまで生きてれば、そのままリンク素材にもできる。
《増殖するG》はボーダー下だと効果が使えなかったり、《命削りの宝札》と噛み合いが悪かったり、マクロやアトラクターで墓地に送れないときに無駄札になるが気になっていた。ただ、こちら先行でボーダーが無事に生き延びた場合はそもそも大体勝てるし、《命削りの宝札》についても効果発動時にそのまま自主的に捨てればいいだけなので(《灰流うらら》が飛んできたらそのままキープして相手ターンに使える)、実はそこまで噛み合いが悪くないなと気づいた。また、《墓守の司令官》同様、《マクロコスモス》や《ディメンション・アトラクター》が貼られていると起動自体できなくなるってしまうが、《大捕り物》でかっぱらってきた相手モンスターと一緒にリンク素材にすればいいだけなので、特に《大捕り物》を入れるならぜひ採用したい。
《ラーの翼神竜-球体形》は貴重な捲くり札で、【ティアラメンツ】だけでなく【スプライト】にも刺さるのが大きい。相手の場にモンスターが3体以上いれば、どんなに厄介な耐性を持つモンスターでも問答無用で除去できるのは魅力的である。《命削りの宝札》と相性が悪いので採用する勇気がこれまでなかったが、2枚採用なら噛み合いの悪さもなんとか許容できるかもしれない。ちなみに【ティアラメンツ】はこいつで処理しただけだと余裕で復活してくるので、あらためてやばいデッキだなと思う。
EXデッキの中だと、《コードブレイカー・ウイルスソードマン》はぜひ採用したい。特に《大捕り物》を入れる型なら、パクった相手のカードを気軽にリンクモンスターに変換できる。攻撃力もそこそこあり、下級モンスターのDEF2100ラインを突破できるのが偉い。
ちょっと様子見のカード
《ディメンション・アトラクター》は貴重な後攻でも打てる除外カードで、ともすれば先行番長とみなされがちなメタビートを、後攻でも戦えるようにしてくれる。《墓守の司令官》と同時採用したときの噛み合いの悪さがちょっと気になるが、採用されているデッキでは、そのデメリットを上回るメリットがあったということなのだろう。自分が使うとしたら、司令官を抜いた型でまず試してみたい。
同じく除外効果を持つ《マクロコスモス》も、同様の理由でちょっと様子見。《ティアラメンツ・ルルカロス》に発動を邪魔されるというのもある。ただ、先に展開できたときの制圧力は半端ないので、こちらも入れるなら司令官を抜いて使いたいところ。
《デッキロック》はハマれば強そうだが、単純にどこのカードと入れ替えるかなと思うと、スペース的に入れるのが厳しそうだなという印象。でも環境にはよく刺さっていると思うので、「このカードこんなにいらなくね?」というカードが見えてきたら、一度試してみたい。
EXをどうするかはかなり個性が出るところ。《大捕り物》でかっぱらうものも含めて、レベル4を2体並べることができそうなら、突破力のあるこのカードもおもしろいかもしれない……が、まだ自分はこのモンスターにそこまでの信頼をもてていない。いまのところEXの枠が余れば、という感じ。実際はめちゃくちゃ強いのかもしれない。
逆に《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》はいつも最後まで入れるか迷うカード。《スケープ・ゴート》1枚からすぐに展開できるので、相手に《増殖するG》を打たれていてもそこまで怖くないし、「対象を取らない除外」という最強の除去もできる。
ただ、《聖なるバリア -ミラーフォース-》や《強制脱出装置》を採用しない場合、相手の《ふわんだりぃず×えんぺん》がけっこう重くなりそうなので、どちらかしか入らないのであれば、大量破壊のできる《破械雙王神ライゴウ》や、問答無用で相手モンスターを処理できる《閉ザサレシ世界ノ冥神》を優先させてしまいたくなる。このカードが強いのはよくわかるのだが。
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