U-NEXTでHBOドラマを観た②(ウォッチメン/ウエストワールドseason2/レイズド・バイ・ウルヴス season1、2)
ウォッチメン
DCコミックス原作のヒーロードラマ。映画版もまぁまぁ楽しめたけど、なんでも設定は漫画のほうの34年後、ということで劇中で繰り返されるイカの意味が分からずに調べたりもしてしまったのだけど、その辺りを予備知識に入れておけば何ら問題なくエキサイトできるドラマ。『ラヴ・クラフト・カントリー』同様に黒人差別の歴史をありありと描きつつ、自警団ヒーローと白人至上主義者の戦いを描く、ポリティカルなミステリー的な側面もある。
異能力者たちの存在が前に出る、というよりもそれぞれがその能力と共にどう折り合いをつけているか、という点が描かれているのが面白いな、と。とんでもない大ネタとか、壮大すぎるエピソードもあるのだけど、そのどれもが妙な哀愁をまとっている。スーパーヒーローチームの夕暮れ時というか。あと何といっても1シーズンでバチっと終わるのが素晴らしい!!広げていけそうなところをぐっと押さえ、この物悲しさで幕を閉じる"粋"を感じる。
ウエストワールド season2
シーズン1ってホントにたっぷりとしたプロローグだったんだな、、と思わせる一大活劇。てかもう全然違うドラマじゃん。前作の終わりで起こったアンドロイドたちの反乱と襲われながらもあがく人間たちという構図で進んでいくため、とても凄惨。しかし、アンドロイドでありながら反乱を抑制しようとするバーナード(ジェフリー・ライト)が実質的な主人公のように動き、そのアイデンティティの揺らぎがとても興味深い。やはり知性=心なのか、と。
突然はじまったショーグンワールド編で真田広之と菊地凛子が謎のサムライ人情モノを繰り広げる中、メイヴ(タンディ・ニュートン)の日本語がうまくてびっくりした。アンドロイドモノなら、言語のズレを気にせず演出できる分、発語する時の技量って俳優次第だなぁと感心してしまった。そして概念と化したアンソニー・ホプキンスが告げたウエストワールドの存在の全貌に震えた。古典的な題材の中に、鋭くて巨大な"真実"。たまらない展開多し!
レイズド・バイ・ウルヴス/神なき惑星 season1
リドリー・スコットが製作総指揮を務めたSFドラマ。22世紀、地球が無神論者とミトラ教徒の大戦争で荒廃したのち、無人の惑星「ケプラー-22b」へと送り込まれて人間の子供を育てることになった二人のアンドロイドを中心とする物語。地球の生き残りがケプラーにやってきたことで、アンドロイドの"子供を守る"という使命がプログラムを超えて暴走し始める、、という内容で一貫して感情のようなものを持つアンドロイドの設定が印象的だった。
未来都市の閉鎖空間ではなく、広大な荒地を舞台にしてレオタードのみでアンドロイドを表現する思い切りの良さ。むしろこれがとても未来的に見えてくる。アンドロイド2人はマザーとファーザーと名付けられているのだけど、とにかくマザーが怖い。兵器であり母である、という業深さな。ファザーはダジャレばっか言ってるけど終盤は怖い。生存者ものだが、行動原理の裏付けとして信仰にまつわるアレコレも出てくるのでとても多層的な作品。
レイズド・バイ・ウルヴス/神なき惑星 season2
ギャグ漫画だと思われても致し方ない衝撃的な前シーズンの終わりを経て、どんな展開が、、??と思いきや割とあっさりみんな合流するし、シーズン1でのいがみ合いも冷戦状態に。話がまさかの、マザーが生んだヘビに移行して新たなコミュニティの内と外で小さめに争うようなドラマに、、、なんだこれは!とんでもない所で打ち切られるし、色んな意味で驚きの作劇だ。これを覚悟しないといけないから、海外ドラマってムズいんですよねぇ、、、
とはいえ、良い部分も沢山ある。相変わらず映像美は凄まじいし、少年が繭に包まれるシーンなんてキモすぎて久々に映像作品でぞわぞわと鳥肌が立った。グランドマザーなる存在や、少女ロボットの登場とか、一個一個の要素はワクワクするんだけど如何せん、本筋が宗教対立なのでなかなかガッツリ絡んでいかない。最後の展開も、ディストピアモノとしてはグッドだけどこの超大作にしてはローファイな恐怖というか、、ま、それはそれでアリか。
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