今日もまた 鎧の手入れ 怠って 錆びた体で 口紅を塗る 先週、ファスティングに初挑戦した。 ファスティングとは、 いわゆるプチ断食のこと。 ヨーロッパでは医療の一環として保険適用され、 フランスでは国民の半数近くが ファスティングを経験しているとも聞く。 ここ数年、ファスティングに対しては 「またまたお洒落気取った人たちが 横文字並べた胡散臭いダイエット唱え始めたぞ」 なんて斜に構えていた。 けれど、私の生活習慣ときたら、 人様にお見せできるようなものではない。
いたずらな 猫戯れる 白花らに 今囲まれて 静かに眠る 愛猫の1匹が亡くなって2年になる。 小柄な体で、 特徴的なかすれた声で、 よくみゃぁみゃぁ鳴いた。 病気が発覚し、 入院してから1週間ほどで亡くなってしまった。 彼女が5年しか生きられなかったことを、 今でも心苦しく感じる。 彼女はいつも私にくっついてきた。 脇元で寝るのが好きなもう一匹の猫と異なり、 私の顔の近くで寝るのが好きだったから、 猫アレルギーの私としてはとても困らされた。 悪戯好きで、 生けた花の香り
艶めいた 苺パックに 花ひとひら 赤い実詰める 祖母の手の皺 イチゴが旬の季節。 イチゴ農家である祖母から、 綺麗にパック詰めされた苺が届いた。 とは言うものの、祖母も90歳近く、 同居している還暦を迎えた叔父が農家を営んでいる。 まるで宝石のように艶のある真っ赤なイチゴ。 パックの封を開けると、ほのかに甘い香りが漂う。 ヘタを取りながら水洗いをしていたとき、 イチゴの白い花びらが赤い実にくっついていた。 スーパーで販売されているイチゴに、 花びらが付着していること
その記憶 毎年かじってみるけれど なくなることなく 苦くて甘い バレンタインデーにチョコを渡す という文化から離れて、 もう何年になるだろう。 「青春時代」と呼ばれる時代にも 人並みに恋はしていたし、 それなりにバレンタインデーというイベントを 楽しんでいた時期もあったはず。 けれど、 いくつになっても思い出されるのは、 もっともっと遠い過去のこと。 小学生時代にまで遡る。 小学5年生の頃、私には好きな人がいた。 片思いのその彼は、小顔のサッカー少年で、 ちょっとヤ
僕だけの 星々つなぎあわせたら 「夢座」がキラリ 浮かび上がった 私には趣味がいくつかある。 日によって異なる趣味に勤しむ私は、 自分がまるで色んな星ぼしを 転々としているような感覚がある。 星はそれぞれ秘密基地のようなもので、 今はこの星、次はこの星、と案外忙しないが、 好きなことをする時間はなんとも心地よい。 映画を鑑賞したらfilmarksに記録する。 本を読んで心に残った一節をブクログに記録する。 noteには詠んだ短歌と雑感を書き記す。 鉱物の静けさと力強さ
新たなる 目標を立て 春を待ち 何食わぬ顔の 日常が来る 立春を迎え、 旧暦における新たな一年がスタートした。 昨年の大晦日から新年の元日にかけて 体調を崩して何もできなかった私としては、 旧暦でいう大晦日にあたる節分の日に、 おとしこし・イワシ・恵方巻きを食べたので、 なんとなく満足度が高い状態で 立春を迎えた気がする。 改めて新年を迎えるということで、 今年の目標をここに掲げることにする。 【2024年の目標】 ①花を学び始める ②アロマ(またはハーブ)を学
壮年よ 心に抱け サラマンダー 燻るものは 悔いかパッションか サラマンダー。 それは火を纏うトカゲ。 現在の仕事に就いて15年となり、 もうやるべきことは十分やってきたな という、達成感というか、満足感がある。 言い換えると、 今の仕事に飽きてきたとも言える。 もっと言い換えると、 転職したい。 (もっともっと言い換えると「働きたくない」) 約5年前、 当時40歳だった安室奈美恵の引退は衝撃だった。 青春時代を彩った彼女の去り際は実にカッコよく、 今より5年若かっ
髪洗う 君の優しさ 水伝う 泡は私の 心映すか 愛する人や我が子の髪を洗うとき、 (あるいは洗われるとき) そこには愛情でいっぱいの空間が 広がっていることだろう。 肌に触れるのとはまた異なる、 髪を洗う行為には無邪気な愛情が連想される。 頭皮が痛まないように、 お湯が熱すぎないように、 洗い残しがないように、 丁寧に相手を思いやる優しい手つき。 洗われる側はそれを感じ取る。 先日、行きつけの美容室に行き、 それとは真逆の感覚を味わわされた。 カットとカラーを済ま
「ありがとう」5歳の甥は そう言うが 床に転がる 寂しき玩具 先日、甥の5歳の誕生日だった。 誕生日プレゼントは何がいいのか 妹(甥の母)に確認したところ、 「ばあちゃんはルーレットで指定されてたよ」 とのこと。 妹宅を訪れてみると、 甥っ子手作りのルーレットが。 私もルーレットをまわしてもらったところ、 (実際はスムーズにまわらないので彼が手でずらすだけ) 私があまりよく知らない キャラクター(消防士の犬)の名前が。 どうもその犬の乗り物(消防車)と それを走ら
日常の 鬱憤晴らす マル秘の儀 「アイドル」の歌詞 替えて夜遊び そう。 昨年世間を賑わせた YOASOBIの「アイドル」。 なんと今回のnoteの結びは、 「この曲が私を短歌にいざなうきっかけとなった と言っても過言ではない。」 となる予定だ。 昨年秋頃、仕事のストレスがマックスだった。 ストレスの原因は、主に職場の上司によるパワハラ。 そして別の上司も頼れないというプレッシャー。 日々、怒りとやるせなさを感じていた。 唯一の救いは、 そんな私の気持ちを共感してく
ミッションを クリアした日の 星印 空白の闇夜に吸い込まれ いい加減な短歌を作るようになって 3週間近く経った。 31文字で表現をすることは難しいけれど、 これまで以上に日々感じる想いを大切にしたり、 五感を研ぎ澄ませてみたり、 違和感に目を向けたり、 言葉について学んだり、 と、何かと楽しい。 これまでもこうして 自分の中でブームが始まり、 いつの間にか忘れていったものは数知れない。 ブームだけに限らず、 新年に立てた目標なんかも。 現にこのnoteも、 前回の投
眼鏡かけ 見なくてよいものばかり見て 見るべきものは 縁の外へと 私は視力が悪い。 中学時代からコンタクトをしている。 お風呂に入る時や、家でゴロゴロする日なんかは、 裸眼でいるので、ぼやぼやした世界を生きている。 裸眼は危ないし不便だけと、 そのぼやぼやした世界が好きな時だってある。 思いがけずコンタクトをしたまま 浴室に侵入しようものなら、 そこに広がるクリアな世界、 つまり現実を目にすることとなる。 あれ…なんだこの黒いの… とか、 換気扇がキュルキュル鳴
3匹の レースだったと 知った亀 兎を嗤い 鼠を妬む 先日、童話『うさぎとかめ』に触れる機会があった。 足の速いうさぎとかけっこをすることになった のろまなかめが、うさぎの油断により勝利する、 という例のあれ。 幼い頃の私なら、 ここから得られる教訓を 素直に受け止めたに違いない。 が、私からいつ素直さが剥がれ落ちたのか、 私の頭の中では別のストーリーが展開された。 **************************************************
「あけまして、」の 「て、」が気になって 飲み込んで 「おめでとう」って こそばゆくって 今日から本格的に仕事が始まった。 松の内も過ぎた9日ともなると、 「本年もよろしくお願いします」 の声はあっても、 「あけましておめでとうございます」 はあまり聞こえてこなかった。 そもそも私はこの新年の挨拶が苦手だ。 単純に、どこかかしこまった雰囲気が 照れくさいのかもしれない。 しとやか、かつサラリと、 でも誠意を込めて 「あけましておめでとうございます」 と、新年の挨拶
振袖が 空の青より 眩しくて 被災地想い 曇る心 今日、多くの地域で成人式が執り行われた。 身近に二十歳を迎えた知り合いがいないので、 いやーめでたい! という気持ちには、特になっていない。 ただ振り返ってみると、 他人事ながらも、 九州のド派手成人がニュースに流れると 「おい君たち、ちゃんとした大人になれよ?!」 と思ってみたり、 ミッキーが成人を祝う様子がテレビで流れれば 「浦安の人って皆これ嬉しいのかな?」 と家族と話題にすることが、 毎年恒例だった気もする。
サウナより 優しく蒸して よもぎの香 欲しい温みは 人肌だけど 「サ活」という言葉が一般的になり数年経つか。 私のまわりにも サウナ通いを趣味とする人が少なくない。 とは言うものの、その多くが男性。 サウナの本場フィンランドのように、 老若男女問わず、 というわけではまだまだなさそうだ。 サウナかぁ。ととのい、かぁ。 その感じ、いったいどんなものなのか、 気にはなる。 ただ過去に、温泉の脱衣所でのぼせ、 周りの人に心配をかけたことのある私は、 サウナが怖い。 おそら