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間違い電話?

ホテルでの隔離生活。
一歩も部屋から出てはいけないので、体温測定やPCR検査のとき以外は中国語に触れる機会はなく(その時でも基本的には言葉はほとんど交わされません)、一日中ずーっと普段どおりの日本語で過ごしています。
なので、外国に来たということすら忘れてしまいがち。

そんな時に、部屋の電話が!

もちろん、出るときは「Hello?」です。
フロントなら英語が通じるはず。しかもネイティブ同士でなければ、ゆっくりとわかりやすい単語を使って話せるはずとの思惑で。

なのに、先方さん(おじさまっぽい)は、「喂?」なんて言うんですよ!
もう一度「Hello?」と言っても「喂?」。

仕方ない。「喂?」と返しました。
そう、これがダメでした。ブワーッと中国語で話が・・・。
多分、最初は「あなた、〜〜さん?」って聞かれました。
「我不是」まで言えましたが、先方が言った名前の部分がリピートできず。
そしたら、またブワーッと今度はいろいろ話してきます。もうさっぱりわかりません。とにかく、「你」がどうしたこうしたって言っています。
この電話の主は、誰なのか?フロントの人?ただの間違い電話?
頭の中は真っ白。
ひとこと「听不懂」と言っても、話がやみません。

「あなたはフロントの人?」「あなたは誰?」
「英語で話せる?」
「部屋番号は?間違ってない?」

いろいろ電話の主に聞きたいことや言いたいことはあるんですが、全く言葉が出てこず。
そのまましばらく話が続き、「まぁええわ」っぽい感じの終わり方で電話が切れました。

電話が切れたあとちょっと冷静になると、「你是谁?」なんて、今知っている言葉を並べて伝えることができたはずなのに。

これまでは、空港でもホテルのチェックインでもPCR検査でも、心の準備をして頭の中でイメージトレーニングをして対話に臨んでいたので、パッと言葉を使えていたようです。それと、対面だと身振り手振りの非言語部分の助けもありますし、言葉が出るのを待ってもらえることも大きいようです。
不意に言語だけのやり取りだと全く言葉が出てこないんだなぁと、ちょっとショックでした。

ラジオ講座とかオンライン留学とかHSKとか、これまで中国語を結構勉強してきたつもりでしたが、いきなりハードルがいちばん高い「電話」の洗礼を受けて、ちくしょー!聴ける・話せるようになりたい!と俄然やる気になってきました。

ちなみに、その後電話はなく、ホテルからのチャットもないので、多分間違い電話だったのかなと思っています。

【ちょっと脱線】
これまでしていた仕事では、外国人からの問い合わせを受ける機会も多く、通訳が必ずしも居るわけではないので、日本語で応対することも多々ありました。
対面の時は、日本語が喋れないと言われても日本語での応対をお願いすると何とか受けてもらえる(そして結局事が済む)場合が多いのですが、電話となると「通訳がいないと話さない!」と言われたり、名前や用件を聞くなどの導入部分ですら全く通じなくて電話を切らざるを得ないときも多く、難しさを感じていたことを思い出しました。
自分が逆の立場になってみて、電話は、母語話者以外にとっては思った以上にハードルが高いことに気づかされました。

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