小さな町中華
ベトナム研修での報告書の提出が今週の金曜日までであり、人事部へ送る前に課長、所長に見せなくてはならなかった。
恐る恐る課長に見せると珍しく褒められた。
「提出するには適してないけど面白い」
一か八か、小説っぽく書き上げた文章を見せると厳格な課長が舌を巻いた。
普段こうしてnoteへ投稿していることがわずかばかり報われた瞬間だった。
営業マンの特権は昼ごはんを好きに決められることである。
私がよく行くのは中華と牛丼。
中でも古びた小さな町中華へ行くのが大好きで、台風が来たら吹き飛びそうなトタンの屋根の店なんか最高だ。
古いということは長く続いているということである。
地域の方々から愛されてきた歴史の証明がボロさであると考える。
中華の中でも最も好きなのが、チャーハン。
小学生でも作れるぐらいの料理だが、その味は深い。
私の分際でこんなことを言うのも偉そうだが、チャーハンの味でその店の力量を測っている。
シンプルかつ誰が作っても美味しいが故に難しい。
至高のチャーハンを追い求めて翌る日また、行ったことのない小さな町中華へ入店するのだった。