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ロンちゃん


小さい頃、犬を飼っていた
名前はロン。雑種。ゴールドがかった
茶色の毛に、赤い首輪をしていた

近所に捨てられてたのを拾ってきた
両親に拝み倒して飼えることになった

玄関から少し離れた自宅の駐車場に
小屋を置いて、つないでた
大工の父が作った、三角屋根の小屋だ

お手、おかわりはできるけど
伏せ、おまわりは出来なかった

ご飯は1日2回、散歩は1回だ

冬のある日、2階の子供部屋から
ロンの小屋を見ていたら、赤ずきんをかぶった
おばあさんが、座りこんでエサをあげていた

なんだか怖くて、近くに行けなかった
おばあさんが帰ってから
ロンの近くに行ったら、満腹でご機嫌だった

「毒入ってないかな?」
私は母に報告した

それから、週に数回、おばあさんは餌やオヤツを
あげに来ていた

ロンが出されたものを全部食べるから
飢えているのかと思われたかもしれない


ある朝、小屋を見たらロンが居なくなっていた
首輪を外して逃げたのかも知れない

慌てて追いかけてようとしたら
小屋に紙が貼ってあった

白い紙に「連れていきます」とだけ書いてあった
赤ずきんのおばあさんだ
私は探さなかった


ロンの名前の由来は
確か夕焼けロンちゃんという番組からとりました

ロングおじさんのロンちゃんだったと
記憶しています

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