見出し画像

チェイサーゲームW2の放送を控え、シーズン1の感想と受けた影響

タイトル通りである。テレ東のドラマ『チェイサーゲームW』の続編、『チェイサーゲームW2』が9/19の深夜24:40より放送を開始する。

楽しみでならない。このドラマは人生で見てきたドラマの中で一番好き。

シーズン1放送時のこととか、それを受けて自分の中で変わったこととかを書き残す。

あらすじを一応貼っておく。

日本有数のゲーム開発会社であるダイナミック・ドリームで働く春本樹(菅井友香)は、仕事の評判も良く入社5年目ながら、日中共同制作の超ビッグタイトル『天女世界』のゲーム化プロジェクトのリーダーに任命され、やる気に満ち溢れていた。しかし、クライアント先である中国大手コンテンツ会社・ヴィンセントの責任者として現れたのは、大学時代に樹が一方的に別れを告げた元恋人の林冬雨(中村ゆりか)だった…!樹は冬雨と破局した後は恋人を作らず仕事に邁進し、レズビアンであることは社内にも家族にも公表していなかったが、元恋人が突然目の前に現れたことにより、気持ちが一気に揺れ始める。一方、樹に理由を告げられないまま振られたことをずっと恨んでいた冬雨は、プロジェクトの主導権を握り樹にだけ無理難題を押し付ける。復讐をもくろむ冬雨と、報われない恋心を再燃させていく樹。果たして、相反する二人にどのような結末が訪れるのか…。

シーズン1(イントロ | チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ | テレ東・BSテレ東 7ch(公式) (tv-tokyo.co.jp))

お互いを想いながらも一度は離れ離れとなった樹(菅井友香)と冬雨(中村ゆりか)だったが、冬雨の夫・浩宇と娘・月の理解を得て無事に再会を果たす―。会えなかった空白期間を埋めるようにたくさんの話をし、抱きしめ合い幸せな時間を過ごしていた。そんな中、樹の前に初恋相手・ヨルムが現れる。さらに、樹との関係をよく思わない冬雨の母からの監視が続き2人の関係に不穏な空気が流れ…。次々と降りかかる試練にようやく結ばれた2人はどう乗り越えていくのか!

シーズン2(【木ドラ24】チェイサーゲームW2 美しき天女たち | テレ東・BSテレ東 7ch(公式) (tv-tokyo.co.jp))

見たことない人は、アマゾンプライムでシーズン1が配信されているので是非見てもらいたい。シーズン2もアマプラで配信されるので、出遅れた人・放送圏外の人も是非見てほしい。


私がこのドラマを見たきっかけは、テレ東でレズビアンを主人公にしたドラマがつくられるらしく、その主人公が元櫻坂のアイドルだとツイッターで知ったことだ。
レズビアンを主人公とすると明確に打たれた地上波のドラマをほとんど知らなかったので、自分と同様に同性が好きな女性の物語を見ることができるという可能性に大興奮したのを覚えている。

12月の終わりの方、共通テストに向けて勉強しなきゃいけないはずの時期だった笑

放送時リアルタイムで楽しめたかというとそれは出来なかった。そもそも親になんて言い訳すればいいのかわからないし、受験生だったので23時に寝て6時前に起きる生活だったので放送時刻起きていない。というか、北海道に住んでいたのでチェイサーゲームWの放送圏外だった。

だから、火曜日は5時に起きてパソコンでTVerにアクセスして見ていた。朝からテンション上がってちょっとふわふわして一日を過ごしてしまうこともあったりして。

ずっと鍵垢のフォロワー0のアカウントで感想をつぶやいていたが、続編には反響がという意見を見かけ、フォロワー0のオープン垢でつぶやき始めた。すると、おすすめ機能によりチェイサーゲームWの視聴者のツイートがタイムラインに流れてくるようになった。

考察とかも面白くてフォローしていって、気が付けば私のタイムラインは常に、いつふゆの話で持ち切りだ。

話数が進むにつれ、終わりが見えてきて本当に寂しかった。

最終話の放送は、国立二次が終わった日の深夜だった。ちょうど東京に受験に行っていたので、東京観光をしたいという名目で1日滞在日を伸ばしてもらい、最終話のリアルタイム視聴権を得た。

ホテルのテレビにアマプラつないで、1話から全部見て最終話に備えた。人生で一番開放感のあった日でもあったから、テンションは最高潮。

楽しかったなー

最終話の反響に関してはなかなか荒れているなと思いながら、内在化していた差別意識とかそういうのとも向き合う機会になった。感謝している。

あの後、中村ゆりかさんのバーイベ配信見たり、いつふゆイベントが決まって幸い当選し行くことができたり、余韻と共に生きていた。


チェイサーゲームWは私の人生に大きく影響を与えた作品である。

恋愛ドラマがどうしたって楽しめなかった。どのドラマを見ても他人事で、無理があるんじゃない?って感想ぐらいしか持たなかった。だから恋愛ドラマを見ること自体少なかった。

でも、このドラマはすごく楽しめた。異性愛規範のもとに作られ、それを強化しようとするものではなく、現状の社会問題に向き合いながら、不可視化されていた人たちの物語を紡いでくれた。ストーリーに正直無理があるんじゃない?って思った場面がないわけじゃない。それでもそんなの関係ないぐらいわくわくした日々だった。

ヘテロの人たちがどうしてあんなにストーリーに無理のある恋愛ドラマを楽しめているのか、少しわかった気がした。

それから、このドラマを通じてツイッター上で同性が好きな人たちに出会えた。ツイッターで人とコミュニケーションをとるタイプではないので、出会えたと言っても見ているだけなんだけど。

それでも、こんなにも社会には同性を好きな女性がいるんだと思うとちょっと勇気が出た。恋人と長く暮らしている人、パートナーシップを結ぶ人など、自分が悲観していたことはそこまで悲観しなくてもいいのではないかと思えた。

人見知りなのであまり人としゃべってはいないものの、いつふゆイベントの後に参加させていただいたオフ会では、リアルにこんなに同じような属性の人がいるんだって知ることができてうれしかった。

このドラマがきっかけで、ほぼ完全にクローゼットだったけど仲いい友人にはカミングアウトしたし、自分の中で受け入れられてきたのか家族以外には割とサラッといえるようになった気がする。心が楽になった。


そして、これらのことを受けて、この作品から受けた恩をどうにか還元したいというか、消費するだけで終わりたくないと思った。

大学ではクィア・スタディーズ、レズビアン・スタディーズ、クィア表象、フェミニズムを学びたいと強く思った。受験はもう終わっているし、学部を後から選べる大学は落ちたから、他学部潜り込もうかなとか考えていた。

でも、もともと大学で言語学を専攻しようと思い、人文学系の学部を受けていたのが幸いした。シラバスを調べていたら、弊大学で一番クィア・スタディーズやクィア表象に力を入れている学部に進学することになっていたみたいだった。嬉しい!!

必修の関係であんまり希望の授業はとれていないけれど、表象論とかクィア論のあたりを本で読んで勉強しているところだ。

それこそ、必修がかぶって取れなかった授業にアサダアツシさんがゲストとしていらっしゃったみたいで、舌を噛み切りたくなる悔しさだった。

アサダさんが脚本を務めた作品が気になり、サブスクにあるのを数本拝聴した。レポートもそれらの作品の比較をもとに書いたので、数えきれないほど同じ作品を見返しもした。『そばかす』めっちゃ好きです。
この方のクィアへの向き合い方は、消費してやろうとか、面白おかしいエンタメの「要素」として使ってやろうみたいなのを一切感じない。当事者のことを、当事者が見ることをすごく考えて作ってくれている気がする。脚本をシーズン2でも担当されると知り、非常に嬉しかった。


最後に、
まだ偏見が多く、レズビアン役を受けることにハードルがあるようなこの日本社会において、主演を務めてくださった菅井友香さん、中村ゆりかさんありがとうございます。
挙げきれないのでその他と括らせてもらいますが、関係者のみなさん『チェイサーゲームW』を制作していただきありがとうございます。
シーズン2も楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?