ONARA RECORD #13「心絵/ロードオブメジャー」
今回ご紹介するオナラレコードは「心絵/ロードオブメジャー」です。
テレビ東京系『ハマラジャ』のドキュメンタリー企画「ロードオブメジャー」にてヘッドハンティングされ結成したバンドです。シングルがオリコン初登場50位以内でなければ即解散というルールで始まり、そんな中発売した「大切なもの」は90万枚の大ヒットを記録しました。
そんなロードオブメジャーが、メジャーデビューを飾った記念すべきシングルが「心絵」です。
▼PV
▼歌詞
さて、まずはこの曲を簡単に3行でまとめてみたいと思います。
あの日描いた夢にはまだ届いていない。
でも、まだ捨てきれないのなら、思い出にしないで。
その絵を君の手で描き切って。
ストレートでアツい歌詞ですね。
心が弱っているとき、折れそうな時に聞いたら泣いてしまいそうです。そんなやさしさを感じます。
でもこれは「オナラレコード」なのです。
誰かの屁理屈を歌った曲です。臭くて眉をひそめる対象なのです。
では、一体どんな屁理屈を歌っているのでしょうか。
それは、メンヘラ女子の屁理屈を歌ったオナラレコードです。
これまた繋がらない点と点ですね。
本当にそんな女のオナラレコードなのでしょうか?
まずはメンヘラ女子の様子を思い浮かべてみましょう。
・23歳の新入社員で、先輩社員とすぐ付き合う
・LINEの返事は10分以内、他の女性がいる場への参加は禁止
・彼氏が浮気しているのでは?と携帯をこっそり覗き見して、自分の知らない女とのLINEを発見する。
・彼氏を叩き起こし、発狂し、包丁をクビに突きつけ「死んだる!」と叫び続けて警察沙汰になった。軽傷を負って事件は幕を閉じる。
私個人の勝手な主観的な意見ですが、絶対に付き合いたくないタイプです。
こういうタイプは日々をドラマチックに生きているつもりでも、側から見たら「事件」でしかないのです。
エンタメとしてのドラマではなく、報道です。ドキュメンタリーです。
では本当に「心絵」がこの女の屁理屈を歌っているのか、実際に見ていきましょう。
Let’s ONARA RECORD!!!
描いた夢と ここにある今 2つの景色 見比べても
形をかえて ここにあるのは 確かな1つのもの
ここは彼氏のスマホを盗み見たときの瞬間的に感じた想いでしょう。
彼は2つ年上の先輩で、私が入社してすぐに付き合うことになった。
彼の見た目はもちろんのことながら、匂いや声、佇まいまでもが魅力的。全てが。
社会人になってすぐというのに、大人の響きが耳にくすぐったい「同棲」を始める。
絵に描いたような幸せは、誰もが子供の頃抱いた「素敵なお嫁さんになる」という夢から一直線に伸びる中間地点のようにも思えた。
でも今私の手元に煌々と光る画面には、圧倒的に確かな「現実」があった。
今というたった1つの真実が堂々と横たわっていた。
「今度はどこに行くー?」
過ぎゆく春を 惜しみながらも
僕らの幕開けた あの夏
色んな事を 分かりはじめた 秋と 何か失った冬
これは彼との思いが走馬灯のように蘇ってくる場面でしょう。
お互いの気持ちに薄々気づいていながらも、建前を気にしてもどかしい思いをした春。
歯がゆいけど、自然に笑みがこぼれるうれしい季節は過ぎていった。
そして初夏の頃から2人の距離は縮まった。
暑さは服だけでなく、心までもを大胆にして行く。一息もつかぬうちに距離を縮め、お互いを受け入れた。
秋が訪れた頃から、少しずつ異変に気づいていた。
会話する中で、目を見ている回数が減った。平均で16回。
LINEの返事が遅くなった。平均で+21分。
彼は何かを見ないように、そして何かを見せないようにしている。そんな感じ。
そして冬になった今。
私は全てが確信に変わった。
「歯ブラシ買っといたよ〜」
ガラクタの山から 探すあの日の夢
響けこの声よ 響けこの心よ
ここは意を決して彼に想いを伝える前ですね。
とっさに正気を取り戻そうと、カメラロールを開く。
ここ1ヶ月に私の「夢」は無い。でも、少し遡れば所々に「あの日の夢」が散らばっている。
ダメ。このままじゃ全てを失ってしまうわ。
もう全てを伝えるしかないの。私に出来ることはそれだけ。
響けこの声よ 響けこの心よ
涙枯れるまで まだ出ぬ答え 追い続けて
涙晴れるまで 我がゆくえ 迷いながらも
描きかけの今 刻む 証 この手で
ここは夜中泣き叫び、自らの思いをただひたすらに伝えようとする場面でしょう。
もう自分が何を言っているかは分からない。
でも理屈なんかじゃ無い、思いの丈を訴え、問いかけ、詰め寄るだけなの。
この溢れ出る涙が枯れるまで、本当の答えが分かるまで何でもする。
最後には涙が晴れるから、今は自分を見失ってもいいの。
私は本気なの。私にしか見えていない「今」というこの気持ちを。
描いて見せなきゃ分からないのよ。刻み込んでやるわよ、この首筋に、深々と、より痛々しいまでに。
誰かがやってくれるわけじゃ無いの。
やるのは私しかいない、この手で。
(中略)
涙枯れるまで 共に明日見た 君よまだ
涙晴れるまで 我人ゆくえ 捨て切れぬなら
描きかけの今 思い出にしないで
ここはクライマックスで、ついに包丁の刃を立てる場面の心情です。
あゝまだ涙は枯れていないわ。
かつては共に明日を見ていたあなたは、まだ私の気持ちを分かっていない。
あゝ涙を晴れさせてよ。
私のことをまだ捨てられない、未練がある、愛しているのならそう言いなさいよ。
首筋にヒリヒリとした感触と、微かながら皮膚の切れる激しい痛みが心地いい。
こんなもんじゃないわ。描きかけの、私の「今」を。
思い出にする間なんて与えない。
今ここで答えを聞かせて。
いかがでしょうか。
「愛情(あいじょう)」というよりは「愛憎(あいぞう)」という表現がしっくりきますね。
でも彼女は終始、まっすぐ彼を愛していました。
ただ「本気」になった人ほど怖いものはないです。
混じりっ気のない狂気は、寸分の疑いもない澄んだ純愛と紙一重です。
もしかすると、少しぐらい淀んで、濁った方が健康的なのかもしれませんね。
サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。