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選挙の新たな判断材料として『逆マニフェスト』はどうでしょう。

4/7に地方統一選挙が始まります。
正直、全ての選挙に参加しているか、と問われるとNOです。

選挙って無意味に思えてしまうんですよね。
それは誰にもある感覚だと思います。

「俺の一票が何になる」
「誰が当選しても変わらない」
みたいな。

でも、本当は変わってるはずなんですよ。
大企業の決断も、政府の決定も、必ず「人」が行っています。
『誰が(Who)』は大きく影響します。

Appleが革新的な製品を生み出し続けたのだって、ジョブズ一人のおかげではありません。
彼はコンセプトを決め、良し悪しを判断する立場でしたが、細かな技術領域から画面の仕組みを考えたり、ボタンのデザインを考えたり、カメラの設計をしたのは一人ひとりの社員です。

もし1社員でも入社していなければ、今手元に持っているiPhoneには何らかの変化があったことでしょう。

だから、選挙で人を選ぶことは重要な意味をもたらすはずです。
私はそう思います。

しかし。
選ぶときの判断材料が適切か?といえばそれもまたNOでしょう。

選挙のページを見ても。
演説を聞いても。
書いてあるのは自分を肯定する内容だけ。

政治も意思決定です。
何かを選ぶということは、何かを捨てるということ。
メリットがあれば、デメリットもある。

メリットだけを伝えられても、判断材料にはなりません。
何をどんな天秤にかけ、どう捨てたのか。
これが大事なのです。

と、いうわけで。
今回は都合の良いマニフェストを敢えて斜に構えた、穿った目で解読して『逆マニフェスト』を作りました。

私は神奈川県在住なので、神奈川県知事選でやってます。
(他の選挙区も気が向いたらやります)

神奈川県の知事選に立候補したのは以下の2名です。

お二人とも立派な公約を掲げています。
早速読んで、逆マニフェストにしていきましょう。


▼黒岩代表

黒岩 祐治(くろいわ ゆうじ)
「圧倒的な勢いで進む超高齢社会をどう乗り越えていくかが大きな課題だ。多世代が交流しみんなが笑いあうコミュニティを再生することで介護の必要がない元気なお年寄りを増やし、いのち輝く神奈川にしたい」

立派なことを言ってますね。
テーマは「超高齢化社会対策」だそうです。

では、斜に構えます。
彼の逆マニフェストは以下の通りです。

「圧倒的な勢いで進む超高齢社会をどう乗り越えていくかが大きな課題だ」と言っている以上、少子化や託児所の問題は後回しでしょう。選挙権を多く持っているジジババへゴマをすりますが、若者や中年層はアウトオブ眼中ということです。

「多世代が交流しみんなが笑いあうコミュニティ」とは何でしょう。世代が違う以上、各々の趣味趣向や価値観は大きく変わります。そんな雑多な人間を一箇所に集めて「笑いあえ」と言っているのは、『誰かに無理をさせる』ことが前提です。
おそらく、先述の内容から高齢者を優先し、若者には無理をさせるのでしょう。ゲートボールの施設、和菓子屋を増強し、ネットカフェやスポーツジム、高齢者には好かれないクレープやタピオカの類は一掃されるでしょう。

街から活気は薄れ、ジジくさい喫茶店とババくさい婦人服店が軒を連ねる。
これが黒岩候補の理想とする神奈川県です。

また、「介護の必要がない元気なお年寄りを増やし」の部分は非常に危険です。

ヒトラーはかつて「優秀なゲルマン民族を増やす」ということで、そうでないユダヤ人を虐殺しました。
同じように、「元気なお年寄りを増やす」というのが『割合』の話だった場合、現在介護を必要とするお年寄りを「早く殺してしまえ」と言っていることになるのです。

割合ではなく。
絶対数の話だと信じたいですね。


▼岸代表

岸 牧子(きし まきこ)
「教育や福祉に力を入れてこなかったのが今の神奈川県政だ。貧困による格差が広がっており、健康と教育に影響が及んではいけない。税金は県民の暮らしに役立つように使い、誰の子どもも殺させない神奈川にしたい」

岸代表のテーマは「教育および福祉」です。
簡単にいえば「県民のためにお金を使おう」ですね。

では穿ります。
彼女の逆マニフェストは以下の通りです。

まず「教育や福祉に力を入れてこなかったのが今の神奈川県政だ」と言っていますが、これは逆にいえばインフラ整備やセキュリティ強化、治安の維持など他のことにお金を使っているということでしょう。
お金の絶対数を増やす話が一切語られていないことから、彼女が知事になった途端に大きな経済効果をもたらす予定だった道路建設の中止や、治安の悪化が起きる可能性は高いといえます。

そのくせ「誰の子どもも殺させない神奈川にしたい」と言っているのは矛盾でしょう。子供を殺すのは「貧困」だけでしょうか?
先述の通り、岸代表が警察などへの予算を大幅にカットした場合、治安は悪化し事件が増えます。事故が多い交差点の信号機や道幅の整備が遅れれば、交通事故は増えるでしょう。

確かに「教育」「福祉」といえば聞こえはいいです。
でも、表面的に「優しそう」なことだけにお金を使えばいいのではありません。そんな短絡的な思考で政治されてもたまったものではありませんね。

それに「教育」を強化すると言って、具体的に何をするのでしょう?
どんな風に教育することが彼女の「理想」なのでしょう?

もし、彼女の思想がファシズムだったら?
これまたヒトラーの再来ですね。

「純血な神奈川県民の健全な闘争を養う!」
と学校教育にファシズムをふんだんに取り入れた7時限目とかを導入するかもしれません。

ファシズムは極端な例ですが、このように「教育」という言葉は非常に抽象的です。
それゆえに、その言葉だけでは何も意味もなさないのです。


さて、いかがでしょうか、逆マニフェスト。
個人的には悪口言いすぎて「どっちに投票してもダメだな」となりそうですが、あくまでこれは「フラットに判断するため」の材料です。

ぜひ、参考にしてください。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。