キムタク症候群
昨日、フリーランスで活躍する同い年のよき友が、ランチの時間を使って弊社の社長2人に「ここでがっつり働いてみたいです」と自己PRしていました。
普段は渉外対応でも物腰柔らかく、流暢に話す彼女。
そして前職から専門で携わっているのは「PR」の領域です。
しかし、自己PRには苦戦しているようでした。
緊張で言いたいことがまとまらず、相手の反応が鈍くなると余計に不安が募ってさらに緊張するという悪循環。
もはや「事故PR」です。
その日の夜、当然のようにその話になりました。
「緊張してましたね」「なんで自分のことは話されへんねやろ」という話になり、ある人がこんなことを。
「シャニカマは図太いもんな」
まるで自覚症状のない指摘。
私は誰よりも繊細で、気にしいで、軟弱な男だと思っていましたから。
しかし、確かに自己PRは得意かもしれません。
特に話すことにおいて苦手意識はなく、M-1を記念受験した時も難なくこなしました。まあ落ちましたけど。
私は図太いのでしょうか?
でも、誰より人目が気になる性分で、雨が降っている日に行きつけのスタバに傘を忘れても、もう一度入店して傘だけとる姿を見られることが恥ずかしく、ずぶ濡れで帰ったことが今年だけで2回あります。
今日は歩きながらフリスクを出そうとして、間違えてAirPodsを開いてしまい、そのまますぐフリスクを取り出すと間違えたことがバレてしまうので10m歩いてからAirPodsを直し、20m歩いてからフリスクを取り出しました。
人目はとにかく気になるし、失敗したくない。
失敗して怒られたくないし、恥ずかしい思いをするのも御免です。
でも、自己PRは苦じゃありません。
それはなぜか?
私はこれを「キムタク症候群」のせいだと思っています。
「キムタク症候群」とは、無意識的に自分のことを「キムタクだ」と勘違いして振る舞ってしまう行為のことを指し、恋人が出来るまで苦労した者や学生時代に童貞をこじらせてしまった者がよく陥る「性活習慣病」です。
私もよくあります。
例えば音楽を聴きながら道を歩いている時、目の前を歩く綺麗な女性を抜かす時にすこしでもいい格好をしようとポケットに手を突っ込み、首をかきながら斜め上に目線をあげ、舌で頬を突き上げるようにして通り過ぎます。
要するにキムタクです。
しかし、ショーウィンドウに映った自分を見るや否や、恐ろしいほどキムタクと異なる現実世界の自分を目の当たりにし、「死ぬか死ぬか」という究極の選択を迫られる羽目になるのです。
これが、私の自己PR力を高める秘訣です。
自分のことを「キムタクだ」と恥ずかしげもなく、いや恥ずかしがることもできぬままに思い込むことで、謎の自信と余裕が心に生まれ、堂々とした振る舞いを可能にするのです。
こんなアドバイス、とてもじゃありませんが友達にはできません。
だって、キムタクじゃないって思えた方が生命維持活動的には適しているから。
キムタクしている私を見かけたら注意してください。
「ちょ待てよ」と。