パチモンのビルケンシュトック
13年前、夫と付き合って迎えた初めての夏。
彼の一人暮らしのアパートに行くと、玄関にサンダルが置いてありました。
そのサンダルが、ビルケンシュトックの超有名なデザインのやつのパチモンでした。
パチモンあるあるの、本家に微妙に似せた名前のブランド名がインソールに印刷されてるやつ。
仮に自分が激安量販店のワゴンセールで見かけたら一顧だにせずスルーする類のやつ。
(パチモンはさすがに買うなよ…
あ、本家知らんのかな…
でもビルケン知らないってのもそれはそれでどうなんや…)
って、ちょっと引きました(笑)。
しかし当時、あまりにも恋愛で失敗しまくってた私は無意識にそう思った自分の感覚を疑いました。
いや、待てよ。別にブランドの靴履いてなくてもいいんじゃない?って。
問題は
「なんで私はそこに引っかかるんだろう」
ということでした。
思い当たる節はありました。
以前に付き合っていた人が「スニーカーはナイキしか履かない」っていう人だったんですよね。
たとえば新しい靴買うってなっても絶対ナイキしか見ないんです。
「ナイキ以外のスニーカーはダサいっしょ」ㅤ
みたいな感じでした。
偏愛自体がダメなわけじゃないけど、排他的になっちゃうことには問題があると思います。
「ナイキがカッコいい」って言うのと、
「ナイキ以外はダサい」って言うのとは、
全く違うじゃないですか。
そして私はまさに、彼のそういった排他性や不寛容さに苦しめられていたのです。
ビルケンのパチモンを履いてるって、そこだけを見たらなんかアレなのかもしれないけど、
・肩書きやブランドにこだわらない
・他人の目を気にせず自分を率直に表現する
・あらゆるものに寛容である
という夫の生き方を端的に表していていると思いました。
それ以来、夫がよく分からんノーブランドの服やカバンやヘッドホンやらを使っていても全く気にならなくなりました。
って、いい話風にまとめてるけど、夫のことを「パチモン履いてたなんかアレなやつ」みたいな言い方してるお前が一番不寛容やないかい。
いえ、さすがに今では夫も正規ブランド品を買ってますので誤解しないでください。
あと夫がクソダサ野郎みたいになっちゃったけどそんなことなくて普通にオシャレさんなのでそこも誤解しないであげてください。すみません。
(そこまで必死にフォローするんやったらこの話書くな)
写真は、私の愛用するビルケンシュトックです。
ビルケン大好きです。