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もうすぐ結婚12年なので、結婚契約更新制について考えてみました

来月で結婚して12年目を迎えるのですが、実は最近、私たちの結婚を「契約更新制」にすればよかったのかも、と思い始めました。

え、結婚が更新制?
いやいや、「死が二人を分かつまで」一緒に添い遂げるのが、結婚というものじゃないの?

うーん、果たして本当にそうなのでしょうか?

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夫婦生活の11年間色々なことがありましたが、なんとか乗り越えてこれたのはお互いの努力のおかげ...でもありつつ、結局は運が良かっただけなのかも、と思ったりします。

結婚した頃の私たちは、都内の会社に勤める平凡なサラリーマンでした。
明確に将来像を描いていたわけではないけれど、なんとなくこのままずっと東京でサラリーマンを続けていくのだろうと思っていました。

それが今では、夫婦ともに縁もゆかりもない金沢という地で、なぜか夫が脱サラ起業してお店を5つも経営し、私は個人事業主になりました。全く予想していなかったことです。

夫の事業にしても、当初は誰からも無謀だと反対されたけれど蓋を開ければ大成功だったり、と思えばコロナで大打撃を受けて会社にも家庭にも大きな影響があったり、と不測の展開続き。

このような大きな変化の度に迎えた意思決定で、たまたま私たちには大きな意見の齟齬がなかっただけで、場合によっては意見が食い違って離婚していたかもしれません

もちろん、ある程度想定されるライフイベントについて、事前に考えをすり合わせていた部分もありました。
それでも先に起こること全てを網羅はできないし、何より10年20年経てば価値観そのものが変わります

にも関わらず、結婚という契約をひとたび結べば、不測の事態が起ころうがどれだけ環境や自分たちが変わろうが、それらの一切を引き受けるということ、大げさに言えば生殺与奪の権をお互いに握り合うということになります。

そう考えると、結婚って、1億円のマイホームを建てるよりも遥かに重い契約じゃないかと。
冷静に考えれば考えるほど、そんな恐ろしい契約をロマンティックな感情にまかせて簡単に交わせないわけです。
(「結婚なんて若いうちに思いきりでやるしかないよ!」とか言う人もいたけど無責任すぎるんよ)

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なので私は、結婚という契約を更新制にしたらいいのではないかと思うのです。

会社で行われる評価面談のように、過去の実績や現状認識をすり合わせ、未来の契約について双方の同意を取る、という定期的な振り返りの機会を設けるのです。

「病める時も健やかなる時も愛をもって互いに手を取り合い乗り越えよう」、というのは理想だし、
愛で全てを超越できればいいのだけれど、
情緒的なものだけで繋がっている状態は、その感情を失った途端に崩れてしまう脆い関係性です。

会社で誰かと一緒に働く時、「この人が好きだから」ではなく「この人の能力を評価し、信頼しているから」という理由の方が、健全で安定した関係を築けるのと同じことです。

出産、転勤、子の受験、親の介護...など、家庭生活に起こる様々な「プロジェクト」に対して、夫婦はチームメンバーとして役割分担を明確にし、それぞれが自分の責務を果たすという考え方であってこそ、チームワークが発揮できると思います。

プロジェクトを進める中で、価値観や方針がずれてしまっても、それも堂々と言い合える関係であればいいのです。

結婚を更新制にすれば、
「この会社(家庭)は永遠に辞められない/解雇されない」
という前提がなくなります。
その緊張感が、怠慢や奢りやコミュニケーション不足をなくし、透明性のある関係を実現するのではないかと私は思います。

私が結婚したのは27歳でした。
振り返れば随分と幼く未熟で、自分のことも全然分かっていなければ、世の中に対する価値観もとても曖昧なものでした。
今、38歳になり、随分変わった部分もあるし、変わらない部分もあります。新しく知ったこともあるし、まだ分かっていないこともあります。

私たちの結婚は更新制じゃないけど、だからこそ私はこの結婚という契約が決して永遠ではないということを意識し続けなければならないと思っています。

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......。

...あの、めちゃくちゃマジメに語り散らかしたんですけど、ちょっとすみません。

一つ問題がありましてね、
夫、あんまりこういう面倒くさいことをうだうだ考えるタイプじゃないんですよ、
なんかもっとこう、人間関係あっさりしてるんですよ、
て言うかそもそも他人に興味ないし、
私への興味も別にそんなに、そんなになんですよ。
いや私のことは好いてくれてるんですよ、多分、一緒にいて楽しくもあるらしいんですよ、
でもなんか「夫婦として互いを理解しあっていこう」とか「魂で深く繋がろう」とかじゃないんですよ、もうすでにこの時点で私の思いめっちゃ空回ってんすよね。
えっ上で書いたこと何?
「結婚という契約が永遠ではないということを意識し続けなければならないと思っています(キリッ)」
って夫婦揃って言うからかっこいいけど一人で言ってたらアホちゃう?

って考えてたら白目になりかけましたが、
思い出しました。
私の夫はですね、とても現実的で実際的で情に流されなくて客観的な視点で日々生きてる人でした。
なので私は「相互理解」とか「魂の繋がり」とかいう文脈じゃなくて、「円滑なプロジェクトの遂行」とか「そのための最適な役割分担と円滑なコミュニケーション」みたいな文脈で夫と関わっていけばいいんです、そうでしたあぶないあぶない。

すぐ情緒的になるのが私の悪いクセでして、そういう自分のことも長年連れ添ってきた夫から学んで(いや夫は夫で情緒性低すぎてほぼサイボーグなんでそれもそれでどうかと思いますけど)、私はいつも夫に成長させてもらっています。
ありがとうそして好きです。
できるだけ今後も一緒に生きていきたいです。
12年目もよろしくお願いします。


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