インドは仏教発祥の地?なんで消滅したの?
インドの仏教は、ゴータマ・シッダールダが35歳の時(BC530年頃)にブッダガヤで悟りを開いたことに始まり、以後かれは「ブッダ」と呼ばれることになりました。
これは、インドのカーストの頂点に位置する「バラモン」至上主義への挑戦でもありました。
その後日本を含むアジア地域に仏教が広がっていきますが、インドの地では12世紀までに仏教は完全に姿を消したとされています。何故でしょう?
僧侶が怠けた
仏教教団は人々から巨大な寄進を受け取る過程で、いつしか安楽な生活を当然のこととするようになりました。仏教の研鑽と修行を二の次として、備蓄に精を出しました。また、女性に仏門を開いたことにより、僧院がほどなく比丘(僧侶)と比丘尼(女性の僧侶)の遊び場に化したそうです。
地域社会との結合が弱かった
同時期に開かれたジャイナ教は、医療などを含む社会活動も行っていたのに対し、仏教はその面で結びつきが弱かったとされています。教団は地域社会の課題を摘出して、それに応えるという役割を放棄していました。
論争のための論争に熱中
ブッダが亡くなったのち、論争のための論争に熱中するといった、本務から完全に逸れた集団に転化しました。しかも、比丘の中には布教語であるパーリ語の学習を省みず、バラモンの言語であるサンスクリット語を習得して得意になるといった状況も生まれ、ブッダの初心は完全に忘れ去られていきました。
終わりに
外的な要因として、大商人や王侯の寄進や支持を得られなくなり経済基盤を失ったことや、バラモンの儀礼・儀式上での役割の巻き返しがあったなどもあるそうですが、やっぱり上述の内部要因が大きいようです。
参考図書:1997年「インド史への招待」中村平治