生涯一の星空を探しにいく旅🌌
星空を見ていると、今この瞬間の嫌なことや不安なこと全てが浄化されていきます。
代表的な夏の星座「さそり座」や、冬の星座「オリオン座」くらいしか星の知識はありませんが、夜空いっぱいに広がる星達を見ていると、全てが繋がっているように感じます。
「天の川」なんて昔の人はよく考えたものです。僕は昔から天の川は、7月7日の七夕にしか見ることができないものだと思っていました。ある意味とてもロマンチックですね。星について興味が湧き、調べていくうちにそうではないことが最近になって分かりました。
「天の川」は、一年中見ることができるのです。夏は日が暮れてまもなく、冬は日が出る少し前まで条件が良ければ観ることができます。
ただ、夏の方が明るく輝いてみえるため、そのイメージがついてしまったのだと思います。
僕は一度「天の川」を見にいったことがあります。なんだか懐かしくなったので、少しその話を書きたいと思います。
今年の3月に長野県の美ヶ原という高原に泊まりに行きました。目的はもちろん星空鑑賞です。標高2000mの高地で空気が澄んでいて、街明かりの影響がほとんどない所です。周りを見渡せば、八ヶ岳や北アルプス連峰、それに天気が良ければ富士山だって拝むことができます。
当日は、近くの山小屋に宿泊しました。ご飯も美味しい素敵な宿でした。そこから少し歩けば、「美しの塔」と呼ばれるシンボルが立っています。どうやら辺りが濃霧に包まれた時、道迷いにならないために在る塔みたいです。
今夜はここまで歩いて星空を観ることにしました。
この平坦に雪が積もった道を進んでいけば、王ヶ頭に辿り着きます。日本百名山の一つとして数えられる美ヶ原のピークポイントです。この真っ白な高原は、夏になれば牛が放牧されるみたいです。きっと夏も緑で美しい所なんでしょう。
夜になるまで散策して過ごしました。誰かが言ったように、ここは本当に天国のようです。それ以上他の言葉に形容することができないくらい美しい所でした。
夜は氷点下10度まで冷え込むみたいなので、徹底的に寒さ対策をしました。
持ってきたホッカイロを身体中に貼り、フリースを羽織りその上にウィンドシェルを着て万全に装備を整えました。
(それでも、じっとしてると震えるくらい寒いです...)
時刻は深夜の2時。空を見上げれば、満点に光り輝く星達が視界に入ってきました。僕はこれ以上の星空を今まで観たことがありません。星が大きく見え、普段街明かりで見えないような小さい星までもハッキリと観ることができます。自然のプラネタリウムのように、360度どこを見渡しても満点の星空が広がっています。
僕の心は歓喜し、早く美しの塔で天の川が見たい!そう思い歩き始めました。
昼間明るかった道は、真っ暗に包まれヘッドランプをつけなければ、自分がどこを歩いているのかが分からなくなってしまいます。慎重に慎重に足を美しの塔へと進めていきます。
無事に辿り着くと、既に何人かが星空を観ていました。
外は本当に寒くて、じっとしているだけで足先が段々と冷たくなっていくのを感じます。
僕は足踏みをしながら、「天の川」を探しました。
念願の天の川を見つけました。
「ああ、なんて綺麗なんだ。」思わず言葉が溢れました。幻想的でロマンチックで、星一つ一つが宝石のように美しくて。それらが集まり、空に壮大な世界を創り出しています。名前のない星なんて一つもありません。僕ら人間のように、一つ一つの星に名前があり、ストーリーがあります。何光年と僕らが想像できない範囲の世界を星達は生きています。そう考えたら、僕らはちっぽけな存在です。今抱えている悩みなんて、考える時間が勿体無いと思える程です。そんな素敵な時間を過ごしました。