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妖女の隠れ家~読書記録218~
密室トリックの巨匠、ジョン・ディクスン・カーの作品。
およそ125㎏もの巨体で、いつも息を切らしている名探偵フェル博士の初登場の作品となる。
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「魔女の隠れ家」という、新たに訳されたものがあり、訳者は私の好きな高見さんなのだが、図書館にはなく、中古で3万円を超える。。。。
ということで、図書館から、この訳本を借りたのだった。
訳者は大正5年生まれの方で、漢字が旧かったり、言い回しが旧かったりと難しい面もあった。
だが、だいたいの内容はわかり、ミステリーの基本を再確認させられた。
殺人が起こった時に、怪しい人物が失踪する。警察は、その人が犯人ということで動く。(相棒で捜査一課が証明してくれる)
その後、なんと!!その犯人だと思われていた人間の死体が出て来る。死体の状況から言って、失踪した時期と重なる。
そして、解決篇。
つまり!基本的なミステリーは、登場する優秀な警察の人間を誤誘導し、読者をも混乱させる。
だが、ある程度のミステリー通の読者になると、
「あ、この人、犯人じゃない」となる。
うちの息子などは、ミステリードラマを観ていて、始まってすぐに
「こいつ、犯人」
と言い出すのだ。
今回、深い井戸での捜索は、肥ったフェル博士にはムリであるため、半分主人公のような青年がやっている。
シャーロック・ホームズなら機敏に自分で井戸に入るのだろうな、とも思ってしまうのだった。
だが、そういう所があっても、フェル博士のシリーズはワクワクするのだった。