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六の宮の姫君~読書記録436~
六の宮の姫君 北村薫
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北村薫の円紫さんと私シリーズの一作だ。
最終学年を迎えた〈私〉は、卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていくかたわら、出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、円紫師匠の教えを乞いつつ、浩瀚な書物を旅する〈私〉なりの探偵行が始まった。
こんなミステリーもあるのか、の一言に尽きる。
難しい。。。
作者の北村薫氏が学生時代に書いた卒論はわからないが、きっとこれは北村薫氏が主人公を通して言いたかった事なのだろう。
芥川龍之介と周りの人たち。
この作品で改めて知ったのが菊池寛の人物像だ。
作家というよりも、文芸春秋社を立ち上げた経営者、芥川賞や直木賞を創設した若き作家を育成する偉人。というイメージだったのだ。
寝られないからと芥川龍之介に睡眠薬を貰って、危うく死にかけた話など初めて知った。
菊池寛の作品を改めて読みたいとか思ってしまった。
このシリーズは本当に良い人しか登場しない。ドロドロがない。それが又良いのかもしれない。