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心の傷は言ったもん勝ち~読書記録407~
「心の傷」は言ったもん勝ち 中嶋聡 2008年
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「心に傷を受けた」と宣言したら、あとはやりたい放題。詳しい検証もなく、一方的に相手を加害者と断罪する――そんな「エセ被害者」がのさばっている現代日本。PTSD、適応・パニック障害から、セクハラ、痴漢冤罪、医療訴訟まで、あらゆる場面で「傷ついた」という言い分が絶対視されている。そう、「被害者帝国主義の時代」が到来したのだ。過剰な被害者意識はもうたくさん! 現役精神科医が示す処方箋。
「心の病」を理由にして会社を休んでいるのに、どうやら遊び呆けているらしい同僚。
ちょっとした注意を「パワハラだ」と騒ぐ若僧。
どんな行為でも「セクハラ」と主張する女性.....。
「心に傷を受けた」と宣言したら、あとはやりたい放題。詳しい検証もなく、一方的に相手を加害者と断罪する。
そんな「エセ被害者」とでも言うべき人たちが、現代日本にのさばっています。
現役の精神科医で、沖縄でクリニックを開業している著者は、こうした風潮を「被害者帝国主義の時代」と断じ、強い精神力を回復させるための処方箋を示します。なぜ日本人はここ二十年で、かくも「ひ弱」になったのでしょうか。
過剰な被害者意識を振り回し、周囲に迷惑をかける「エセ被害者」。彼らに少しでも悩まされた経験のある人には、必読の書と言えるでしょう。
著者について
1955年、京都府生まれ。東京大学医学部医学科卒業。医学博士。精神科医。1996年、那覇市に「なかまクリニック」を開業、現在に至る。
初めに、朝青龍の話が出てきた。もうすっかり忘れていたが、あれ、絶対仮病!と言われていた人物である。モンゴルで元気にやってるじゃないのよ、と。
この本が書かれた頃よりも、現在の方が「エセ被害者」は増えていると思う。
「親ガチャ失敗」なんて言葉も誕生し、可哀想な自分を言う若者、イヤ年配者もか、が出てきている。
上野千鶴子先生を始めとするフェミニストは被害者意識が強い。他にも、現在は「体は男だけど心は女」と言い張る人たちの強さときたら・・・
いい加減、自分を可哀想な人と思わない。自分を傷つけた人たちと縁を切る。そう思うのであった。