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若い世代のための人生論~読書記録299~
1965年(昭和40年)に出版された、哲学者・磯部 忠正(いそべ ただまさ、1909年10月22日 - 1995年7月13日)による著書。
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東京帝国大学卒業後、学習院女子大学名誉教授から、学習院院長になられた。
昭和56年から昭和62年が学習院院長在職期間だ。
ちなみに、今上天皇が学習院在学中の時に当たる。
日本、西洋、それぞれの古人の話を基に、人とは何か?生きるとは何か?をわかりやすく書かれている。
ものを問うということは、人間にだけ与えられた能力です。というより、むしろ、人間だけに負わされた宿命です。
「人間とは何か」、これが「人間の問い」です。こう問いながら生きるのが人間です。(本書より)
この本は60年も前に書かれたものである。
だが、ちっとも古臭さを感じない。
引用された文語体の聖書や上田敏訳の詩など格調高いものがある。
これは、著者の精神の崇高さからも来ているのではあるまいか?などとも思うのであった。
私が旧い人間なのかもしれないが、聖書はやはり文語体!なのだ。カトリック教会で浮きまくっていたのは、それ?か!
そして思うのは、現在の人間は、このように「人間とは?」「生きるとは?」など考えていないのではないだろうかとも思うのだ。
むしろ、現代はスマホですぐに検索できるので、考える事が減っているような気がするのだ。
それは日本だけでなく、世界各地どこでも言える。
LGBTだか知らないが、わがままな人ばかりになっている気がしている。
学習院院長であられた磯部忠正先生であるが、皇室はやはり学習院だよね?とも思うのであった。