ぼくが読んだ面白い本・ダメな本そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 立花隆 2003年~読書記録368~
知の巨人・立花隆先生が週刊文春に連載した「私の読書日記」をまとめたものだ。
この本一冊で三百冊分の威力!
ふだん書評では扱われない面白本三百冊を紹介し、ダメな本は徹底的に批判する。立花隆の知的好奇心、知的ノウハウを凝縮した一冊
ヒマ人向きの本を対象にした趣味の書評ではなく、真に読む価値のある本から有効情報だけを抽出圧縮し濃密に詰めこんだ、忙しい現代人のための読書ガイド。さらに著者がいかにして大量の情報を処理・活用するかを、その驚異の速読術とともにあきらかにする。
立花隆先生のその圧倒的な知識を支える読書術。とても真似できるものではない。だが、本の読み方については学ぶことの多い書であった。
本については、速読の他に読む事を楽しむ本もあり、ゆっくり読んで楽しむことを立花隆先生自身も言われている。
速読する類の本としては、流れをつかむこと。チャート化することによって視覚化できる。
大事なことは本を読む時に。逐語的に文章を読み、逐文章的に本全体を順次読んでいこうとしないで、本全体の構造がどのようにできているか、その流れだけをとりあえずつかもうとすることである。まず、章単位で全体の大きな流れをつかみ、次に節単位でもう少し細かな流れをつかんでしまう。それを速読的にやりたいなら、逐文章的に本を読むのをやめ。パラグラフ単位で。パラグラフの頭の文章だけを次々に読んでしまうのである。(大事なことはパラグラフの最初のセンテンスに書かれていることが多い)
(本書より)
専門的な本を素人がじっくりと読もうとすると確かに時間がかかる。そうか。この読み方なら、何を筆者は言いたいのかわかる。
図書館で立ち読み数分で終わることもある。
例えば、最近の東大教授の先生方の本は眼で斜め読みすると、
「あー、Twitterに書いてるのを紙に移しただけ」
がわかるのだ。何も買う必要もないし、時間の節約になる。
最後に取り上げられた「捨てる!技術(辰巳渚著)を一刀両断する」を紹介したい。
2000年に発行されベストセラーになった本だが、立花隆先生はかなり辛口で批評している。
「ほとんどカスみたいな本だと思っている。「捨てる技術」を使うなら、真っ先に捨ててしかるべき本だと思う」(本書より)
著者の辰巳渚さんは、「あなたが死ねば皆ゴミ」と言っているが、この本を書かれた時の辰巳渚さんは30代前半だったはず。そんな若いうちから「いつか死ぬ時のこと」を考えていたのだ。
私自身は、2000年当時、この本を購入し、真似をした1人である。既にこの本自体を捨ててしまった。私個人の意見なのだが、この著者は職業としてマーケッティングの仕事をされており、「また買えばいい」のような価値観を持たれているのが気になったのだ。
つまり、どんどん捨てて新しく買う。そうしないと経済が廻らない。そうなのだ。
瀬戸内寂聴先生は、「捨てる派」らしいのだが、それは出家という形での究極的なものになる。生き方の問題になるのか。
今思うに、当時の自分に言いたい。辰巳渚のこの本を読むより、立花隆先生の本を読めばよかったと。
私は、「いつかは来ない」で、かなりの物を捨ててしまったのだが、森村桂さんのお菓子の本、料理のレシピ本、手塚治虫先生の火の鳥など。買いなおしている。アホすぎる・・・・
UNIQLOのMサイズのズボンも捨てることもなかったかなとも思うのだ。
ただ、もう二度と着る事はないとわかっている(着付けが出来ない)和服、小物は茶道を習う知り合いにあげたので、それはよかったかなという気持ちはある。
立花隆先生が紹介された何冊かは近いうちに図書館で借りて読むつもりだ。