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ためない練習~読書記録227~
真言宗豊山派、元結不動密蔵院住職の名取芳彦氏のエッセイだ。2016年に書き下ろしされたものになる。
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現代に生きる日本人に、仏教の教えである「小欲知足」を簡単に、自分の話もされながらわかりやすく語られている。
物を処分する。なども、書いている私も、なかなか。。。など、上から目線に偉そうに言わず、四角い部屋を四角く掃けない人間なのだと言われる所に好感が持てる。
私たちは一度何かを手にすると失うのを怖れる。(本書より)
物を始末する、人間関係を整理する。このような事を著者は提案されている。
さて、この本を読んでいる時の時事ニュースと言えば、三浦瑠麗氏夫妻の詐欺立件であった。
私は、この夫妻に関しては、「小欲知足」の逆を行き過ぎた結果なのだと思う。
前々から夫人が言っていた「自己責任」だろう。
高いワインを飲み、六本木のタワマンに住み、服も誰よりも目立つもの。
全てにおいて、オシャレな生活。
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けれども、ニュースを追ううちに、ご夫妻は、その生活を保つ為に必死だったのだろうな、と可哀そうにもなってきた。
「小欲知足」の正反対。足るを知らない。
ひろさちや先生、名取芳彦住職、他の本を読むと、お金とは考え方次第なんだなと思う。
老後にいくら必要?などの試算が盛んだ。だが、貰えた年金で暮らせればいいのだ。
収入が少なくなると、六本木のタワマンに住めなくなる。と言って、詐欺をするなら、恥と思っても軽井沢の別荘を手放す、安い所に引っ越す、などをしたらよい。
見栄があると出来ないのだろうが。
取り合えず、ある物でなんとか暮らし、収入が減ったら、その時。と考えて生きていきたい。