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素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち~読書記録400~
素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち ア−シュラ・K.ル・グウィン 村上春樹訳
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「空飛び猫」「帰ってきた空飛び猫」の続篇ル=グウィンとS.D.シンドラ-のコンビが描く、翼のある猫たちの物語を、村上春樹が魅力的な翻訳で贈る、「空飛び猫」の第三作目。ファン待望の一冊。
今回、登場したのは羽根の生えていない恵まれた猫だ。優しい人間に飼われており、恐怖を味わったこともない。
だが、ある日、ふとした失敗から味わった恐怖。それを助けてくれたのが、2作目に登場した空飛び猫の一番末の黒猫ジェーンだった。
ジェーンは仔猫の時の経験から喋る(鳴く)ことが出来ず、人間や他の動物を警戒するようになっていたのだ。
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アレキサンダーは、脅えて声を出すことも出来ない黒猫ジェーンの心を開いていく。優しいスキンシップと共に。
ジェーンが声を出した時の兄姉たちの反応と言ったら・・・
恵まれた境遇で育った幸せな猫がジェーンの心を癒し、開いていく。
この作者、ついでに訳者め!どんだけ猫好きなんだよ!
と思うのであった。
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うちの庭にいた野良猫パティちゃん。里親探し中。
どれだけ虐められたのだろう。人に心を開かない。アレキサンダーのような優しい猫が必要なのかもしれない。