個室 引きこもりの時代 ~読書記録211~
1997年に宗教学者である島田裕巳先生が書かれた書。
20年以上も前のものでもあるから、今とは時代背景も変わっている。
そのことを踏まえて読んだほうがよいと思った。
というのも、この書が書かれたのは20世紀。
21世紀になってからの時代の変化は目まぐるしいからである。
当時はなかったスマホ。又、気楽に出前が頼めるようになった事もあり、本当にアパートなり、自宅の自室で引きこもりが快適になったのだ。
更には、2020年よりオンラインでの生活が中心となった。
事務系、営業系の仕事なら自宅でのテレワーク。学生もオンライン授業。
更には、教会はオンライン礼拝。お寺などでも、オンライン説法など、YouTubeを利用するなど、次代の変化があった。
私の友人などでも、「オンライン礼拝が中心になったから楽」と言う人もいる。教会内での人間関係はメンドクサイものだ。
飲み会がなくなって楽。という若者も多い。
私たちは、「独りになりたい」という願いをかなり持っているのだろう。
この本で、「夫婦別室」について書かれていたが、20数年後の今は、予想していたよりも、夫婦別室は増えていると思う。
その方が楽なのだ。
井伏鱒二の「山椒魚」、安部公房の「箱男」などからも、1人になりたい欲求があるのか、と納得した。
今では、誰もが個室を持つ時代。その方が楽だと考える人が多いのだろう。