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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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2022年6月の記事一覧

運命の足音~読書記録126~

運命の足音~読書記録126~

五木寛之先生が、それまでに各紙に執筆されたものを2002年にまとめられたエッセイ集。

五木寛之先生は、敗戦を今の北朝鮮、平壌で迎えられた。
当時は、日本国の領地でもあった朝鮮半島で仕事をするという父親の希望からであったが、敗戦後のあまりの厳しさに、五木寛之先生のお母様は病に伏し、やがてその地で亡くなられた。

敗戦直後、ソ連兵が家に押し入り、まだ10代のソ連兵士が寝ているお母様の胸を靴で踏む。す

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いじめを粉砕する九の鉄則~読書記録125~

いじめを粉砕する九の鉄則~読書記録125~

2007年に出版された関西大学名誉教授・谷沢永一氏の著書。
谷沢先生は、1929(昭和4)年、大阪市生れ。関西大学大学院博士課程修了。専門は書誌学、日本近代文学。
2011年に亡くなられたので、死の僅か前に書かれた本である。

ちなみに、私の大好きな、のんちゃんも関西大学監査出身だ。
宮根何とかキャスターもか。

これは、著者も言うように、教育関係のコメンテーターなどとは全く違う視点から語られてい

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リトルプリンセス~読書記録124~

リトルプリンセス~読書記録124~

1883年にバーネットにより書かれた物語。

だいたいのあらすじはと言うと。。。
インドからロンドンの女学院に転入してきたセーラは、ダイヤモンドの発掘事業を手がける父を持つ裕福な少女だったが、父の突然の死により身寄りをな くしてしまう。 学院で特別待遇を受けていたセーラの生活は一変し、メイドと して屋根裏部屋に追いやられてしまう。しかしセーラは、どんな逆境に立たされても、生まれもった気高さを失うこ

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恋愛結婚は何をもたらしたか~読書記録123~

恋愛結婚は何をもたらしたか~読書記録123~

2004年、明治学院大学・加藤秀一教授の研究書。
加藤教授は昭和38年生まれ。
ジェンダー研究が専門のようだ。

明治になり、キリスト教が伝わった事による、恋愛至上主義が人の心を魅了した。
著書が言うには、北村透谷が恋愛至上主義の最初の人だとか。
私は、北村透谷を初めとする、明治期のクリスチャンは、途中で絶望感から自殺のイメージがある。
そして、明治期に求められたのは、一夫一婦制。
だが、聖書が一

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ひきこもれ~読書記録122~

ひきこもれ~読書記録122~

元は、吉本隆明氏が2002年、77歳の時に執筆したものを、斉藤孝先生らが再編集したものである。

かつての日本では「職人気質」が重要視されており、その人の個性なども大事にされていたのに、何故か、この頃の日本ではコミュニケーション能力の高いことが良しとされる。

単純に「1人は良くない」と言っていいものなのか?
吉本隆明氏の軽快な語り調の文章に引き込まれていく。

現代ではSNSの普及により、まとま

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明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい~読書記録121~

明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい~読書記録121~

2015年に順天堂大学医学部教授(現在は名誉教授)であられた、樋野興夫(ひのおきお)先生が書かれたエッセイである。

私は、樋野先生という方を知らなかった。たまたま、この本を見かけ、装丁とタイトルに惹かれて手にしたのだった。

このタイトルは、マルチン・ルターの言葉のパクリらしい。

今日、与えられたことを手を抜かずに一所懸命にする。これは、浄土宗の開祖であられた法然上人の考えでもある。
だいたい

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もうひとつの学校~読書記録120~

もうひとつの学校~読書記録120~

昭和52年に発行された森村桂さんのエッセイ。
落ちこぼれの人間、学ぶ機会のなかった人間、高齢者、などなど。学びたい人を受け入れる。
その他、手作りの学校として、家事、家庭の看護等々を学ぶ場が欲しいと思い立った森村桂さんの奮闘する様子が楽しく描かれている。

本当にエネルギッシュで、人を惹きつける方なのだなと思った。
そして、この本を読み、私は長谷場夏雄さんと言う方を知った。

戦後すぐの頃、貧しい

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毎日音読で人生を変える~読書記録119~

毎日音読で人生を変える~読書記録119~

2021年に出版された元フジテレビアナウンサー寺田理恵子さんの著書。

ご主人が急逝され、これからどうしようとなった50代初め。
それでも彼女は復活した。
支えてくれた現在の事務所社長・生島ヒロシ氏との出会い。

寺田理恵子さんがこの書でも書かれていた音読の利点。納得する事だらけだった。
寺田理恵子さんがこのような著書を書かれ、活動をされていたとは知らず、私は自己流でツイキャスで朗読をしていた。

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秘密の花園~読書記録~118~

秘密の花園~読書記録~118~

1911年、バーネット(イギリス生まれで16歳でアメリカに移住)作の作品。昔から多くの訳があるが私は大好きな谷口由美子先生の訳を読んだ。

おおまかのあらすじはと言うと・・・

イギリス植民地時代のインド。官吏の一人娘メアリー・レノックス (Mary Lennox) は、仕事人間の父と遊び惚ける母に放任され、我儘で気難しく、孤独な少女に育ってしまう。そんなある日、悪性のコレラの流行により両親や使用

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少子社会日本~読書記録117~

少子社会日本~読書記録117~

2007年出版。「パラサイトシングル」でお馴染みの社会学者・山田昌弘先生の書だ。

少子化の原因として、先生は「経済的面」を強調されていた。
又、高収入男性の方が結婚出来ると言われていたが、それで全てなのだろうか?
高収入でも結婚出来ない人は出来ないし、収入が少ない、高学歴ではない人の子だくさん(で、キラキラネーム)の人は沢山いる。

確かに、先生が書かれていたように、パラサイトシングルが居心地が

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お化けの世界~読書記録116~

お化けの世界~読書記録116~

私が坪田譲二先生を知ったのは小学校に上がる前だった。

大好きなエッセイスト岸本葉子さんの著書に坪田譲二先生の作品が書かれてあったので、昨日久しぶりに読んでみた。
(図書館から借りました。)

そうそう。旺文社だった。今は大好きな有隣堂に行っても、旺文社の本を見かけることはない。多分、受験やらとは縁が切れたからかもしれないが。
懐かしい、と思った。

私が小さい頃、父の年の離れた弟、妹も一緒に暮ら

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人生を励ます太宰治の言葉~読書記録115~

人生を励ます太宰治の言葉~読書記録115~

2011年に出版された童門冬二先生のエッセイ。

童門冬二先生については、こちら↓に。
私が先生にお会いしたのは、この本が書かれた翌年であった。

先生は、「どうもすいません」からペンネームの話が相変わらず好きだな、の感想だ。
この本で初めて知ったのだが、先生は実の両親を知らないらしい。物心ついた時には義理の両親、育ててくれた人たちと暮らしていたのだ。
だから兄弟はいない。
太宰治が昭和8年に下宿

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自民党の消滅~読書記録114~

自民党の消滅~読書記録114~

2020年7月に出版された三橋貴明氏による政治分析本。

日曜、月曜と、三橋貴明氏の本を読んだが理解出来なかった。
今後、自民党がどうなるのかな?という著者なりの展開を期待すべく読んだのだが、話があっちこっちに飛び、主張なり、本題が観えなかった。
松田学先生や武田邦彦先生の本とは違うんだなあ。

はい。私が頭が悪く認知症になりかけてるんです。
三橋貴明さんて、以前は安倍晋三推薦組だったのに、202

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イマジン・ノート~読書記録113~

イマジン・ノート~読書記録113~

1998年 人気漫画家・槇村さとる先生の初のエッセイ。
フリーライターである寺田薫さんがインタビュー、編集をしている。

高校1年生で漫画家デビューしてから、ずっと第一線で活躍されてきた槇村さとる先生。
実は過去に相当な体験があったことをこの本で明かす。
12歳で母親が出ていき、父親からの暴力。それだけならまだしも、12歳の時、寝ている時に父からされた性的虐待。
弟は父と喧嘩し、家を飛び出す。

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