- 運営しているクリエイター
2021年10月の記事一覧
目に見えないもの 油川秀樹博士自叙伝~読書記録1~
日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士の自叙伝。
1907年(明治40年)に地質学、地理学を研究とする小川琢治氏の息子として生まれた。1932年(昭和7年)、湯川スミさんと結婚。湯川家の婿養子として、湯川姓を名乗る。
理論物理学の系譜をたどれば「神話」にまで行きつくかもしれない。が、自然の持っている力の少なくとも一部分は、直接神の手を借りずとも人間の手で自由に出来ることがわかってき
禁漁区 乃南アサ~読書記録3~
乃南アサ「禁漁区」を読んだ。
主人公直子は、アラフィフティーの警察官。
お気に入りのホストに惚れ込み、お金を作るために自分が通うお店とは別のホストクラブの支配人を警察手帳を使い脅し、売掛金が貯まり困っている客を騙し、それぞれから多額のお金を貰うという。
最後には、彼女は人事に呼ばれ、「恐喝、詐欺、収賄の容疑で逮捕状」という結末になる。
だがしかし、彼女がここまで堕ちていく課程にあった夫
摘出 霧村悠康~読書記録4~
大阪大学医学部卒 元大阪大学付属病院腫瘍外科医の霧村悠康氏の医療サスペンス小説である。
さすがに大病院の外科医であっただけに、リアリティーもあり怖くなった。
主人公は生真面目な外科研修医。大阪にある国立のO大学附属病院勤務とあるから、大阪大学であろう。山崎豊子の「白い巨塔」、実際にあった話の映画化「愛と死を見つめて」も大阪大学付属病院だったな。。。しみじみ。
患者の乳がん手術を行う際に主人公は右
全身麻酔~読書記録6~
元大阪大学医学部附属病院・腫瘍外科医・霧村悠康氏の作品。
舞台は大阪にある国立O大学付属病院。
上に写真に上げたが、この登場人物。これが又ややこしいのだ。ネタバレ覚悟で言うと、同じ人物がわからないように紹介されている。
「私」は、全身麻酔の際に意識があり、その時の様子を小説とする。ちなみに職業は弁護士である。
麻酔科医は28歳の研修を終えたばかりの雲井医師であるが。少しだけ脇役として登場する奈良
うつの予防と解消は食を正すことから~読書記録7~
薬学博士・生田哲先生の著書より。
東京薬科大学卒業後、アメリカの大学に進み、今では多くの執筆活動をされている。
主に、食べ物と脳の関係についての本が多い。
生田先生が言われているのは、「うつは脳への伝達物質のバランスが崩れて起きる。栄養不足によって起きる。毎日、口にする食事によって起きるのだから、うつは生活習慣病の一つ」という事だ。
製薬会社は巨額の広告費に物を言わせ、「うつは薬を飲んで休養す
クスリに殺されない47の心得~読書記録8~
「乳房温存療法」の先駆けで有名な近藤誠医師の本。
先生は小学生の時に福沢諭吉に憧れ、慶応中学から大学まで慶応。その後は慶応大学付属病院医師として勤務。
慶応大学では「先生と呼んでいいのは福沢諭吉先生だけ。教授たちは、~君」と呼ばれていた。
が、付属病院に勤務となった時には「いわゆる大学病院特有のピラミッド」「先生と呼ばれる人の多さ」を知り驚愕されたとか。日本では国立、慶応でも、乳がんは乳房全摘出
かもめのジョナサン 考察~読書記録9~
かもめのジョナサンは、1970年にアメリカでリチャード・バックにより著された。
日本では1974年に五木寛之先生の訳により紹介された。
だが、つい先日、五木寛之先生の本で知ったのだが。これは「翻訳」とはなっていない。「創訳」なのだ。忠実に翻訳したというよりも、ところどころ五木寛之先生独自に付け加えたり、削除したりがあるという。英語版の本も短いので読めるからそちらを。とも書かれていた。今はパソコンで
誰が星の王子さまを殺したのか~読書記録10~
「星の王子さま」は、フランスのサンテグジュペリによって書かれたものであるが、日本では1953年に出版された内藤濯(ないとう あろう)訳が有名である。(というよりも、版権の関係で、他の方が訳せるようになったのは最近である。
左は、私が高校生の時に購入した第51版。右は、2005年に倉橋由美子さんが訳されたものである。
実は内藤先生の訳以外を知ったのは昨年で、Amazonで取り寄せ、読み比べてみたの