東北ドライブの旅 「100年かけての街並づくり」金山住宅を知る〜山形県金山町
こんにちは!本日もおつかれさまです。
ベリーダンサーのShala(シャーラ)です。
これまで、このように長期の目標をもって街並づくりを行っている自治体があることを知らないばかりか、山形県北東部にある金山町の存在すら知りませんでした。
素晴らしい発見の旅になりました。
リモートワークの場所として、ホテルシェーネスハイム金山を選んだために訪れることになった山形県金山町。
滞在したリゾート型ホテル
ここから車で5分のところにあることを知った「セラピーファームめごたま」での思いがけない乗馬体験を通して、ホースセラピーについて学ぶなど、驚きの連続でした。
そして、ホテルのラウンジスペースに置いてあったこちらの本を手に取ったために、この地方特有の様式である金山建築に大変興味を持ちました。
引き込まれ、そのまま一気に読破してしまいました。道理で、ドライブの道すがら、独特の雰囲気を持つ漆喰の住宅群に目が留まったはずだと。あれはここに書かれている金山住宅というものだったのか!と謎が解けました。
常々、どこを訪れても街の景観に統一感がないのをあまり美しくないなあと思っていました。それぞれが好きな家を建てるのだから仕方ないのかなと。
そんな疑問も吹き飛ぶような、昭和58年にスタートしたという街並づくりの歴史と変遷が詳細に綴られ、これは生半可な努力ではないと、町全体の景観を長い時間をかけて整備するための甚大なエネルギーを思い、気が遠くなります。
毎年金山大工による金山住宅のコンテストも行ってきたという意気込みは半端なく、日本にこのような町もあったのだなあと、感動することしきり。江戸時代からの林業の町であり、金山杉の巨木の森も見に行けるようです。
早速プランを立てて、セラピーファームでの乗馬のあと、今度は町へ出てみることにしました。
その前に...
腹ごしらえはホテルで!
さあ出かけましょう。美しい田園風景の中を走ります。
美しい!
見えてきました
積雪2メートルの豪雪地帯、下はガレージになっていたりと、工夫が見られます。
中心部に到着
一つの蔵では、大正から昭和にかけてハイカラな百貨店を開いていた西田家の展示に見応えがありました。
西田家当主の著作
二階のようす
金山町住宅建築コンクールや、海外研修のようすなど、相当の情熱と意気込みをもってスタートした街並づくりの歴史を知ることができます。
全体的に非常に洗練されていて居心地良く、整えられた庭の池では、鯉が泳いでいました。
もう一つの蔵は、ショップとカフェで、ここでドリンクをいただいて一休み。外は猛暑です。
冷たくて美味しい!
昭和11年に建てられた郵便局を改装、憩いの場、交流の場となりました。雰囲気がありますね。
中は広々として、庭に出ることもできます。
二階は女性のための活動スペースになっているとのこと、ふと見上げれば窓ガラスには子どもたちの顔がズラリ!「あのひとだあれー?」と口々に。動物園の動物の心地です。笑
向かい側もカフェとショップで趣がありますが、残念ながらカフェは閉店中でした。
ゴミ一つ落ちていない街は、清潔感に溢れています。この街に来られて本当に良かった!
こちらは、前述の本の中に説明がありましたが、敢えて側溝を覆っていないのですよね。水の流れが美しく爽やかです。そして...
これはまた美しい!鯉が泳いでいるこの一角は特に気に入りました。
子どもたちが元気よくはしゃぎながら通ります。こういった景色が、のちのち美しい子ども時代の記憶として蘇るのでしょうか。幸せなことだなあと思いました。
学校もあり、手前には、明治時代のイギリス人旅行家、イザベラ・バードの来訪100年を記念してのモダンな碑が。
気分はイザベラ・バード
以下は、碑に刻まれている翻訳文です。
今朝新庄を出てから、険しい尾根を越えて、非常に美しい風変りな盆地に入った。ピラミッド形の丘陵が半円を描いており、その山項までピラミッド形の杉の林で覆われ、北方へ向う通行をすべて阻上しているように見えるので、ますます奇異の感を与えた。その麓に金山の町がある。ロマンチックな雰囲気の場所である。私は正午にはもう着いたのであるが、一日か二日ここに滞在しようと思う。駅亭にある私の部屋は楽しく心地よいし、駅逓係はとても親切であるし、しかも非常に旅行困難な地域が前途に横たわっているからである。
イサベラ・バード「日本奥地紀行」 高梨健吉訳より
交通も不便な明治時代に、イギリスから女性一人でやって来ては、益々奥地へと旅していった強靭な精神力に驚きます。
付近を散策、暑過ぎて長くは歩けませんでしたが、これからまた車に乗って金山杉の森などを見に行きます。
それではまた!旅はつづきます。