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作家が誕生するまでの軌跡〜愛読書シリーズ「ひとは情熱がなければ生きていけない」浅田次郎

こんばんは!本日もおつかれさまです。

ベリーダンサーのShala(シャーラ)です。

この頃は、図書館へふらっと出かけて手当たり次第、目にとまった本を読んでいます。

こちらの本を開くと、生前の三島由紀夫に「遭った」(正確には「会った」ではなくて)若かりし頃の出来事が書かれていて、一気に引き込まれました。

一人の作家が生まれるまでの長い道筋、持ち続けた情熱、人との関わり方がとても魅力的です!

最初に、当時の三島由紀夫がどれほどのスターであったか、雑誌の表紙を飾り、グラビアに登場し、非常なカリスマであった様子が、(私の知らない時代のことなので)臨場感たっぷりに描かれ楽しめました。

その三島由紀夫の自決から、自衛隊に入隊するまでのこと。就職を望む者はどこからも引っ張り凧だった時代に、敢えて自衛隊。そこで見聞きする三島由紀夫の風評。過酷な自衛隊の生活が性に合っていたという、作家の独自性。三島由紀夫の自決した部屋の家具を払い下げることになるという稀有な運命。

自分の目で見て体験して、疑問を解決することが自分の夢につながる。

 浅田次郎さんのエッセイ好きで、制覇をしようと集中して読んでいます。その中で、尊敬していた三島由紀夫の自決によって、自衛隊に入ることにしたとの内容が印象的でした。

 なぜ三島が自衛隊を鼓舞して失敗し、自決しなければならなかったのかの謎を解くために自分で入隊したとは驚きです。その一方、小説家にも体力が必要とのことで、彼は事あることに自衛隊の2年間で身体を鍛えられたと書いています。

 村上春樹も同じように小説家にも体力が必要と書いていました。小説家を長く続けるためには、身体を鍛え規則正しい生活をする必要があるようです。自分の夢ややりたいことを続けていれば、いつか叶う。ただし、相当な努力を継続的に続けられればですね。

以上、Amazon レビューより

それから、江戸っ子としての矜恃とスタイルを持つ、まるで銀幕の中の存在のようなお洒落な両親のこと。血は争えないという、作家の出自やそこから来るエピソードを読むのは、いつでも楽しいです。それぞれにとてもユニーク!

大のラスベガス好きで、そこへはあまり親しくない編集者などを連れていくに限ると。すると帰る頃には、ベガスの独自性によって心の鎧を剥がされ、生まれ変わったような関係性になると。そんなところもなるほどと思いました。

以前、砂漠ツアーを開催していた私の友人が、好きな人とは行かない方がいいと言っていましたが〜砂漠は非常に過酷な環境なので、普段隠している本性まであらわになってしまうからという〜それと似たような感じでしょうか。

作家には2種類いて、話すのも好きなタイプとそうでないタイプ、彼は前者とのことで、年に相当数講演をこなし、自衛隊や出身中学校での講演録も掲載れされていて、また違った角度から面白く読みました。

作家も、早咲きだったり、遅咲きだったり。いずれにしても、人生経験と観察眼が相当に豊かでないと、とても小説など書けないのだということが伝わってきます。

文章のスタイルや言葉の選び方。世の中の流行がある中で、その流れに対しどのようにチャレンジしているのかも書かれていて興味深いです。この、たった一人で時代に向き合う、向かっていくところが凄いなあと思います。言葉と精神を武器に、たった一人で。

「壬生義士伝」や「鉄道員」などで有名ですが、そういえば、私は作品としてどうかといったことにはあまり興味がないようです。生み出すまでの精神と肉体の鍛錬は相当なものだと思いますし、どの作家にとっても、作品が血肉であることは間違いないと思われます。

それよりも、その原動力は何かということ。出自や、書いていない時に何をして、どのようなことを考えているのか、こだわりのユニークさ、周囲の人々との接し方といった人間性や、在り方から吸収することが大好きなのです。

それではまた!

Amazon ひとは情熱がなければ生きていけない(勇気凜凜ルリの色) (講談社文庫)

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