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2023/6/17 ソロダンス公演『SOULS』を終えて〜SHALAへのインタビュー!
こんにちは。みなさま元気でお過ごしでしょうか。Creative Team SHALADINAスタッフのakaneです。
2023年6月17日(土)に神楽坂セッションハウスで開催されたダンス公演『SOULS』を終えてのち、主演のSHALAさんにインタビューを行いました。
akane : 5年ぶりのソロ公演、SHALAさんにとっていかがでしたでしょうか。
今回の作品は、これまでと違ってオープニングアクトとソロパートとに分かれていました。その理由やこだわりなどがあれば教えてください。
SHALA : 思いがけず出産シーンが生まれたのには驚きました!ある日突然、リハでそれは起きたんです。その後は何度やっても生命を産み出す喜びで一杯になり眠れないほど。
これまでも6年おきにチャレンジしてきたソロ公演は、それを転機に踊り方など変わることが多く、確認するためにやるようなところがあります。
今回も本番を通して向かうべき方向性を把握できたように思います。
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こだわりといえば、もともと日本の伝統芸能が好きで、精霊をもてなす夏至の祝祭といった意味からも、今回は能の「ワキ」と「シテ」の型を意識しました。
現世と見えない世界との境界にあってお客さまとの橋渡しをする旅人「ワキ」と、思いの丈を語る精霊としての「シテ」です。非常に大まかではありますが、オープニングアクトとソロがそれぞれに当たります。
akane : 作品に対してどのような感想が寄せられましたか。
SHALA : これまでで一番洗練された作品との感想をいただきました。
円形のステージだったことで特別な雰囲気が生まれ、特に好評でした。また神話的な空間を生み出すのに貢献してくれた、これまでとは全く違うオリジナル楽曲も好評でした。
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akane : まずは舞台についてですが、今回はステージを客席がぐるりと囲む円形の設定でしたね。それによってもたらされる効果、また難しい点などがあったら教えてください。
SHALA : 今もそのような習慣は世界各地にありますが、大昔、人々は円形に座して話し合い儀式を行っていたことでしょう。
円形では参加する人たちは対等になります。この形は、そういった原始的な感覚を呼び覚ますのでしょうね。眠っていた感覚が蘇るような気がしたとの感想も。
円形であるが故の特別感と一体感は素晴らしいものがあると思います。
古代の雰囲気を残す踊りであるベリーダンスのステージでは、度々こうした形のステージで踊っていました。
それがとても好きだったので、いつかセッションハウスでもと思っていましたが、照明さんにとってはお客さまの目に強い光が入らないようにしたり、どの席からも大差なく見えるようにしなければならずハードルが上がります。
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ただでさえタイトなスケジュールの中で大変なことが分かっていたので、同会場8回目の公演にして初めて思い切ってお願いしました。
ところが、照明の安達さんは素晴らしい照明を作ってくれただけでなく、ご自身も本番のオペレーションを楽しんだと聞いて嬉しくて。次も楽しみですとのメッセージをもらいホッとしました。今後も続行すると思います。
akane : 楽しみですね!そして今回も衣装や鹿の角などの小道具がかなり印象的でした。ぜひ解説をお願いします。
SHALA : 衣装については、別枠を設けたいくらいです。毎回なぜか作品のインスピレーションは最初に衣装の方から私をめがけてやってきます。
まだテーマも降りてこないうちに衣装はこれですと。それからテーマや共演者、小道具などが集まってきて。。また改めて振り返ってみたいです。
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akane : それでは音楽について、前半のクラシックと後半のオリジナル曲のコントラストが素敵でした。選曲をはじめ音楽への想いをぜひ聞かせてください。
SHALA : 前半のクラシックの選曲、「パッヘルベルのシャコンヌ へ短調」は初めて聞いた時からいつか舞いたいと思っていた大曲です。
ヨハン・パッヘルベル(独: Johann Pachelbel、1653年9月1日(受洗) - 1706年3月9日(埋葬)は、バロック期のドイツの作曲家であり、南ドイツ・オルガン楽派の最盛期を支えたオルガン奏者で、教師でもある。
(Wikipediaより抜粋)
300年以上も風化せず生き抜いている音楽の迫力、普遍性を感じながら舞うのは至福ですが、自分の力の及ばなさを感じます。
全身全霊で向かって行ってもかなわない。びくともしない堅牢な古城に単身挑むような感覚、でもきっとそれがいいのでしょうね!
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今回は「母」もテーマだったので、受胎告知の天使ガブリエルの象徴、白百合を手に立ち向かいました。踊りには全然満足できませんが、またチャレンジしたいです。
後半のWarterによるオリジナル楽曲は、独自の世界観の創造に大きく貢献してくれました。
これまで5作品において作曲してくれた二人のミュージシャン、内藤あきらさんと三柴法臣さんは、今回初めて自身のジャンルであるヘヴィロックを離れ、私の世界観に寄せて苦労して作曲してくれました。
壮大な自然の写真集を一緒に見たり、アイスランドの動画をシェアしたり、ペンギンの群れやオーロラをイメージしてもらったり。そんなふうにして始まりました。
また私からは、益々削ぎ落としていっている踊り方に合わせ、音をグッと減らし余白を作ってもらうようにお願いしました。
神話的な雰囲気の表現されている素晴らしい曲が出来上がって、二人のセンスと労力に感謝しかありません。
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akane : 次は、演出協力のフーリアさんについて伺いたいです。
演出は2度目となるフーリアさんの存在によってもたらされた効果、また関係性に変化などがあったら教えてください。
SHALA : 演出面での後押しが前回からさらに強力になりました。リハで私が戸惑いながら動いているとすぐに見抜いて方向性を示唆してくれたり。彼女のおかげで、踊りのスタイルを見極めるステップを確実に踏ませてもらっています。
一番凄かったのは、当日通しのリハーサル後の具体的な示唆で、一つも聞き漏らすことのないようにと集中して耳を傾け、本番ではその手応えを感じることができました。
関係性が大きく変わったということは特にないですが、作品の完成度を上げていくためにも今では欠かせない存在と感じています。
akane : 最後にインスピレーションについて。
以前、毎回破壊と再生の繰り返しで本番で出し切ると新しい何かが生まれると伺いました。今何か生まれているものはありますでしょうか。
SHALA : 今度、御蔵島でドルフィンスイムをすることになっています。海の世界、アンダーウォーターの世界が再び私を呼んでいます。それがどのような作品に繋がるのか今から楽しみです!
『SOULS』で母がテーマの作品を舞ったあと、実際の出産に立ち会うことが決まりとてもワクワクしています。こうした流れそのものによってもきっと新たな作品へと運ばれていくのでしょうね!
akane : どうもありがとうございました。次回もまた楽しみにしています!
(以上写真は全て:柴田正継)
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