月読命ってどんな神様? volpe biancaの果てなき妄想のはじまり

なぜ私が月読命を調べようと思ったのか

私が月読命に興味を持ったのは、立花大敬さんが月の神様のことがもっと分かるようになると、イスラム教の人々のことがもっとわかるようになると言ったことでした。たしかそのはず。

その時に、ふっと「じゃあ、月の神様を調べてみよう」って思ったんですね。

ああ、話はちょっとズレちゃうんですが、私、小さなころ母親から「あなたは月のような人」って言われたことがあるんです。

月のような人っていうのは、自分が自分で光るのではなくって、太陽、つまりほかの人の光を受けて輝くっていうことらしい。らしいっていうのは、母の言葉で、私も小さい頃だったのでよく分かっていなかったんで、今、思い返してみても「らしい」としか言えない・・・。

で、月の神様の話を聞いたとき、とっても不思議なんですが、母の言葉がよみがえって、月の神様にすっごく興味が湧いたんです。神様からしたら、「すっげ―失礼な奴!」って思われたかもですが・・・。

そのことが、ちょっと気になっていたんですが、神様は怒っていなくて、喜んでいてくれた、ということが実感できたんですよ。それは、月読神社をお参りさせていただいたとき。その時、「大丈夫だ~~。よかった!(´▽`) ホッ」って分かったのですけど、そのお話はまた改めて。

だって~、長くなるんですもの (;^ω^)

月の神様のお話に強引に戻しましょう。

日本の月の神様を探すと、すぐに見つかりました。そう、月読命さま。お名前は、一般的にはツクヨミです。伊勢の神宮ではツキヨミって呼ばれています。で、お名前ですが、調べていくと面白いことが分かったんです。なぜ、伊勢の神宮ではツキヨミって呼ばれるのか? これは、あとで詳しくご紹介します。

月読命さまですが、日本で最も古い書籍「古事記」でも、日本で最初の正式な歴史書とされている「日本書紀」でもほとんど触れらることがありません。さらに、さらに、伝記と言った書物にもほとんど登場しない。

そこが不思議な不思議な、謎に包まれた、そして、とても興味を引く神様として、私の心に住み着いたのです。

そもそも月読命とはどんな神様なのか?

月読命は、「古事記」では、伊弉諾尊(イザナギノミコト)さまが、黄泉の国へ伊弉冉命(イザナミノミコト)さまに会いに行ったあと、禊をしたときに生まれた神様です。

「黄泉の国? それってあの世のこと?」

伊弉諾尊さまと伊弉冉尊さまは、2人で日本を作り、たくさんの神様を生んだ神様たち。で、伊弉諾尊さまは、伊弉冉命さまをとっても愛しておられました。でも、伊弉冉尊さまは、ヒノヤギハヤオカさまという、火の神様を生んだ時の火傷がもとで亡くなってしまいます。

伊弉諾尊様は伊弉冉尊さまが亡くなったことをひどく嘆き、何としてももう一度会いたいと思い、黄泉の国へと向かいます。そこで、伊弉冉尊さまと会うことができるのですが、「私が良いと言うまで、決して姿を見ないで」と言われたのに、約束を破って姿を見てしまうんです。

たしかに「見ないで」と言われれば見たくなりますよね。ここが、日本の神様がほかの神様と違うところ。完璧ではない、失敗もする。私はこういう日本の神様が好きなんですが。

で、黄泉の国で伊弉諾尊さまが目にした、伊弉冉命さまはかつての姿とは似ても似つかず、その変わり果てた姿に恐れをなし、黄泉の国から逃げようとします。一方、見られたことを知った伊弉冉尊さまは激怒して、「見たな」と言って、伊弉諾尊さまを追いかけます。

追手としてまず差し向けられたのは、ヨモツシコメたち。なんとか振り切った! と思うのもつかの間、さらに雷神と1500もの黄泉の国の軍勢が追いかけてきます。こちらもなんとか逃げ延びることができた! と思ったのですが、最後は伊弉冉尊さま自らが追いかけてきます。

最後は、動かすのに1000人は必要、と言われるような大きな石で道をふさぎ、伊弉冉尊さまから逃げ延びることができました。

うん、かなり端折りましたが、何とか逃げ延びた伊弉諾尊は、「いや、大変だった。でも、このままではだめだ! 黄泉の国の穢れを洗い流さなくては!」ということで、祓詞(はらえことば)に書かれている、「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原(つくしのひむかのたちばなのおどのあわぎはら)」で禊(みそぎ)をされます。

禊をしたときに27柱(人でいうと27人ですね)の神様が生まれます。そして、最後に生まれた3柱の神様、天照太御神(アマテラスオオミカミ)さま、月読命さま、素戔嗚尊(スサノヲノミコト)さま。

この3柱の神様を伊弉諾尊さまは、「私は最後に素晴らしい神様を生んだ! この3柱の神を三貴神と呼ぼう」というくらい喜んだそう。

月読命さまって、そのくらいすっごい神様なんですね。

だのに、天照太御神さま、素戔嗚命さまと比べて、書物に登場しないし、日本人にほとんど知られていない。なぜ??

その理由の一つが、お祭りされている神社の数(境内社を含みます)。
・天照太御神さまは、13,582社
・素戔嗚命さまは、13,542社
ほぼ同数です。
あなたの自宅の近くの神社でお祀りされている神様を調べたら、2柱の神様のどちらかがお祀りされているはず。私の家の近くの神社では、お二方ともお祀りされていました。

で、月読命さまというと、
・704社
はい、たったの704社です。圧倒的に少ないですね。さらに、月読命のお名前がついている神社だけに絞ると、わずか70社程度。

「この扱いの差は、一体何なんだ」

私だけでなく、あなたもそう感じたはず。

伊弉諾尊さまが「三貴神」と呼んだ神様なのに、こうも扱いが違うなんて、何かおかしい・・・。

そんな思いが、私の心に住み着いた月の神様、月読命さまの存在を、さらに大きくさせていったのです。これが、私が、月読命さまを調べてみようと思った理由なんです。

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