植物から学ぶこと

マザーツリーやミクロの森という本を読んで。

木や草花は、それぞれの特徴を活かして成長し、子孫を残す。
それは春が来たから吹き、夏が来たから成長し、秋になって種を残し、冬は眠りにつく、といった単純なものではない。

それぞれに違った生存戦略があり、成長の時期、成長の方法などもみんな違う。そして、決してそこから外れることはない。

人はどうだろう? 同じ時期に同じことを学び、同じ時期に多くの人と違う成長をするものは好奇の目で見られる。

植物たちの生活を知ると、人の世界の窮屈さがことさら見えてくる。それは巷で言われるオンリーワンなどといった薄っぺらい概念ではない。

ただ、自然界に住まう植物は、弱きものは淘汰されるという厳しい環境に見を置くということ。生存に適さないものは成長が許されず枯れるという厳しい事実。人はそういう環境が植物よりは少し緩い。

だから、一概に決めつけることはできないが、人も個々の成長にもっと緩やかな心があっても良いのではないかな。

さらに、木々は自分と違う種であるということも認識しているそう。さらに自分の血縁(自分の種から成長した)者も認識しているそう。

大きな木は若く弱い木に水分や養分を与え、違う種のものにも与える。しかも相互に。自分が成長期で周りに譲るれるだけの養分を持っているなら、与える、自分が足りなくなって、周りの木が持っているなら与えてもらう。

ごく、当たり前に。人にそんなことができるだろうか? 

人が植物を守る、なんてこと、こんなことを知ると、おこがましい考えだと感じる。人が学ぶべきことのほうが多いのではないか。


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