「呪いの文様」を記した皿をつくり、おつまみを盛る休日
秋が深まりやや肌寒くなってきたころ、私は以下の記事を見つけた。
そして、こう思った。
「呪符かわらけ……カッコいい~!!」
「呪符かわらけ」とは、おまじないのために呪術的な文様が記された土器のことで、家を建てる際に土地の神を鎮めるなどの目的で陰陽師によって埋められていたものである。
紛うことなき「呪物」の一種といえるものだ。
だがこの「呪符かわらけ」、なかなかどうしてユーモラスでオシャレなデザインをしているのだ。
文字のような絵のような……適当に描かれているようにみせかけて確固たる意味があるような……そんな何とも言いがたい独特の文様なのである。
『ムー』の記事に上がっていた写真を見た私は、このデザインに一目惚れしてしまった。
ぜひ欲しい! でも、どうせ売ってない……。
なら、自分でつくろう!
そこで取り寄せたのがこちら。
皿やガラスに絵付けができる、「らくやきマーカー」というペンだ。
描いた絵をオーブンで焼き付かせることができる優れもの。
これを使って……
この素焼きの皿に呪いの文様を描いていこう!
思ったよりスラスラ描ける。
このままじっくりと呪いをこめながら、文様を完成させよう。
「急に寒くなりすぎたせいで買っておいた薄めの長袖シャツが無駄になったから最悪」とか、そういう負の感情を呪力へと変えていく。
できた!
けっこういい線いってるのではないだろうか。
この調子で5枚つくっていこう。
この「らくやきマーカー」、おもに水性なので……
こういう風に書き損じた場合でも……
ウエットティッシュで拭けばこの通り……
……あれ?
残ってるじゃん!!
どうやら、素焼きの表面に空いた細かな隙間にインクが入り込み、水洗いでは落ちなくなっていたようだ。
ならかくなる上は、うまくごまかせるように呪符を描くしかあるまい!
赤いところが書き損じた部分。
我ながら、うまいことそれっぽく修正できている。
もうこれ以上はあんまり遊ばずに、あとの3枚を完成させよう……。
こうして、5枚の皿の絵付けに成功。
あとは、オーブンレンジに入れて文様を焼きつかせると……
完成!
ただ、皿に文様を入れただけでは少し物足りないような気がする。
何というか、実用性に欠けるというか……。
そこで私は思いついた。
じゃあ、料理を盛ってみよう!
この呪符かわらけ、直径が約9 cmと、ちょっとしたおつまみを盛り付けるのにちょうどいいサイズ感なのだ。
呪物に盛り付けられたおつまみで酒を飲むというのも、すごくオツな休日の過ごしかたな気がするし!
というわけで、さっそく必要な素材を揃えてきた。
では、酒盛りを始めようか……!
……
…………
………………
……完璧のができた!!
というわけで、いただきます!
……うますぎる!!
風味が抜群に引き立てられている……!
そして、「呪符かわらけ」のおかげで心なしか味に深みが出ている!
ていうか、呪いの文様に盛られたものを食べるってテンション上がりません!?
みんなは知らない「呪い」の味……。
まるで、高級フレンチの前菜のような……!
ダメだ、1個じゃ全然足りない!
……まだまだいこう!!
素晴らしい!!
こんなに幸せな思いができるなら、何度でも呪いをこめることができよう。
この光景を前にして平静でいられる自信がないため、今回のブログはここで終わりとさせていただく。
皆さんもぜひ、自分だけの「呪符かわらけ」をつくって、日々の生活に彩りと呪いを加えてみてください!
では……。
(終わり)