#271 地図の上が「北」の理由
現代の地図は北が上、南がとして描かれているのが常識だが、時代や地域によっては方角が異なる地図も存在する。
オーストラリアやニュージーランドで売られている南が上の世界図は有名である。
しかし、この地図は南半球が「Down Under」と呼ばれていることへの皮肉をこめたジョークの意味合いが強いらしい。
世界で初めて世界地図をつくったのは、紀元前8世紀ごろのギリシャ人と言われている。その後も、ヨーロッパを中心に世界地図(世界といってもヨーロッパ・北アフリカ・西アジア付近が中心)がつくられていったが、すでに北が上の世界地図だった。
ヨーロッパ圏でつくられた世界地図が北が上となっている理由は、一説には、「ヨーロッパ人が世界地図を作り、彼らは上にいたかったからだ」と考えられている。重要なのは方位ではなく、地図をつくった人々にとって重要な土地を中央や上に描くことだった。
例えば、古代エジプトではナイル川が上から下に流れるように地図を描いたため、南が上の地図が生まれた。
しかし、大航海時代になり、羅針盤が航海の必需品になると、北を指す方位磁針と対応させるために北が上の地図が「使いやすい」という理由から普及していった。
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