#256 日本の空港は世界一?
日本の空港はハブ空港としての国際競争に遅れをとっている。
ハブ空港のハブとは、車輪やプロペラの中心部にみられる構造のことだ。
自転車の車輪の中心から放射状に線が広がっているように、ハブ空港からは路線が放射状に広がり、ハブ空港は乗り継ぎの拠点となる空港である。
現在、日本一の貿易港となっている成田空港は、かつては東アジアを代表するハブ空港だった。
しかし、近年では地理的に近い韓国の仁川(インチョン)空港との競争に完全に敗れている。
仁川空港の国際線の旅客数は成田空港のおよそ2倍にもなっている。
成田空港が競争に敗れた理由として、
・都心から遠い
・滑走路が少ない
・騒音問題のため夜間の離着陸ができない
(※多くのハブ空港では24時間離着陸が可能)
・日本の空港は建設費と維持管理費が高く、離着料が高い
などがあげられる。
しかし、日本の空港にも誇るべき世界一がある。
飛行機が定刻通りに離陸した割合を示す「定時運航率」だ。
2022年の定時運航ランキングでは、出発率が羽田空港が世界で唯一90%を超えて首位となっている。
航空会社ごとの到着率でも、ANAが2位、JALが3位、グループ会社も含めるとANAが1位、JALが2位と、日本勢が世界のトップクラスとなっている。いかにも時間を守る日本的な部分があらわれた世界一である。
他にも日本の空港には世界一がある。
2022年にイギリスの格付け会社が発表した世界の空港の部門別ランキングで、羽田空港が「世界で最も清潔な空港」に選ばれた。
7年連続9回目の世界一となった。
こちらも、いかにも「日本らしい」世界一である。
今後は、こうした「日本らしさ」があらゆる分野で国際競争を戦っていくヒントになるのではないだろうか。
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【参考】
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