#191 福岡県は太平洋側の気候?
日本海に面している福岡県だが、気候区は「太平洋側の気候」に属している。九州北部から山口県にかけての地域は、同様に「日本海側なのに太平洋側の気候」という地域となっている。
日本海側と太平洋側の気候の違いは2つ。
1つ目は、冬の降水量の違いである。日本海側は北西から吹く季節風が本州の山地にぶつかって雲をつくり雨や雪を降らせるため、冬に降水量が多くなる。それに対し、本州や九州山地を越えた風は乾燥しているため、太平洋側では冬の降水量が少なくなる。
2つ目は気温で、日本海側では1~2℃ほど平均気温が太平洋側よりも低い地域が多い。
では、なぜ九州北部~山口県は太平洋側の気候となっているのか。
1つ目は、季節風が十分な水蒸気量を含んでいないという点である。九州北部~山口県に吹く季節風は、朝鮮半島があるため、北陸や東北地方に吹く季節風に比べて日本海上を通る距離が短い。そのため、山地にぶつかって雲はできるのだが、十分な量の水蒸気量が含まれず、雨や雪が降るまではいかないことが多い。
2つ目は、沿岸を流れるのが暖流の対馬海流なので、気温が高くなりやすいという点である。
これらの理由から、九州北部~山口県にかけては、日本海側だが太平洋側の気候区という例外的な地域になっている。
【目次】
【参考】
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