#245 知らない間にお金が減っている!?
あなたが銀行に貯金したお金は知らない間に減っているかもしれない…こんな話は信じられるだろうか。
日本は未だに貯金至上主義が根強く残っている。
バブル崩壊以前は銀行の利子が4~8%で推移していた時代があったので、かつては将来に向けてお金を増やす手段として銀行への貯金が最適解だった。
しかし、今の日本はゼロ金利。銀行にお金を預けていてもお金は増えない。それどころか、休日にATMでお金を引き出したら手数料でお金が減る始末である(詳しくは次の記事を参照)。
とはいっても、「リスクのある投資をするくらいなら銀行に預けておいて±0でいいじゃないか」という意見もあるだろう。
しかし、ゼロ金利の銀行にお金を預けておくことこそがリスクなのだ。
「インフレリスク」という用語がある。
物価が上がると、持っているお金の価値が低下する。
例えば、月1000円のおこずかいをもらっている小学生がいたとする。
今までは1本10円のうまい棒を100本買うことができた。
しかし、2022年4月にうまい棒は1本12円に値上げした。
すると、1000円で買えるうまい棒は83本になる。
今までは1月1000円のおこづかいにうまい棒100本分の価値があったのに、2022年4月以降は83本分の価値しかなくなってしまったということだ。
これがインフレリスクである。
物価の上昇はじわじわ進む。
そのため、私たちは「最近ものが高くなった、困ったな」程度で済ませてしまうかもしれないが、数十年単位で物価の推移を見ると恐ろしくなる。
例えば、令和4年(2022年)の消費者物価指数は昭和40年(1965年)の約4.3倍だ(企業物価指数は2.3倍)。
具体的な価格を見てみると、
などなど、どれも現在と比べるとかなり安い。
当時の1万円をタンス預金していたとしたら、現代では当時の2500円分ほどの買い物しかできないだろう。
日本の物価上昇は、バブル崩壊以後はかなり緩やかだった。
そのため、日本人は30年ほど物価が上がっていくという実感がないまま、現在の物価の急上昇に直面している。
かつて物価上昇率が高かった時代は、銀行の金利も高く、何より給料も上昇していたため、貯金をしていれば安全にお金を増やしていくことができた。そして、バブル崩壊以後は金利はほぼゼロになったものの、物価の上昇も実感しづらかったため、貯金のお金が減るという感覚が感じづらかった。
しかし、私たちはコロナ禍以降の物価の急上昇に直面している。加えて日本人の給料はほぼ横ばいで、金利もほぼゼロのままである。
ただただお金をためておくだけでは、物価の上昇によって貯金の価値はどんどん下がっていく。
現代では物価の上昇に負けずに、銀行にも会社にも頼らず、自分の力でお金を増やす投資・キャリアアップ・副業などを真剣に考えていかなければならないのだ。
【関連記事】
【目次】
【参考】