#219 東京都の都庁所在地はどこ?
都道府県庁の位置は、条例でこれを定めるよう、地方自治法で定められている。東京都以外の46道府県は、県庁がある市を県庁所在地としている。例えば埼玉県はさいたま市、神奈川県だと横浜市だ。
しかし、東京都は地図帳などで「東京」と記載されており、唯一「〇〇市」でない都庁所在地となっている。
「東京都庁の位置を定める条例」では、都庁の位置を「東京都新宿区西新宿二丁目」と定めている。そのため、都庁所在地は「新宿区」となりそうなのだが、そうはなっていない。
実は、東京23区は全国的に見ると例外中の例外の地方自治体なのだ。
本来、「区」とは政令指定都市(人口が50万人以上の市)の行政区画である。本来「区」の住所は、「横浜市青葉区」「名古屋市中区」「大阪市北区」といった住所表記になる。東京23区のみ、例外的に「東京都新宿区」というように市を省略した住所表記となるのだ。
今の東京23区は、かつては「東京市」という1つの自治体だった。1943年に東京都が成立した際、東京市は解体され、東京都の内部機関として35区が設置され、その後、35区は23区となった。23区は例外的に、区長を選挙で選ぶ、教育委員会が設置されている、区立小中学校があるなど、市町村と同じ権限を持っている。
こうした理由から、同じような権限を持ちながらも厳密には市町村とは言えない「新宿区」は都庁所在地として表記されず、かわりに23区の総称として「東京」として表記されている。
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