第26話 司馬史観という嘘
筆者は、子供の頃「竜馬がゆく」を読んで、坂本龍馬の大ファンになった。社会科教師を目指した理由の一つでもある。しかし、史学科に進学して真実を知った。司馬遼太郎氏の小説は、フィクション(創作)である。一介の浪人ごときが、犬猿の仲の薩長を同盟させるなど、できるはずがない。実は、全てロスチャイルドがお膳立てしていて、それを日本人がやったように見せかけるために用いた工作員が坂本龍馬こと才谷梅太郎なだけなのである。
坂本龍馬の活躍の大部分は、イギリスの外交官アーネストサトウの功績である。薩長を結びつけたのは、坂本ではなく武器商人トーマス・グラバーである。(ロスチャイルドの香港支店シャーディン・マセソン商会の日本担当者だ。)
長州はそれ以前から、伊藤博文ら5人が、ロスチャイルドの斡旋で欧州へ留学していた。所謂長州ファイブである。
薩摩も、五代友厚他が、ロスチャイルドから、近代資本主義を学んでいた。
日本の資本主義の父であり、日本銀行の設立にも尽力した渋沢栄一も、ロスチャイルドのカウンターパートとして育成された。
明治維新をデザインしたのは、薩長同盟ではなく、ロスチャイルド家である。
そして、司馬遼太郎氏の代表作『坂の上の雲』も、創作が多い。
例えば、小説では、主人公の秋山真之があみだしたT字戦法を、東郷ターンで実践し、日本海海戦に勝利したということになっているが、T字戦法は当時の世界の海軍ではごく一般的な戦術である。もっとはっきり言えば、イギリスの武官が乗船して、訓練を指揮していたというのが事実である。
その他、イギリスが日本にさまざまな援助をしていた。
アジアの制海権を握っていたイギリスは、バルチック艦隊の石炭補給を許さず、スエズ運河を通させなかった。そのため、アフリカ大陸を回る7か月もの航海となり、乗員の士気は低かった。
ロシアを破った戦艦はイギリス製である。
日本の戦争に必要な資金を集めるための戦時国債は、アメリカのユダヤ資本ヤコブ・シフが買ってくれた。
こうやって、米英の手厚い支援のおかげで、何とかロシアと対等に戦い何とか停戦に持ち込んだだけである。もう資金も弾薬も尽きていた。
なお、その後、満州を共同管理しようとしたアメリカのユダヤ資本ハリマンの提案を断ってしまい、その裏切り行為のため、オレンジ作戦という日本討伐政策が発動し、太平洋戦争で実行された。
ということで、草莽の若者たちの力で、大国の支配から日本の独立を守ったという司馬史観はでたらめなのである。ロスチャイルドが、宿敵ロシア帝政と戦わせるために日本を育て、何とか引き分けにもちこませたというのが事実である。
イギリスとロシアは、ユーラシア大陸で激しい攻防戦を繰り返しており、それを有利にするために日本を使って挟み撃ちにしたのである。ロシアがもっともユダヤ人を迫害していたので、ユダヤ金融資本が、日本を全面的にバックアップしてくれたのである。
日本会議は、日露戦争までの日本(明治時代)を過剰に評価し過ぎである。ロスチャイルドやユダヤ資本の援助なくして、日本がロシアに勝てるはずはなかった。それを、勘違いしてしまった国民が、日本を大国だと錯覚し、軍部の暴走を鼓舞し、米英との破滅的な戦争を始めてしまうことになったのである。
司馬史観を真実だと思い込んでいてはいけない。一般の日本国民の歴史観はあやふやなものである。「南京事件はなかった説」などがまことしやかに流布されているのも、同類である。
もっと、正しく歴史を学ぶべきだ。日本は、極東アジアの小国である。大日本帝国などと、威張るから、ろくでもない歴史を歩むことになったのだ。身の程をわきまえて、他国と仲良くしなければ食べていけない小日本として、吉田ドクトリンの軽武装・重商政策で、平和第一の道を歩み続けるべきなのだ。