のろ子ちゃんの冒険・第2話
保育園でやっていた遊びを覚えているだろうか。
のろ子ちゃんの場合は、折り紙、お絵かき、かくれんぼ。その他に、
作詞作曲と、絵本の創作がある。
最後の2項目について、圧倒的イキリ保育園児の様子しか思い浮かばないという方、言い訳をさせてほしい。
まず、絵本の創作。これは、じゆうちょうの1ページ目に題名を、そして絵の横に文を描いて話が進むというものだった。それって絵本だよね?
5歳ながらに、どんな想像を膨らませて何を描いていたか。
夢の溢れるファンタジーだろうか。動物と心を通わせる物語だろうか。
事実、残っている題名は、「呪いののろ子」だった。
園児にはじゆうちょうが与えられており、保育士さんは自由帳を使い切るたび、「No.2」と番号を振ってくれていた。「No.」ってなに?と保育士さんに聞くと、番号のことだと言う。なんだかそれがかっこよくて、とにかく自由帳を使い切ること、「No.」を増やすことを目標に、絵を描きまくった。
なぜそこから、「絵本の創作」に飛躍したか。
いきなり物語が頭の中に浮かんできたわけではない。
元こどもの方は思い当たる節があるかもしれないが、「迷路の創作」という大変楽しい遊びがある。あれ、なんであんなに楽しいんでしょうね。とにかくめちゃめちゃに道を描いていく。道がふたつに分かれたり、五つに分かれたり、途中で合流したりする。それをページをめくってはめくっては描いているうちに、この迷路のゴールについたら、なにが起こるかを考えはじめると、ドアとかが描きたくなってくるのだ。
せっかくだから大きく描く。その下に「あけると…?」とスマホゲームの広告のセリフみたいなのを書いて、クリックを誘導する。じゆうちょうにクリックはないので、次ページに誘導する。そこには虹色の宝石や、虹色のリボンやドレスを身につけて笑っている女の子。虹色のお米、虹色のたまごやきまで描いた記憶がある。夢、または天国のようである。
とにかく虹色が大好きだったのだ。虹色ってやばい、全部取りじゃん。好きな色は?って聞かれた時の「虹色」のチート感。数年前インスタで話題になった虹色のチーズケーキを食べに行ったのは伏線回収といえる。
話がそれてしまったが、その時私は多分童話の影響や、スターウォーズのような勧善懲悪の話に影響を受けていたのか、「ご褒美」の逆は「お仕置き」だという概念が5歳ですでに存在していた。つまり、「虹色のご褒美」を描いたならその逆も描かねばならないと思い、「うそのドア」を作った。
うそのドアはあきらかによろしくなさそうな雰囲気を発している。そのドアの先には、自分が思いつく限りの「ぼろぼろ」の演出を描いていた。
虹色の逆として浮かんだイメージは灰色と、血だった。そこには、さっきまで虹色のドレスを着て笑っていた女の子が、ボロボロの服を着て泣いている様子が描かれていた。シンプルに地獄である。
眉毛と口角が下がり、吹き出しが描かれ、「えーん」と台詞がついている。服にはつぎはぎの表現が描かれ、肌には切り傷、そこから曲線で血が流れている様子が描かれていた。
これが、「呪いののろ子」ちゃんの原点である。
第3話に続く。
(この下には話の続きは何もありませんが、早く続きが読みた〜いという方や投げ銭してもいいよんというド親切な方、なんでもない文章でも摂取したい〜って方のために最近の日記が書いてあります❣️ )
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