ペルソナって何?ペルソナの使い方 【ライティング/サイト企画の基礎】
こんにちは、とらみぃと申します。
最近、ランサーズ等を使ってWEB記事を外注する機会が増えてきました。発注者をやってみて初めて気がついたのですが、意外と『ペルソナ』への理解と使い方を誤解されているライター様が多いようでした。
その際に(制作していただくにあたり)ご説明していた内容が好評でしたので、noteへまとめてみました。宜しければご参考ください。
ちなみにこの話は、自身がWEBライターの立場の際に依頼者様側がよくわかっていない場合も稀にありましたので、WEBライティングのみならず、WEBサイト・WEB制作の企画や設計にも使える超基礎的な手法になります。
1.ペルソナって何?-認識チェック-
まず上のイラストを見てください。
仮に『Aさんの悩みに、知人のBさんが解決案を提案している様子』とします。この二人に、それぞれ『ペルソナ』役と、『ライター(またはサイト設計者)』役が振り分けられる場合、Aさんは何役に当てはまるでしょうか。
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答えは、Aさんは『ペルソナ役』になります。
ちなみに、『ペルソナ』の認識でよく食い違いが起こる時、その方はBさん=ペルソナと認識されている方が多いです。
・・・いかがでしたでしょうか。
2.『ペルソナを使う』『ペルソナに寄り添う』って、どういうこと?
それでは、ライターのBさんについて、更に観察してみしょう。
Bさんは、Aさんの相談事(悩み)を解決するために、Aさんご自身が使えそうな情報を集め、ペルソナ=Aさんが理解してくれそうな言葉や言い方(ふるまい)を使ってAさんへ説明をしていきます。
もしBさんの説明にAさんが納得しない場合は、更に別の案を出したり、もしくは出した案を掘り下げて詳しく解説してみたり、、Bさんは兎にも角にも、悩んでいるAさんが納得して行動し問題が解決することを目指して行動を起こしていきますよね。
この『Aさんご自身が使えそうな情報を集め、Aさんが理解してくれそうな言葉や言い方(ふるまい)を使ってAさんへ説明する』の部分が、
いわゆる、お題に対する 記事の中身 になります。
ちなみに主観は、あくまでライターBさんのままです。言い換えると、ライターBさんは、Aさんになったつもりで物事を考察を述べる必要は一切ないのです。
上記が、AだのBだのわかりにくかった方のために、もう1つ例を挙げます。(不要な方は飛ばして読んでください。)
ある日、ペルソナが、とある悩みを友達の貴方へ相談してきました。
貴方は困っている友人(ペルソナ)のために、できればなるべく親身になって(=気持ちを寄り添って)一緒に解決策を考えてあげたいと思うとします。
その時に出てくる内容は、例えば、
1,お薦めの解決方法から順に説明する
1-2,なぜそのお薦め内容が適切だと思ったのか
1-3,自分が実体験した内容がどうだったのか
2, お薦めの順以外だが他にもこういう解決方法がある
などの、掘り下げた詳細な知見や情報になると思います。
また、提案する大前提として、その友人の立場や状況に配慮しながら考え出した内容になっている と思われます。
この『内容』に相当する部分が、ペルソナ設定のある場合のWEBライティングで制作する『記事の内容』と『表現の仕方』に相当します。
WEBライティングやサイト設計において、依頼者に設定されたペルソナを使うということは、『ペルソナになりきる』ということ等ではなく、『ペルソナに寄り添う』というほうが意味合いが近くなります。(※)
※あくまで今回の手法としての考え方の場合であり、言葉自体の意味上では、『なりきる』も『寄り添う』に含まれる場合があります。
3.私が実際に経験した、ペルソナ認識くいちがい例
サイト企画でペルソナを設定した場合、依頼者側としては、企画のペルソナの設定を詳細に明記・お伝えすることで、書き手となるライター様ご自身の経歴や性別がペルソナの設定と同一・類似でなくても、ご応募いただいたライターへ記事をご依頼します。
なぜなら、(ここまでの説明のとおり)書き手とペルソナが一致する必要が無いためです。
しかしながら、制作の過程になってから初めて、ライター様から『ペルソナになりきって作成します!ご安心ください!』と言われたり、
30代男性ライター様が『20代女子になりきって書いてみました!』と、 謎のネカマ記事が仕上がってくる(ちなみに、所々に『乙女的には~』という表現で締められていました・・)ようなことがありました。
有り難い事にWEB制作で出遭う方々は真面目で善良な方がとても多く、 「どこでも修正しますからお気軽に!!」と言っていただくお言葉もありがたく、ご縁のあったライター様へは本当に感謝しています。
ただ、根本的に認識が食い違っている場合、どこから何を言っていいのか、どういう風に修正をご依頼すれば良いのか・・など、依頼者側としては費用をかけたにも関わらず、目的の記事を得ることができない事に困ります。
別の事例になりますが、
今までのライター様のご経験上、たまたまペルソナの設定がライター様自身の情報に近い案件ばかり対応してきたために、ペルソナの意味合いを混同されている場合もありました。
『ペルソナの気持ちがわかる・共感できる』ことは制作内容の根幹要素でもあり、依頼者としても大変ありがたいです。
ただペルソナへの認識が食い違っている場合、
極端に主観的な制作文章ができあがる(そしてそれがおかしいとご自身では思わない)といった、
客観的表現の乏しさのようなものが制作に現れてきます。
実際に、ご提案内容の根拠が全部『知り合いの整体師の先生が良いと言っていたためです』な文章を、『自身のベストを尽くし書き上げました。ご確認ください。』という添え書きと共にご納品いただいた時に感じました・・。
ただこのような場合は、
毎回一緒に同じスポーツの同じ球団の観戦をしている同世代同性の友人同士ゆえに、アドバイスもお互い自然に行いあっている
ようなものなので、書くネタ自体は豊富なことが救いです。
客観的な表現を増やす等、書き方の工夫をテコ入れ(ご修正依頼)することで、リカバリーが比較的しやすいので、
依頼者としては、ライター様とコミュニケーションを取ることで、目的の内容に近いところにまで修正(リテイク)を対応いただくことができました。
4,そもそもの話。ペルソナ設定自体への理解
訳のわからない内容の仕事内容に、
求人応募はしないですよね。
ペルソナの設定内容が理解できるOR理解できない については、
案件に応募するかどうか検討する際に、ペルソナ設定に寄り添った記事が制作できそうかどうか自己判断いただくか、
ご応募後に依頼者へペルソナ設定について更に掘り下げた質問を根堀葉掘りして理解に努めていただくか、が望ましいかと思います。
ちなみに未だに、どう表現したら適切だったのか、
依頼者として、若干もやもやしている事例をご紹介します。
ライター様から依頼者へペルソナ設定への質問があり、『設定しているペルソナへの解釈』を補足で説明したところ、『ペルソナ設定の追加ですね』という返しがあり、
本当に『追加』なら、依頼者として後出しジャンケン的なご迷惑をかけたことになりお詫びするところですし、
逆に補足として説明した内容であっても、そのライター様にとってご理解が難しかった故に『追加』と認識されてしまっただけなのか、
微妙に葛藤しました。
この時はなるべくライター様が気持ちよく書いてくださる応対を優先しましたが、今後自身の結論が出るまで、ペルソナの設定について補足説明を入れるのはとりあえず止めとこうと思いました。
5.さいごに:大切なことは『柔軟な連携』
更に根本に立ち戻った話になりますが、
WEB制作はディレクターである依頼者と作り手であるライター様の連携あっての活動です。
ライティングにおいても、依頼者・ライター様共にコミュニケーションを取りながら、お互い気持ち良くやり取りを進めることで質の良い制作物を生み出し、案件を完結することが望ましいことに変わりはありません。
この記事を読んで頂くことで、今後、ペルソナの使い方についての認識を 依頼者・ライター様で共有することの一助になれば幸いです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。