既婚・女性・単身で家を買ってみた
1,起こったこと
私が会社員生活8年目に、大阪府大阪市でマイホームを購入した時のことです。物件を買う流れ自体はごくごく一般的な工程どおりで、物件の内容も銀行が検討するような注意物件ではない、いわゆる超普通の安パイ条件の物件です。
・時期:2017年10 月
・属性:会社員(正社員)8年・年収500万・既婚(子無)
・健康状態(住宅ローンに付随する団体信用生命保険に関連):良好
・年齢(住宅ローン完済までの年齢に関連):30代
・対象物件:戸建て中古物件・価格約2000万・全面道路4m・容積等問題無
・頭金:500万程度
2~3ヶ月かけて良さそうな物件を見つけ、不動産仲介会社を通して住宅ローン(融資)の借り入れを相談するにあたり、2社以外の銀行全てが、
・「女性」は既婚の場合、男性配偶者の情報が必要です
・「男性」なら既婚の場合、一人でローンを組めます
と連絡をしてきました。
なぜですか?と問うと「決まりです。」とのこと。
「では私が男性だったら問題がなかったのですか?」と問うと、
「そうです。(全文そのまま)」と返答がありました。
ちなみに「独身者の場合は性別問わず一人でローンを組めます」とのこと。
まさか、婚姻が社会的信用が下げるとは衝撃でした。融資のために、好きでもない会社員生活を苦労して積み重ねてき来た筈が、なんという落とし穴!
とりあえず、離婚手続きより先に、性転換を検討しました…が、実際に性転換(女→男)した友人の『男性ホルモンを打ったら身長5cm伸びたけど、頭のハゲも進行した』という事実を思い返して我に返りました(ごめん)。
2,結局
結局、チキンな私は悔しくて堪らない思いを抱きながらも、銀行を訴える行動にも出ず、離婚届を出すのも何か違うと思い直し、不動産仲介会社の協力を経て、
問い合わせ時に配偶者の情報云々について何も条件提示の無かった女性応援プランを謳う銀行に単独で住宅ローン(融資)を申込み物件の購入に至りました。
ちなみに2020年8月現在も、順調に支払いは継続し問題は発生していません。
3,2017年当時、調べた事や相談した事
・既婚女性が単独で住宅ローン(融資)を申し込む割合は、全体の3%。*当時の行政資料から確認
・『既婚女性が単独で融資申し込みする場合は、配偶者(夫)の社会的信用に問題がある場合が前提と見なす』といった固定観念を持っている銀行が多い。ここで云う『社会的信用』とは銀行が融資を判断するための属性や過去の支払い不備がないかどうか等のこと。*不動産仲介会社の営業担当より
・妊娠の可能性について、2017年出産率は女性全体の約30%。*当時の行政資料から確認
一連の件について、パートナー(配偶者・属性は同等)へも相談してみました。
ただ私の相談に対して、性差別(痴漢冤罪を始めとする男性側の被害や対策のしんどさ)について、いかに自分は大変かを延々語るのみで、残念ながら直面している問題について共に対策を考えてくれることはありませんでした。
日頃徹底した論理的思考脳で、日常から仕事に至るまで問題解決を得意とする 彼の発言とは思えない対応だったため、別の意味でも衝撃的でした。
4,法律婚が片方の性にのみ与えるデメリットの謎
2016年4月「女性活躍推進法」の施行や、2010年頃からのSNSの後押しもあり、社会的性差を問題とする社会制度の見直しを求める声が10年・20年前よりは遥かに盛んになってきましたが、2020年になっても尚この類の話は挙がってきていないため記事にまとめてみました。
上述の事例だけでも、先に知っていて住宅ローンを検討する場合、(多少ですが)心構えだけはできると思います。
私は社会人生活を10年以上経験しましたが、想像以上に頻繁に、法律婚をしたことで自動的に婚姻前よりも重い性差別を片側に被せてくる事例を目撃してきました。
海外デモ活動のような被差別側の怒りの行動が足りなさすぎるのでしょうか、それとも夫婦に子どもがいれば、家庭としての一体感とやらが発生して何かしら変わるのでしょうか、その場合、子どもの生まれなかった・子どもを持たなかった世帯は社会の仕組みから取り残されて当然と解釈されるのでしょうか、はたまた、割り切って社会で活躍することだけに注力したほうが得るものは大きいのでしょうか。。
まだまだ理解に苦しむ現実はたくさんありますが、改善の方向へ少しでも変えていける要素を探し出し、微力ながら快適に社会生活を過ごせる方法を引き続き模索していきたいと思います。
ご拝読ありがとうございました。
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