相溶性(Miscibility)と混和(相容)性(Compatibility)
どちらもPolymer alloyでよく使われる言葉。ほとんどのPolymer alloyは非相溶系。
相溶性(Miscibility)
相互溶解性の略。混合系が単一層を形成する能力のこと。熱力学的に混合状態で、相分離していない。ただし"単一層"にもいろいろな定義があるので細かくは難しい。モノマー単位の次元で相互に溶解するか否か。
混和性(相容性)(Compatibility)
各成分物質が界面結合をする能力のこと。各成分ポリマー相の分散性のよさ。
分子レベルでの溶解はせずに相分離している、つまり非相溶であるが、相分離構造が小さい状態のことを混和(相容)性がよいと呼ぶ。各成分物質が界面結合をする能力がある。
相容化剤 (Compatibilizer)を加えることで相容性を示すこともある。「相溶性」と混同しやすいので、「混和性」のほうが好まれて使われる。
以上の観点から、いわゆる"相溶化剤"と呼ばれて販売されているものは、とくに非相溶性ポリマーアロイに追加して使用されるものについては正確には"相容化剤"と表記されるべきであるが、すべてを総称して"相溶化剤"と表記されている文献も多く、そちらの漢字のほうが一般的に感じられる。なお、Compatibilizerのように英語で言えば誤解がない。