結晶性樹脂と非結晶性樹脂
熱可塑性樹脂(Thermoplastics)には結晶性樹脂と非結晶性樹脂がある。
結晶性樹脂 (Semi-crystalline thermoplastics)
分子鎖が規則正しく配列された結晶領域の量の比率が高い樹脂。比率が高いだけで、非結晶部分も含む。結晶化度(Crystallinity)でその比率は表される。比容積が小さいため、成形収縮率が大きい。結晶性樹脂の中でも結晶化度はさまざま。
非結晶性樹脂 (Amorphous thermoplastics)
分子鎖が分子同士が不規則に絡み合うランダム構造の状態で、結晶化度が極めて低いか、結晶化状態になり得ない高分子物の樹脂。無定形高分子とも呼ばれる。融点がない。非結晶部分は膨潤・溶解が起きやすいので有機溶剤に弱い -> ケミカルクラック。
結晶性樹脂のほうが優れているところ
耐熱性
強度
耐衝撃性
ガラス転移温度
バリ特性
溶融強度
耐薬品性 (耐溶剤性)
耐摩耗性
高延性
非結晶性樹脂のほうが優れているところ
流動性
透明性
靭性
耐候性
耐疲労性
成形収縮率が小さい (-> 寸法安定性、反りにくい)
接着性
塗装性
印刷性