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本会議:長期契約法改正案 賛成討論(重徳和彦2019/03/12)

特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法(通称「長期契約法」)の一部を改正する法律案 賛成討論(衆議院本会議)

○重徳和彦議員 社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。会派を代表して、長期契約法に賛成の立場から討論いたしますが、何点か指摘しておきます。
【指摘1:長期契約による経費縮減効果】
 まず、長期契約法による経費の縮減効果についてです。
 岩谷大臣は「適切に算定をした」と答弁されていますが、野党各党から指摘があるとおり、積算根拠の曖昧さへの疑問が審議の中で十分拭い切れませんでした。
 そもそも防衛装備品の価格決定は原価計算方式になっており、その価格水準の適正化について、防衛省は、製造コストにおける一般管理・販売費などの間接経費も含め、各企業に対し不断に改善を求めていくべきです。
【指摘2:FMS調達の拡大/海外調達依存】
 次に、FMSについてです。FMS調達によるF35A戦闘機の導入は民主党政権下で判断されたものですから、当時政権にあった野党議員も否定できないはずですが、その金額は現政権になってから急増し、平成31年度予算は7000億円を超える中で、支払額・納期が不透明なFMS調達に10年先までの長期契約を適用することは、我が国の財政の見通しに支障をきたすことになりかねないという不安感も否定できません。
 また、長期契約法の趣旨の一つは、調達の安定化と効率化を通じて国内産業を育成することにもあるはずなのに、このFMS偏重の傾向が続けば、これまで歯を食いしばって防衛装備品の製造を続けてきた国内企業が撤退し、海外のライセンスや調達への依存度がますます高まってしまいかねません。
【提案1:長期契約の効果の適切な評価】
 以上を指摘した上で、社会保障を立て直す国民会議としては、次の点を提案します。
 まず、現行中期防における長期契約法の適用対象は、機種ベースで13.2%、金額ベースで7.7%と、限定的であると言えますが、今後も対象となる装備品を適切に選択した上で、間接経費などの積算根拠を含め、その効果についても適切に評価するべきです。
【提案2:FMS調達の適正化/依存度抑制】
 次に、FMS調達における米国内と対日本の売値の差について要因分析を徹底的に行い、米国から割高な買い物を強いられないよう最大限の努力をすべきです。
 その上で、FMS調達への依存度を抑制するため、研究開発への投資をふやし、F2後継機などの開発を国内企業が主導できるよう、最新技術を育てていくべきです。
【提案3:産業再編の促進】
 さらに、国内の防衛産業の再編強化を進めるため、唯一の発注者である防衛省が防衛産業のビジョンを示しながら、各企業との対話を積極的に行うべきです。
【提案4:技術安全保障】
 最後に、技術の国外流出を防ぎ、日本国内の技術を保持することをもって経済上も安全保障上も国際的地位を高める「技術安全保障」を国家戦略として進めるべきです。
 以上を申し上げ、賛成討論とさせていただきます。

(以上)


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