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おつかれユー #19 ゾンビが来りて指を食む
昨夜、ユーはお腹いっぱいになって、ベッドにごろりとなりました。
網戸の窓から入る冷たい風が、ユーを気持ちよくなでていきます。
けれど、至福の時間のはずなのに、急に不安がよぎります。
『このまま寝ちゃって、ゾンビが入ってきて、足の指をかまれたらどうしよう』
こう思うには、古くて緩い、因果があります。
ユーが子供だったある日、窓を網戸にしてお昼寝をしていました。
そこへ野良猫が入ってきて、ユーの足の小指を、嚙んだのです。
猫が開けられる網戸であれば、ゾンビもきっと、開けられます。
猫に噛まれてもへっちゃらですが、ゾンビに噛まれたら致命傷です。
このまま寝ていたい欲求と、万が一に備えたい衝動。
2つの感情がぶつかり合って、ユーはごろごろ苦しみました。
結局閉めて寝ましたが、これからも、世界がゾンビにならないといいですね。
おつかれ、ユー。