正しく見えた未来~資源確保~01
山を削り、木を伐り、そして獣たちを狩る。
全てが消えた場所を黒く四角いもので埋める。
全部を埋めきれないので、大変見栄えが悪い。
でも、これで注がれる光の恩恵を文明社会へ供給できる。
光というのは毎日毎日この星に注がれる膨大なエネルギー資源だ。
このエネルギー資源を使わない手はない。
やり口が汚いって?
そんなことは知らん。
新しいことをやるには、それなりに人手が必要なんだ。
人手を準備するにはカネが要る。
だから関係各社にカネを配れるように法を整備する。
法に則ってるんだから、誰にも文句は言わせない。
まぁ、そりゃぁ多少はフライングしたけどよ。
そんなの、黙ってりゃ良いだけだ。
って、みんな思ってた。
実用化の目途がたって政府によって大々的に発表がなされた。
記者会見だって大臣の手で開かれた。
大臣はイケメンに限るね。
おっと・・・イケメンはもう死語か。
ああ、なぁに、俺たちおっさんの時代の言葉さ。
カッコいいってのをあの時代ではイケてるって言ってたんだ。
そこにメンズを加える。
そしてできた言葉がイケメンだ。
大臣はまだ40行かないくらいの若僧だったが、まぁまぁ上手く矢面にたってくれていた。
厳しい指摘などあったかって?
そりゃぁあったさ。
どー見たって胡散臭い内容の発表だもの。
無限に供給されるクリーンなエネルギーだなんて言って、あの時代の誰が理解できるよ?
理論的にはけっこうイケてたものだったんだ。
ちゃーんと道具をそろえるところにもクリーンなエネルギーを使えるようなシステムを考えていたんだ。
クリーンじゃないエネルギー、いわゆる化石燃料ってやつがあるだろ?
あれを徐々にクリーンなエネルギーに置き換えていくわけさ。
実際に使用する人々に行きわたるまでな。
んで、行きわたったら、最後に最初のところをクリーンなエネルギーでフタするわけよ。
そうすれば、あら不思議、全部がクリーンなエネルギーになるって寸法よ。
あの若い大臣もこの辺の手順は理解できたんだ。
だから確信犯として発表できた。
当然、大臣だけに任せっぱなしじゃ広がっていかないってんで、関係各社もどんどんPRして広めていったわけだ。
そーしていくうちに、徐々に浸透していった。
んで、今に至るわけよ。
ちゃんと稼働してるだろ?
・・・
だがなぁ・・・
この話には続きがあってだな・・・
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